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体調はかなり良くなったと思う。

宮野君が作ってくれた朝食を食べた後にお風呂に入って部屋の空気を入れ替えて掃除をした。


午後から図書館に行って課題をやろうかな…

そんなことを考えているとインターホンが鳴った。


誰だろうと出ると宮野君だった。


部屋に入ってもらうと大きな袋を持っていて、それをテーブルの上に置くと中身を取り出していった。


「宮野君?」


「昼飯と夜…明日までオレ一人だから千尋の分もまとめて作る」


その方が効率がいいだろ、そう言いながら取り出しながら食材を冷蔵庫に入れ始めた。


「お金払うよ」


「別に…オレの方が食うし。千尋、熱は?」


「もう大丈夫。宮野君こそうつらなかった?」


「平気」



出来上がったお昼ごはんは滋養がたっぷりでお洒落な丼だった。


「昨日はありがとう。今日もだけど…」


「別に、放っておくと病み上がりなのにカップ麺で過ごしそうだから」


「…」


見透かされている。

悔しくて何も言えない私を見てニヤリと笑う宮野君は年下なのに大人びていて、お世話されている私の方が子供みたいに思えた。


「どこか出かける予定?」


床に置いていたテキストをパラパラと捲って眺めていた。


「図書館に行こうと思ってた」


ふうん、と言うと宮野君は美味しそうに丼を食べた。




オレも行く。


そう言って一緒に来た宮野君は私の隣で難しそうな本を読んでいた。


冬休み前までのノートをまとめ直した後は、アルバイト先の施設に入所している子供達とどう接するべきなのか…専門書を読んだりしていた。


宮野君を見て振り返って二度見する人がいたり、私を見てあからさまに首を傾げる人がいたりと図書館なのに落ち着けなかったけれど、宮野君は動じることはなく淡々としていた。


きっと、こういう視線に馴れていてるんだろうな…そう思うとイケメンも大変だと気の毒になった。



図書館を出て、近くのカフェでお茶を飲んだ。

相変わらず彼はブラックコーヒーで、カフェモカを飲むと冷めた視線を送られた。


「千尋、明日の予定は?」


「午後からアルバイト。宮野君は?」


「姉貴のお迎え」


お姉さんはお友達と札幌に行っているらしく明日帰ってくるのだそうだ。


「優しいね…」


「明後日は?」


待ってね、と言いバイトのシフト表を取り出すとその紙を取られた。


「これ、撮った方が早い」


そう言うと、シフト表をスマートフォンのカメラで撮影してシフト表を眺めていた。


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