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異世界スレイヤー  作者: 森山 たぬき
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魔剣は無価値



男「貴様を器物損壊罪で捕らえる!!!」


えぇぇーーー!!!

なんでこんなことに...

今度こそ終わった。

いや、逃げよう!


まだ持っていたワーウルフを離し、一目散に逃げようとしたその時。


少女「待つのじゃ!」


高く響いた声は、あたりを一瞬で沈めた。


 いつの間にか少女が後ろに立っていた。

肩の少し上くらいの、丸まった赤い髪にを左右に揺らして、グッと俺の方へ近づき、クリクリの目で、上から下へ、下から上へ、舐め回すように見ている。


少女「この魔獣は本当に主がやったのか?」


「え、はい、そうです。」


 なぜか敬語を使ってしまった。

俺がこいつを引きずってこの町に入ってきたことで、誰が倒したのかは明らかなのに、まだこの少女は納得がいっていないようだった。

俺ってもしかして、そんなに弱そうに見えるのか?


少女「アレンよ。本当に主は、こやつがこの魔獣を倒したと思っているのか?」


男「正直なところ、私もいまだに信じきれてはおりませんが、少なくとも、このものがキングウルフを引きずってきたことは、私もこの目で見ております。」


はい、魔獣の名前間違ってましたー。あと、この男の人はアレンっていうのか。


少女「うむ、しかし、武器も防具も何も持っていないし、それに...。

果たしてどうやってこのキングウルフを倒したのか…。」


この魔獣は、見掛け倒しと思っていたが、なかなか強い魔獣らしいことは、2人の会話から何となく察した。


少し間をおいて、少女は大きくうなずき、俺の見て


少女「お主、名はなんという?」


「新庄歩成といいます。」


だからなんで俺は敬語を使ってんだ!


少女「し、しんじょうほなり?珍しいなだな。よし!歩成よ!お主には妾の護衛を命ずる!明後日、日の出の頃に門の前に来るのじゃ!」


アレン「急に何をおっしゃっているのですかセスカ様!こんな何処の馬の骨ともわからないものに姫の護衛など務まるわけがないでしょう!それに、実力もまだ未知数なわけですし、護衛をさせるなど危険すぎます!」


少女「だからなのじゃ!妾が直接こやつの実力を見てやろうではないか。」


 え、え…。

護衛?様?

処理が間に合わない、その間に話が進んでしまい、さらによくわからない状況になっているんだが。


「す、すいません、流石に急にいわれても何のことだかさっぱり...。」


少女「これは命令である。それにお主はやらないわけにもいかないと思うがのう?」


「それって...どういう意味ですかね...?」


少女はアランの方を振り向きニヤリと不吉な笑みを浮かべた。


少女「アレンよ。キングウルフの討伐報酬は、確か100万ベルじゃったか?」


アレン「はい。そうです。さらに、このキングウルフ、とても綺麗な状態で討伐されていますので、売れば少なくとも50万ベルにはなるでしょう。」


 この世界の通過か?

よくわからないが、めっちゃもらえる気がする。


少女「ほう!確かにこの魔獣、かなりの上物だな!しかし、これほどのクエストも、魔獣も、そうあったものではない。それで、この民家の修繕費は、どのくらいになるかのう?」


アレン「う~ん。おそらく、1000万~1500万ベルにはなるかと。」


 は!?

修繕費!!?

待て待て!桁が違うぞ!!


少女「ふっふっふ。見たところ、お主にこれが払えるほどの財力はないと思うが?

妾の護衛を見事、完遂すればこの民家の修繕費はチャラにしてやろうではないか!どうじゃ?」


「え!?マジスカ…。でも俺、ここにはきたばかりで、正直何をすればいいのかもよくわからなくて…。」


少女「なんじゃ、そんなことか。お主は妾に害を及ぼすものを、片っ端から片付けて行けば良い!それが竜でも魔族でもな!はーっはっは!」


 声を上げて笑っているが、最後のはこの世界のジョークか?

とりあえず、確かに今はやるしかない。

この世界のことを知れるチャンスだし、何より俺には金がない...。


「わかりました。謹んで支えさせていただきます。」


 だから、なんで敬語使ってんだ俺は!

今のは、やりすぎたか。

自分で言っといてあれだけど…。

恥ずかしい...。


少女「よろしい!では、明後日までに準備をしておくのじゃ!

おっと、まだ名乗ってなかったのう。妾は、セスカ・シンセティーナ!この国、ベイリンハルグ王国が君主の娘じゃ!」


 王様の娘?ってことは、王女様じゃねぇか!?

もう、驚きすぎて、リアクションに疲れた。


 王女ことセスカ様は、そのまま城へと帰っていった。

その後の話で、王国騎士部隊長だったアレンから、いろいろ説明をされた。

とりあえず俺は、身元がまったく不明なので、ギルドで冒険者登録をすることになった。

ギルドとは、まぁ言うまでもなく、民間人から王まで、様々な依頼が集まる仕事の仲介所のようなものらしい。

登録料がいくらか掛かるとのことで、俺はキングウルフを売りに、アレンから聞いた取引所へと向かった。

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