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宮野君に連れて来られたのは大学の近くにあるカフェ。


ウチの学生が多く利用するここで、宮野君はとても目立っていた。

名門高校な制服を着た彼。

それだけでも目立つのに、高い背と整った容姿は店中の女性に注目されていた。


「コーヒー。千尋は?」


「キャラメルモカ」


オーダーを通すと、宮野君は眉をしかめた。


「どうしたの?」


「甘そうだな」


もしかして


「甘いの嫌い?」


さっきもお菓子を食べてないって言っていた。

甘いのが苦手なのかな


「わざわざ甘いものを食べる神経が理解できない」


眉をしかめていても美しいことに感心する。それにしても、本当に嫌いなのね…


「三浦君はバイト先によく来てくれるの」


「愁は餌付け王子だからな」


餌付け王子!?


「え?」


凄い言葉を聞いたような気がする。

突っ込んで聞きたかったけれど宮野君は気にしていないようだった。


「愁のことはどうでもいいんだよ。そんな事よりも、オレのせいで嫌がらせされてるんだろ?」


「気にしてないよ」


さっきも言ったけれど、宮野君を巻き込むのは申し訳ない。


「お人好しだな、あんた」


「東京に出て来て舞い上がってたんだと思う。大学の雰囲気とか…サークルとか…」


雰囲気にのまれて…

恥ずかしいけれど舞い上がってたんだ…


「それでも好きだったんじゃねぇの?」


「それなりに好きだったと思う」


そう言うと、テーブルの上に置いていた私の手をとった。


「好きだったかもしれないけど、オレは別れてくれてよかったけどな…」


「なっ…」


指を絡め、綺麗な形の親指で私の手をそっと撫でた。


「宮野君?」


顔を上げると、綺麗な顔の後ろにいたのは…


松田先輩

彼の側には女の人が2人いた


「千尋、ヨソミするな」


宮野君に呼ばれて彼を見ると目を細めて笑った。

甘い視線に見とれているとまた指で私の手を撫でた。


「宮野君?」


「千尋のバイト先、どうしてもあのパティスリーじゃなきゃダメなのか?」


「そんなこと無いけど…」


甘い。

松田先輩が見ているから…?


「辞めてほしい」


「…そんなこと言われても困る」


「ガキだな」


「人でなしにどうこう言われたくない。眺めてないで案内された席に行けよ」


松田先輩に鋭い視線を投げると、先輩は私達から離れていった。


「宮野君?」


「千尋が嫌がらせをされてるのはオレがあの男を煽ったからだろ…始末をつけるから話を合わせろ」


そこまでしてもらうのは悪い。


「ごちゃごちゃ考えてないで言われた通りにすればいいんだ。分かったか?」


年下なのにこの迫力…


「バイト先も紹介するから辞めろ」


横暴。

でも、私を心配しての発言なんだと思うと不思議と嫌な気持ちにはならなかった。


「千尋は二股なんかしていない。オレからあの男と別れて欲しいとアプローチされていた。それでいいだろ?」


「宮野君は優しいね」


「別に優しくなんかない。女の嫉妬は怖いからな…」


やけに実感がこもっているその言葉に、イケメンも大変なんだと気の毒になった。


「バイトはどんなのがいいんだ?飲食店か事務的なのか…」


「自分で探せるよ?」


「同じ大学の奴がいないほうがいいだろ」


「そんなことできるの?」


「できる」


彼は何者?


「自分で探して見つからなかったら相談させて」


「…」


「それと松田先輩の事で宮野君が責任を感じるとか思わないで欲しいの。サークルの飲み会のときに助けてもらえて本当に感謝してます」


ありがとう、と頭を下げて目の前にあった伝票にお金を置いて席を立った。


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