新たな使い方
32話
ネオさんを助ける前に遡ること30秒前
さっきから何度も転んで、口の周りが砂の味しかしない
はぁ、後どのくらいの距離でネオさんと
合流できるんだよ?
幸い道中他のモンスターに襲われてないけど
ん、メールが届いているな?
一体誰から?内容はアイテムと金関係?
って
あれは、ネオさん?
《飛行》を発動して空中に留まってるのか
まぁあの距離だったら、あと5分で着くかな...
「な、砂の塊にしてはデカすぎるだろ!」
サンドゴーレムは一際大きい砂の塊をネオさんに
向けて放とうとしている
「いくらなんでも、あの攻撃を避けるのは難しいよな」
やっぱり、ネオさんは諦めているのか動く気配が一切無い
スキル《コウモリ化》
貯蓄している血液を使い背中に翼を生やす
「まだMOFで空中戦はやった事無いから羽ばたく時は、バランスを崩さないように気をつけないとな」
同じく《突風波》を継続して
使用して
翼は風を受けて一気に加速する
「相変わらず速すぎる...」
このスピードならそろそろ近くに...
お、ネオさん発見 しかし目の前には巨大な砂の塊がある
どうする、どうすればいい?
そうだ、久しぶりにあれを使うか
俺はタガーを2本を取り出し巨大な砂の塊に
突き刺してこう唱える
「《スパイラル スティング》!」
巨大な砂の塊はボロボロと崩れていく
なぜ崩れたのか
その理由としては、中心部分に突き刺して
攻撃技の《スパイラル スティング》の貫通効果により
形を保つ事ができずに崩れたからである
そして現在
「大丈夫ですか?ネオさん」
「リクリク...」
疲れた顔だな、そりゃあそうか20分近く
1人でサンドゴーレムの足止めをしてたんだもんな
「ネオさん、ここは俺に任せてカリンと合流するのを
優先してください」
「ん、分かったリクリクも気をつけて」
「さっきはよくも俺を吹っ飛ばしてくれたな」
日光さえ克服できれば、サンドゴーレムくらい倒せる
それに、
空中戦をする良い機会だから思う存分俺の練習相手
になってくれ
刀を鞘から抜いて、勢いよく翼を羽ばたかせながら
一直線にサンドゴーレムへと向かう
サンドゴーレムは距離を取るために砂の塊を連続で
飛ばしてくる
「さっき、巨大なのを崩したから質より量の攻撃かよ」
俺は針千本を使用して
簡易的な足場を作り、
連続で目の前に飛んでくる砂の塊を斬りまくる
攻撃が止んだ瞬間、サンドゴーレムは発狂して
拳を振り下ろす
「モンスターのしかもサンドゴーレム何かの同じ
攻撃で吹っ飛ばされると思うなよ!」
刀を鞘に納める
そうだ、
今まで使う機会が無かった《付与魔術》を試しに
使ってみるか
《付与魔術 疾風》
足に力を込め一瞬で、サンドゴーレムの上に移動する
サンドゴーレムは何をされたか分からないようで
後ろを向き振り払い攻撃をしてくる
しかし
その瞬間、両腕はバラバラになって崩れ落ちて行く
「初めて使うにしては上手くできたんじゃないかな
他にも色々な付与魔術があるけど、それは今度試すとするか」
付与魔術 疾風
縦横無尽に疾風の如く移動する
(スピードや反応速度が劇的に上がる)
武器に風属性効果も付与される
先程の一瞬の出来事を簡単に説明すると
俺は足に力を込めて拳に向けて勢いよく跳躍して
すれ違いざまに刀を抜刀した。
そして、
さっき簡易的に作った足場で咄嗟に思いついた使用方法
・空 空中に足場を作る
足場の向きや足を置く所がどうなっていようとも
足場に留まることができる
針千本 移ver. 空を両腕の至る所に配置して
まるで、ピンボールのように跳ねたからこそバラバラに斬ることができた
「それじゃあ関節部分を狙って、胴体と頭を丸裸にしていこうか」
付与魔術の持続時間は10分そして重ねがけも可能
重ねがけの場合でも持続時間は変わらず10分
自分の意思で解除できる
その時、砂の槍が俺に向かって飛んでくる
「クソ、足を狙いに行けねぇ...」
反応速度が上がったおかげで瞬時に避けることはできたけど
「チッ、クソもう両腕が再生してやがる」
さてと、こうなると止まらずに連続斬り続けないと
イタチごっこになるだけだな
この状況でも俺を近づけさせない為に砂の槍を
どんどん飛ばしてくる
「さっきと違って速くて威力がある攻撃、未来予知と疾風で避けれるけど...」
数が多すぎて避けたり斬ったりするの面倒だな
どうにかして再生を少しの間止めて攻撃を続ける
方法は無いのか?
そういえば、さっきメールが届いていたよな
ネオさんがピンチだったから、
詳しく見てないけど今確認しておくか
メールボックスを改めて見てみると、一番上の差出人がサナさんになっている
内容は
決闘の際に大男からスティールした全アイテムと金か...
ん、アイテム!
ってことはあるんじゃないか
やっぱり、あった
ヴァンパイアと相性が良くて、新しい俺の武器となった
『大剣 雪血 』 が
感想待っています