Memory
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【誰?なんで神界に居る?】
【貴方に会う為だ】
【なんで?私は叛逆の女神―――】
【記憶の女神でしょう?叛逆は行いに過ぎないし、、、何より貴方が何に叛逆したって言うんですか?】
【人間の、意向―――貴方達の進化したいという理想。
貴方は進化を何と心得る?】
【少数であった弱者が環境に適応し多数の強者となることでしょうか】
【違う。
それは一部分的な進化に過ぎない。
人間という枠組みの中での進化―――もっと言えば原初に抗わぬ進化。
本質的な進化は、人の核―――即ち人類種の歴史をまるごと書き換えることで初めて成立する。
生物の本質たる『死』や『感情』すら、その歴史の枠組みを出ることができないのだから―――それは自らの自由を縛っているように見えるだろう】
【、、、】
【学びすらそう。
学びとはそれ即ち大元の知識、、、君達の言う常識の範疇でしか起こらない。
人間は自らが何を知らないかを知れない。
だからその常識を形どる『歴史』―――つまり世界の記憶は不要なんだろう】
【そんな事は―――】
【ある。
そんな事が無いのであれば、私は叛逆神などになっていない。
だから―――ほら】
【なぜ首を差し出すんですか?】
【殺しに来たんでしょう?
否、殺せと言われたんでしょう?
私を殺さないとあの娘が死んてしまうんでしょう?】
【何故それを―――】
【私は記憶の女神。
あなたの記憶を覗けないとでも?】
【なら、最後まで記憶を覗いて下さい。
俺は貴方を殺す気なんて微塵もない。
あの娘も―――■■■も、貴方を救えと言いました』
【何故―――?】
【目を覚ませ、記憶の女神!!
貴方まで連中と同じ様に狂ったのか!!
人間の枠を超えた進化?―――そんなもの、誰が望んでいる!!
貴方が見てきた世界の記憶に何人も居ただろう!
人の身でありながらその限界を超えた存在が!】
【―――何を―――】
【貴方すら認めない貴方の存在を俺が認める!!
貴方はこの世に必要な神だ!!】
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