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70. 時間旅行の帰り道(2023年ホラー企画)。

ホラー企画作品です。


意味が分かると怖い系です。

 発明家だった祖父が突然亡くなり、地下倉庫を整理していると。

 奇妙な球体の乗り物と、祖父の実験ノートを見つけた。






7月6日

 実験は成功した。齢70にして、とんでも無いモノが出来た。

 過去と未来、あらゆる世界を自由に行き来する事が出来る乗り物だ。私はこれを「タイムマシン」と名付ける事にする。

 世間に公表したいが、まだ問題が残されている。このマシン、航行の際に大量の原子エネルギーを必要とする為、用意出来た燃料では5回しか使う事が出来ない。これでは完成品とは言い難い!何とか代替エネルギーを作り、このマシンを完璧な物に……






 ノートはここで終わっていた。

 何と、祖父はタイムマシンの研究をしていたのだ。

 驚く事に、どうやら開発は上手くいったらしい。


 素晴らしい話だ。可哀想に、公表の間近で亡くなってしまうとは。

 門外漢な為、マシンは世間に公表する事になるだろうが───そうすると祖父が残したマシンを使う機会が無くなってしまう可能性が高い。

 ならば。試しに一度、自分の好きな時代にタイムスリップしてみるのも面白いと考えた。




 実験ノートを手に、球体の中に入る。

 丸い座席に座ると、説明書き通りに機動の準備を進めていく。

 往復分の燃料はある。試しに、子どもの頃に夢見た恐竜のいる時代、白亜紀に行ってみる事にした。


 発進ボタンを押す。

 視界がぶれ、機体が大きく揺れ出すと……青白い光がマシン全体を覆った。

 そして……数秒後、タイムマシンは時空を飛び越え、遥か昔の白亜紀へ辿り着いていたのだ。



──────






「ははは、こりゃ凄い!」

 亜熱帯のジャングルのような場所に降り立つと、そこは正に自分が夢見た世界だった。

 図鑑で見た想像図とはかけ離れた恐竜達。その生きている姿を初めて肉眼で確認出来たのは自分なのだ。


 水場で涼む草食竜。住処を作るアンキロサウルスの群れ。

 忙しなく辺りを伺うティラノサウルスの大きさには驚いた。


 書物でしか知らなかった生き物が自由気ままに生きている光景に感動を覚える。時間遡行のロマンをしばらくの間、私はゆっくりと味わったのだ。






──────



 時間にして半日。

 さすがにこれ以上の滞在は危険だと球体のタイムマシンに戻った男は、充実した一時に満足した。

 祖父の墓前で良い報告が出来るぞ、と微笑み、現代に戻る為……発進スイッチを押す。



「あれ?動かない」

なぜタイムマシンが起動しないのか、分かった方はコメント頂けると嬉しいです。


ここまでお読み下さり、ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[一言] 「往復分ある」って書いてあるから、祖父が4回使ってたってのは成り立たないのでは? 原子力をエネルギーにしてるって書いてあるから、時間をさかのぼったせいで、帰る分のエネルギーが半減期で消えまし…
[一言] 先に祖父が二往復(四回)使ってたんでしょう。 まあでも恐竜の実態を見れるのなら死んでも本望、なんて人案外珍しくないと思う。
[一言] 主人公が『5回分の燃料』を『5往復分の燃料』だと勘違いしていて、祖父が4回(2往復)の使用していたから燃料切れで戻れなくなったのでは。
感想一覧
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