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Welcome to the deep abyss  作者: ペン先曲助
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第十一話

ヒロインの台詞がブレブレに感じるので、理想を書いときます。某有名作品のロ○シーちゃんと某神アニメの友○○緒ちゃんを混ぜて、だるそうに話す感じですね。

 「すまない、遅れた!」「遅れました」


 ブラッディリリーの体力が半分まで削れたころ、俺たちも戦いに参戦することにした。

 テンションは高いままだったが、DizzyもFakerも消耗しているようだったし、何発か被弾しているところも見受けられた。

 

 「おお!心強いわ!」


 「ありがとねぇ~!」


 「行動変わるから注意してね!」


 各々3人の言葉を聞き、俺はDizzy、Fakerのいる前線に、カザキはサエコさんのいる後衛にまわった。

 

 「まずは攻撃の観察からや!隙を見つけても深追いはしちゃあかん!」


 「了解!」

 

 「あいよ!」

 

 Dizzyの忠告を受け、3人がバラバラに3方向に走り出す。

 

 戦いを見ているときにわかった。

 この2人は高いレベルのソロプレイヤーだと。

 理由は、2人が俺の大鎌のような連携の取りにくい武器ではないのにも関わらず、お互い特に連携もせずに戦っていたこと。

 それでも、意思のやりとりは出来ていたのかヘイト管理は完璧で、レベルの高さを実感した。

 それが俺に出来るのだろうかという不安はある。

 だが、出来るのかではなく、やらなければならないのだ。

 出来なければ、この中の誰かが確実に死ぬだろう。

 

 「触手くるでぇ!」


 3人で囲むようにしているので、俺がカザキを追っていたときに比べて触手の数は1人あたり少なかった。

 だが、速度が速く、パターン制がない。

 完全ランダムな暴れ攻撃だった。

 

 「フッ!」


 息を止め、触手の攻撃を捌く。

 大鎌であっても腕や体を回転させることで素早く細かく振るうことで、なんとか対応できる。

 だが。

 

 このまま凌ぐことしかできないのか・・・!

 

 大鎌は重く、今ブラッディリリーの触手を捌ききることが出来ているのは、無理矢理に体をひねったりしているからだ。

 このまま防戦一方なら、俺は確実に潰れるだろう。

 

 そんな中、希望とも呼べる一声が耳に届く。

 

 「こういうタイプはこの暴れ攻撃が終わったタイミングでバテるで!βのとき習ったわ!そこのタイミングで各々1発入れようや!」


 「入れようや!」

 

 Dizzyからの指示に、俺は心底安堵した。

 まだ耐えることが出来る・・・。

 俺はやれる・・・!



 

 1分ほど死ぬ気で耐えれば、ブラッディリリーの動きは鈍くなってきていた。

 明らかに触手の動きは疲れを見せ、無理なく対応できている。

 この時から、後衛も狙いを定めやすくなったのか魔法と弓を放ち始める。

 それが功を奏したのはすぐにわかった。


 「今や!」


 カザキとサエコさんの炎は顔とも呼べる白い花に直撃し、ブラッディリリーはよろめく。

 それを見たDizzyはすかさず合図を出し、俺たちは反撃の狼煙を上げた。

 

 花の部分は斬撃を与えると麻痺毒をまき散らす恐れがあるため、遠距離組に任せた。

 Dizzy、Fakerは触手の部分を攻撃し、俺は茎の部分を切りつける。

 

 回転して、回転して、遠心力を利用しながら、斬り続けろ!!


 どうやら攻撃特化のボスらしく耐久力は低いらしい。

 このダウンの間に赤ゲージ手前まで体力は減っていた。

 

 「ボスが動き出すぞ!離れろ!!」


 攻撃に夢中になっていた俺はDizzyの言葉で冷静になり、なんとか薙ぎ払いを回避する。

 

 「ありがとう。助かった!」


 「おお!間一髪やったな!」


 「ひゅーーーー!」


 左横の少し離れているDizzyに感謝すれば、笑いながら返事が返ってくる。

 Fakerは見世物を見たかのようにおどけていた。

 

 2人ともこの戦闘の中でも笑えている。

 やはり戦闘慣れしているな。


 「ここで赤ゲージに突入させます」


 後ろからカザキの声が聞こえる。

 その姿を見れば杖を前に構え、いかにも魔力をためているような状態だった。

 あれはきっとパッシブアーツの一種の『チャージ』だろう。

 自分が発動する次のアーツや魔法の威力を上げるものだが、モーションを構える時間を長くしないと発動しないので接近戦をする俺には合わなくて取っていない。

 

