アイテム回収方法
24話
「リク君平気かい?」
「リクリク平気?」
「あ、はい どう対処しようか迷っていたので
助かりました」
「な、離しやがれ!俺様を誰だと思ってんだ!
俺様はなB級冒険者であり、あの最強と言われているギルドにいずれ入るつもりでいるんだぞ!」
「お前も可哀想なやつだよな よりによってリクの坊主に決闘を挑むんだからな」
「リクくん、おつかれ〜 」
「それにしてもリク君、この男と何か言い争っているように見えたけど決闘以外に何かあったのかい?」
「えっと、実は...」
俺はサエルさん達にこの決闘直前に決闘相手との
口約束の内容を詳細に伝えた
「なるほど、口約束だったけど周りには証人が
沢山いるわけだね」
「それなら約束守るべき...リクリクと戦ったことを
後悔すればいい...」
「確かに口約束でも守らないとね〜」
「約束を破るやつは俺が許さねぇ
一発殴ってやる...」
「まぁ、ガイの事は放っておくとしても
どうやってアイテムを全部回収するかだね」
「はい、俺としてはPKだけは絶対にしたくないので
1つ思いついた方法としては、決闘じゃなくて今度は
PvPにしてルールをきちんと入力した上で倒すとか
なんですが、
さっきの決闘で集中力が切れてしまってPvPは
したくなくて」
「確かにさっきの戦闘凄かった リクリクナイス」
「あはは、ありがとうございます ネオさん」
「うーん、そうなると
シーフ系ジョブのスキルに頼るしかないな」
「ギルドにいるシーフ系ジョブに招集かける?」
「ネオの言う通り、そうしたほうがいいね
僕からメンバーにチャットしておくよ」
「俺様を無視するんじゃねぇ!
てか、いい加減この捕縛を解除しろよ!」
「ん、解除してもいいけど
多分ガイに殴られるよ?」
「あぁ、解除したら逃げれねぇようにリスポーンしない程度の威力で殴ってやるぜ」
「やめろ、ガイ
お前がここで暴れたらうちのギルドの評判が下がる
もしそうなったら、トップの実力があっても野蛮な
ギルドだと周りから思われてしまうんだよ」
「あ、あぁサエルが言うならやめるぜ
ネオずっと捕縛していてくれ」
「もちろん、私はガイみたいに脳筋じゃないから
そんな事は考えない」
「な、誰が脳筋だ!」
「リクリク、ガイ怖い助けて」
何故か分からないが、急にネオさんは俺の後ろに隠れた
「まぁ、俺的には殺ってもいいと思いますが
そうなるとコイツから全て回収できないので辞めて
くれると助かりますね」
「あ〜、サエルとリクが言うなら俺は万が一逃げた時を考えて見張っておくぜ」
「あ、そろそろシーフジョブの人が来そうだよ」
「あのギルドマスターお呼びになりましたか?」
「あぁ、サナ君待っていたよ
君しか持っていないあのスキルならこの状況を変える
ことができると思ってね
迷惑だったかい?」
「いえ、全然迷惑ではないです
私のスキルが何かしらのお役に立つなら...」
(あのスキル?シーフ限定スキルなのか?)
「あ、でもこのスキル人目につくのはマズイので...」
「あぁ確かに、あのスキルを他人に見られたら
要らぬ誤解が生まれて後々面倒な事になるね
さてと、どうしようかな...」
見られると厄介なスキルなのか?
まぁ人目につかないようにする方法なら一応あるけど...
「あの、人目につきたくないなら俺のスキルで多分
隠せることができると思うので試してみますか?」
「本当かい?もしできるならやってくれないかい?」
「分かりました
スキル《血液創造 血屋根》」
俺を中心として決闘の舞台を覆い囲む程の大きさで
血液の壁と屋根が創られていく
「今更なんだけど、今のスキルで多分周りの
プレイヤー達にリク君の種族がヴァンパイアって
バレたと思うけど大丈夫だったかい?」
「え、あぁ〜まぁ大丈夫だと思います
例えバレても余程の事がない限り負けないと思うので」
「そういえば、リクリク今日の正午からのアプデで
料理と料理スキルが追加、あと8人グループを作っての
協力イベントが始まるらしい」
「あ、そういえばアプデが近々って言ってましたけど
今日だったんですね」
「とりあえず、話を元に戻すことにしようか
サナ君これでスキルを使ってくれるかい?」
「わ、分かりました」
「俺様に何するつもりだ!
例え俺様が殴られて危険な目にあったとしても、
アイテムだけは渡さないからな!」
「ひぃ〜、こ、怖いです...」
「ネオさん、あの人ビビりなんですか?」
「うん、ビビりビビり
まぁでもあのスキルを使う時はきちんとするから
平気平気」
「あ、そうなんですね」
それにしても、
盗み系のスキルって確率低いしせいぜい1.2個を盗める
だけなのに、秘策でもあるのか?
「そ、それじゃあスキルをつ、使います...
《全窃盗》」
《全窃盗》?
一体どんな効果を秘めているスキルなんだ?
《全窃盗》の効果
使用後、
全MP・HP半分を消費・1時間の間ステータス半減
などのデメリットが多いが
相手の持ち物全てを盗むことができる
「このスキル凄い けど使用すると周囲の人間が
サナちゃんの事を避けるようになるから
ギルドでも知ってる人少ない少ない」
「確かに、盗まれた本人は気づかないんですから
周囲はあの人のことを避けるようになりますよね」
「うんうん」
「そ、それでギルドマスターこの人のアイテムや金
全部奪う事ができましたけど、どうします?」
「あぁ、このリク君に全て渡してあげてくれ」
「は、はい分かりました
えっとこの人から奪ったアイテムはここからここまで
だから、一括にまとめて...」
「あ、そうだリク君 もしウチのギルドに入る時の為に
リアルでの連絡先を教えて欲しいんだけどいいかな?」
まぁリアルだと、俺の連絡先知っている友達って
少ないから別に構わないか
「分かりました。電話番号とSNSのアカウントで
いいですか?」
「うん、全然大丈夫だよ」
フレンド一覧からサエルさんを探してっと
電話番号とSNSのアカウント名を
入力して送信
「今、サエルさんにメッセージ送っときました」
「確かにきてるね、スマホに入力しときたいから一度
ログアウトするよ」
「これで全部かな?
あ、でも待って お金もこの人沢山持っていたから
ログを見直して金額分もしっかり渡さないと
えっとえっと」
その時
《アップデートの為、今すぐプレイヤーの方々全員を
強制ログアウトさせていただきます》
「「え!」」
目の前が真っ暗になり
《ログアウトしました》が表示された
感想お待ちしております