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14 賑やかな朝

今日も投稿します。

俺は、美紅ちゃんに抱えられて律ちゃんの部屋の元の場所に戻してもらう。

静音ちゃんは、本体である神楽鈴は律ちゃんの部屋に有るのでその場ですっと消えるだけ。


『便利だよな。あれ、分身?でいいのかな。』


部屋に入ると、世話しなく膳を運びいれる女官たち。彼女たちの装いとてもシンプルなので身分の低い人達だとわかる。


紅葉様と律っちゃんが並んで膳の前に座る。

それにしても、膳の数が多いな。

主食は硬めのお粥、焼き魚、肉と野菜の炊いたん、山菜の酢の物、すまし汁、焼き豆腐、蒸した芋がデザートかな?光沢が有るので蜜を含んでいて甘そうである。

とはいえ、小さな子供が食べる朝御飯にしてはかなりの量だろう。      

そんな豪華な膳のに物欲しそうに口を半開きにして、腹を押さえる美紅ちゃん。

ツーと今にも涎が滴りそうである。


トトト、トト、ト。

元気な足音。


「歩智~。」


俺を小さな両手で抱えて顔を近づけて、朝のご挨拶。


その笑顔、神。


「律さま、先にあさげをお召しになさいまし。」


少し遅れて部屋に入って来た紅葉様が律ちゃんを諌める。


「はーい。」


元気よく返事をして、俺を抱えたままに、お膳の前にちょこんと座る。


「では、頂きましょうか。」


紅葉様は、食べるように促すが、律ちゃんはコトンと右に小首を傾げる。


ドドド。


けたたましい足音が響いたと思ったら。バタン。


「律よ。会いに来たぞ、じいじぃとぉ、一緒に飯にしまちょうねぇ。」


赤ちゃん言葉を大声で叫びながら導真公がやって来た。右手に、桃の枝を持って肩をトントンと叩いている。


「まぁ、導真公ともあろうお方が騒々しい。」


紅葉様のヒステリック気味な甲高い声が響く。


「まぁまぁ、そう言わんでくれ。ほれ、土産も持って来たのじゃからのぉ。」


そう言って、右手の桃の枝を紅葉様に差し出す。桃の枝には、幾つもの蕾と数輪の花が甘い香りを放っている。

その淡い香りに、紅葉様の眉が下がるが。


「騙されませんよ。」


鼻先に漂う甘い香りを振り切って、小言がまた始まるものの、導真公は何処吹く風。


律ちゃんは、何やら気になることがあるのか、またもコトンと左に小首を傾げ、大人しく夫婦漫才をしばし眺めている。

でも、どうしても気になるのか。その疑問を口にする。


「百合先生と青葉ねぇねは?」


「今日は、二人とも今日は昇殿致しません。」


「そうそう、二人とも上巳の節会に参加するのでの。色々準備もあるでの、昨晩からそれぞれの館に帰っておるのじゃよ。特に百合博士は、気合いが入っておったのぉ。」


「えぇ、百合博士は年頃なのに周りは女子ばかり。この節会で良い縁があればいいのですが。」


どうやらユリ博士は、結婚適齢期らしいが周りに男がおらず、このままだと本当にユリの道に進みそうな環境のようだ。なんと言ってもここは、女御、更衣あまたさぶらいたまう宮中だしな。

何しろ、節会などの宮廷行事は、前世で言う特別会員限定お見合いパーティーのようなもので、年頃の女の子は是非とも参加したい行事なのだと。

静音ちゃんが念話で教えてくれた。


「それより、青葉までよろしかったのですか?そろそろ(催し事に参加させよう)とは、思っておりましたが百合博士と一緒でなくとも。」


「よいよい。上巳の節会は女子のためのものよ。律には、少し早いが青葉ちゃんが参加するのになんの問題もなかろうて。」


「はぁ、導真公がそうおっしゃるのなら。」


「それより、早く朝餉にしようぞ。これから、その節会に儂も行かんのならんのじゃよ。では、いただきます。」


紅葉様と導真様の夫婦漫才をしている間に導真公と何故か美紅ちゃんの分の膳が用意されていた。


「ほれ、お主も食べろ。左様な飢えた獣のような顔で見つめられては、飯が不味くなるでのぉ。」


美紅ちゃんは、驚きに目を見開いてから、深く頭を下げた礼をして、いただきますと一言言って目の前の膳を食べ始めた。


紅葉様は、やれやれと首を振るだけで何も言わずに律ちゃんの世話をやいている。


覚束ない箸使いで小芋の炊いたんに苦戦中の彼女の姿に回りの大人がほっこりしする。


特等席の俺は萌え死にしそうでヤバイ。


明日は、投稿出来ないかも。


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