 後衛の魔法使いたちにとっては使いやすいかもな。


 「避けてくださいね」

 

 カザキから放たれた炎はファイアボールと呼べるものではなく、火炎放射に近かった。

 

 「あぶっね」

 

 素っ頓狂な声を出しながら、射線が被っていた俺は驚きつつも回避した。

 

 「デタラメな火力だな・・・」


 ブラッディリリーは燃えさかっていた。

 これまでの火属性攻撃はまるで効いていないかのようだったが、実際弱点だったらしい。

 

 AIもやせ我慢するんだな・・・。


 炎に苦しむブラッディリリーを見て少し哀れに感じてしまった。


 「ラスト決めるぞ」


 Dizzyの言葉に前線組は頷く。

 

 「フィニッシュはクレン君に任せる!ワイとFakerは触手の防御。サエコも触手の牽制頼む!」


 「「「了解!」」」


 最後のあがきだろうか。


 燃えている触手を乱舞させる。

 炎は消えることを知らず、継続ダメージを与え続けている。

 その影響か狂っているようにも見えた。

 

 「ファイアアロー!」


 1本の触手をサエコさんが退ける。

 

 「ハァッ!」

 

 「ヤァッ!」


 左右からくる触手をDizzy、Fakerが完全に捌き、花の正面ががら空きになる。

 

 俺は走り、懐に飛び込もうとした。

 だが、花はにやりと笑う。


 「危ない!」


 カザキがそう言ったときには、遮るものが何も無い状況で花は口を大きく開き、麻痺毒を吐こうとしていた。

 これは完全に避けられないだろう。

 だが、避ける必要は無い。

 

 「ここまで近づければ、俺の距離だ」


 ブラッディリリーが笑ったように、俺も獰猛な笑みを返す。

 それと同時に下段に大鎌を構え、強く地面を蹴った。

 相手のブレスより早く。

 この一撃で決めきれるように。

 紫色の閃光を武器に宿らせ、ブラッディリリーの首とも言える茎を大きく切り上げる。

 ブラッディリリーの花、頭は花弁をまき散らしながら宙に舞った。

 

 「勝ったんだ・・・よな?」


 Dizzyのフラグのようなその一言で、何事も無くブラッディリリーの全てが光になった。




 「お疲れ様やな~。ほんまに」


 「お疲れ~い」


 「みんなお疲れ様~」


 「「お疲れ様です」」


 Dizzy、Faker、サエコがお互いを見てねぎらっているところに、俺とカザキがハモってしまう。

 3人が一気ににやにやし出したかと思うと、サエコさんが純粋な笑顔でこう言った。

 

 「あなたたち、良い感じね~」


 冷やかしもほどほどにしてほしい。




 助っ人に来てくれた3人とはその後すぐに別れ、今はカザキと二人で草原から街への帰路にいる。

 先の戦闘で俺のジョブレベルは今回で9になり、あと1レベルで自分のほしいアーツが取れそうだな・・・などとステータスを見ながら考えていたとき、今まで無言だったカザキがこちらを振り返り、

 

 「今日は楽しかったです」


 こう言った。

 楽しかった・・・か。

 俺も正直言えば楽しかった。

 今までは、と言っても1週間ほどだがソロで戦ってきた程度だが、今日が1番充実したと言っても過言では無かった。

 今まではソロが一番自由にこの世界を旅できるものだと思っていたが、協力してボスを倒す達成感や、同じ興味を持つことなどの楽しさを覚えた。

 だが、仮にも今日死にかけたというのによく「楽しかった」と言えるなとも思う。

 俺は自分の命を捨てない範囲で好奇心と付き合うようにしているが、この子はその限りでは無いだろう。


 「いきなり重いようなことを聞くようだけどさ」


 他人に言われたくはないと思うが、好奇心と命の順番を間違えてはいけない。

 俺はカザキを死なせたくは無いのだ。

 特に理由があるわけでもない。

 強いて言えば境遇が似ている子を捨て置けないということだろうか。

 

 「君は自分の命をどう思っているんだ?」

 

 家族を失い、目が見えなくなったあの日以来から祖父以外にまともに会話した記憶はない。

 それゆえ、俺は人との接し方を忘れてしまっている。

 直接聞きすぎているかも知れない。

 他人に踏み込みすぎているかも知れない。

 だが、救いたかった。


 「私は自分が自殺志願者だとは思っていません。命が大切なこともわかります。でも・・・」

 

 カザキは空を向き、嬉しいような、悲しいような、儚い笑顔でこう言った。


 「現実よりもこの世界の方が素晴らしいなって思ったんです。たとえデスゲームになったとしても。いや、むしろデスゲームになった方が嬉しかったのかも知れません。この世界で死ねるなら本望なので」


 何回も思うが本当に俺に似てるな。

 彼女は止めないと本当に突っ込んでいって死んでしまうだろう。

 

 「俺も現実はつまんないと思う。俺の場合は非生産的な毎日を送るだけで何の幸せもないからな。多分だが、君も俺と同じような事情があるのだろう」

 

 いったん深呼吸をし、自分にも言い聞かすように語る。

 

 「この世界には現実と違い好奇心をくすぐるようなものが多い。それ故、この世界での死が美しいものだと勘違いしてしまうんだ。だけど、実際は美しいものじゃない。俺は、この世界が好きだ。

現実と違って1日が充実する。だからこそ、その1日を死ぬことで無駄にしたくない。これは押しつけではないけど、君には生きてほしい。好奇心に操られているようにしか見えない君を見ていると辛いんだ」


 最後に「長くなってごめん」と付け足して終わる。

 真意が伝わったのかはわからない。

 だが、カザキはじっくりと考えた後、一つの提案をしてきた。


 「じゃあ、一緒に旅しませんか?」


 何をどうなったらその提案になるのか。

 そのことを問いただそうとしたが、何も言わずカザキは続きを言い始めた。

 

 「私がこのままソロでやれば、一生この考えは変わらないと思うんです。でも、誰かが隣にいてくれれば、それも価値観が似ている人なら楽しく変われると思うんです。どうですか?」


 迷いどころだ。

 俺はこの子に生きてほしい。

 だが、一緒に旅をすることで自分がしたいことが出来なくなるかも知れない。

 そして何より、自分の行動で他人を巻き込むことをしたくない。

 ここに来てから始めて頭が痛む。

 

 父、母、弟が吹雪の中に飲み込まれていく。

 その映像が頭の中を支配していく。

 吹き荒れる吹雪の中までは見えなかったが、その映像を鮮明に焼き付ける。

 

 「くッ・・・」


 「大丈夫ですか?」

 

 頭の中では、何度も家族が吹雪に飲まれている。

 そこにカザキまで現れ、彼女も飲まれそうになっていた。

 だが、飲まれない。

 むしろ笑顔で、俺の方に顔を向けてくれている。

 

 ああ、この子は・・・。

 

 カザキは、簡単には飲まれないだろう。

 

 俺の異常に気がついたのか、カザキが背中に手を当ててくる。

 その手で安心を覚え、記憶の渦、そして痛みから解放された。

 

 「思い・・・だした・・・」


 今までは頭痛がした後、何かを思い出した気になっていても気絶してしまい、結局記憶には残らなかった。

 だが今は、断片的にだが吹雪に飲まれたそのときの映像を覚えている。

 それと共に、吹雪の目の前で笑顔なカザキも。

 答えは決まった。


 「本当に大丈夫ですか?」


 怪訝そうな顔でこちらを怖がりながらも心配してくれる彼女を見ながら、返事をする。


 「一緒に行こう。1人より2人の方が楽しい」


 言った後、どこかむずがゆくなる。

 今までソロだった俺が言うのは何か気恥ずかしい。

 

 「ぼっちでしたからそういうこと言うの恥ずかしいんですよね?」


 俺が少し恥ずかしそうにしているのを見てカザキはおちょくりモードに入る。

 「お前もだろ」と言い返せば「これだから童貞は・・・」などと返ってくるので、俺もガミガミと言い返す。

 夜の空は星がうるさいほどキラキラと輝いている。

 自分は落ち着いた夜空が好きだが、たまにはこういう空も良いと思った。

 俺たちはお互いに小言を言い合いながら、なぜか妙に明るい街を目指し歩いた。

まだまだ小説を書き始めたばっかで筆も遅い若造の作品ですが、是非温かく見守っててください。

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