プロローグ『新種!?』
初投稿です!よかったら読んでみてください♪
プロローグ『新種!?』
ミーンミンミンミン・・・。窓から照りつける太陽がまぶしい。真夏の晴天。
俺の名前は金木文太。昆虫好きな17歳の高校2年生だ。絶賛彼女募集中!
今年も待ちに待った夏休みがやってきた。宿題は夏休みが終わる前日に全部やるつもりだ。
俺はいい年こいてムシキングの地方大会優勝者だ。ファーブル昆虫記も全巻持っている。
それくらい昆虫を愛しているのだ。ゴキブリでさえ素手で触ることができる。
一番好きな昆虫はヘラクレスオオカブト。ヤツは最強だ。昆虫好きなら誰もが憧れる。
だが日本にはヘラクレスオオカブトはペットショップにしか存在しない。
昆虫は自分でみつけて捕まえるのがいいのだ。金を払って買うなんて何の意味もない。
去年は微妙な成果だったから今年こそはカブトムシやクワガタがいっぱい取れるといいな。
デカいオオクワが獲れても絶対に売らないぜ!近所の子供達にみせてやるんだ!
虫かごよし。虫網よし。虫取りに最適な一番動きやすい格好、それは学校の体操服。
おやつは300円まで♪・・・って俺は小学生かよ!もっと食うにきまってるだろ!!
朝飯もさっき食った!だがどうせすぐに腹が減るだろう。成長ざかりだしな!
おなじみのリュックサックにかさばらないおやつとジュースを詰め込む。
いつ怪我するかわからないから絆創膏も忘れずに。
ガキの頃木から落ちた時はそりゃあもう酷かった。
おっと虫除けスプレーを忘れるところだった!虫除けという名前が気に入らないが、
蚊や蚋に刺されてかゆさで眠れなくなるのだけは避けたいところだ。
よし、準備はできた!さぁ、さっそく近所の山に出発だ!!俺の昆虫好きの血が騒ぐ・・・!
15分程チャリを飛ばし目的の山に到着した。チャリで行けるのは入り口まで。
だが目的のポイントは近い。俺はこの山を一通り知り尽くしているがそこが一番いい。
お地蔵さんがあるところをまっすぐ5分くらいの大きなクヌギの木。
そこがこの山のご神木みたいなもんだ。昆虫が好きな甘い樹液が毎年溢れ出ている。
俺は木々をかき分け森の奥に進んでいった・・・。
さぁ、着いたぞ!お目当てのポイントに辿り着いた俺は、興奮で胸が高鳴っている。
お!!さっそくみつけた!こいつぁ立派なカブトムシだ!おいしそうに樹液をすすっている。
メシの最中で悪いが、俺のペットになってもうらぜ!そーっと、そーっと。
飛んで逃げないように俺はゆっくり手を伸ばし、黒光りした大きな体を指でつかむ。
そして素早く首にかけた虫かごに入れた。
「昆虫、確保!!」
これは昆虫をゲットしたときのお決まりのセリフだ。これを言わないと始まらない。
ポリに捕まる犯人みたいだとかは言わないお約束。
というのも、親父が刑事をやっていて、俺が親父の生き様を尊敬しているということもある。
俺はその後もカブトムシのメス、ミヤマクワガタやカミキリムシ等次々に捕まえていった。
今年一発目は大漁だな!大きめの虫かごを持ってきといてマジでよかったぜ。
俺は木の裏側に周った瞬間目を疑った。
「な、なんだこの虫!?」
思わず声に出てしまった。それくらい奇妙で、かつて見たことがない虫がそこにいた。
形はカナブンに限りなく近いというかカナブンそのものなのだが、
色が紅蓮色?というかまるで燃えているかのような真っ赤だ。
昔新種の昆虫を見つけて表彰されたことのある俺だが、
もしかしたらこれは世紀の大発見レベルかもしれない・・・!
頭で考える前に俺の右手は動いていた。慎重さとかそういうものは明らかに欠けている。
おもむろに伸ばした右手から、そのカナブンもどきは素早い動きですりぬけ、
羽根を広げて森の奥の方へとゆっくり翔び始めた。
「オイッ、まてこら!!」
俺は全力疾走でそのカナブンを追いかける。くそっ意外と速いなこのカナブンもどき・・・!
その瞬間、カナブンもどきのお尻からきらびやかな液体が俺に向かって飛んできた。
「うわっ、きたねっ!!」
俺は思わず目を閉じた。
「へ・・・?」
目を開けると俺の目の前にはさっきまでいた山と明らかに違う光景が広がっていた。
見たこともない色や形をした大きな果物を実らせた木々がそこら中に生えている。
「なんだここは・・ホントに日本か・・・?」
ズシン。ズシン。
「え?え??なにこの音!?」
目を凝らして前方を見ると遠くにこれまで見たこともない巨大生物がいた。
「え?あれは・・・虫!?」
よくみると黒光りしていて頭部にはカブトムシのツノとクワガタのアゴが両方ついた、
まるでコーサカスオオカブトのような見た目の生き物だった。
全長50メートルはあるだろう。文太は口をあんぐり開け、その場で固まった。
だがどうだろう、文太はブルっと武者震いし、高鳴る鼓動を抑えきれなくなっていた。
「すっげぇ!!!」
すると、その巨大昆虫はこっちに気がついたのか、羽根を羽ばたかせてこちらに近づいてきた。
「な、なんだぁ!?こっちに・・・くる!!」
「危ないからこっちにきて!!」
パシッ。何者かに腕を掴まれて俺は宙に浮いた。
「へ?」
俺の腕を掴んでいたのは肌が真っ白で鮮やかな緑髪のみたこともないような美しい女の子だった。
彼女は民族衣装のようなちょっぴりエロい格好をしていて、つい白く長い脚に見惚れてしまった。
気がつくと俺はその子にひっぱられ全長10メートル程のテントウムシのような生き物に乗せられ、
空を・・・飛んでいた。
「・・・あんたは?」
「わたしはアルカ。君は・・・見ない顔ね。ヘンな服を着ているし・・・そっちこそ何者?」
「俺は文太。金木文太。この世界にしろデカい昆虫にしろ、一体なんなんだ??」
「ブンタ・・・服だけじゃなくて名前もヘンね。昆虫・・・?それはなんのことなの?」
「さっき襲ってきたのとか、今乗ってるコレとか。・・・昆虫は昆虫だろ!」
「・・・?よくわからないけど、わたし達はこのコ達のことをビートレと呼んでいるわ。
今わたし達が乗っているこのコの名前はメメ。スパイクルビートレの一種なの。
さっき襲ってきたやたら大きいヤツはブラックエンペラービートレ。かなり獰猛なヤツよ」
「・・・やっぱここって日本じゃないのか?」
俺はずっと気になっていたことを恐る恐る聞いてみた。
「ニホン・・・?そんな言葉聞いたこともないわね。ここは昔からエルメトリニカと呼ばれているわ」
「エルメ・・・何だっけ?」
「エ・ル・メ・ト・リ・ニ・カ!ちゃんと一回で覚えてよね」
「てか、そのエルメなんとかの人なのに何で日本語が通じてるんだ?」
「日本語?なんのことかわからないけどわたしが喋ってるのはこの世界共通言語のリニカ語よ?」
「な・・・よくわからんがそのリニカ語ってのも俺らの日本語と似たようなモンだってこったな!」
「そうみたいね。会話は成り立っているし細かいことはいいんじゃない?」
「それもそうだな。まぁなんだ、その、助けてくれてありがとな。よろしく!」
「ええ、いいのよ。困ってる人がいたらほっておけないのがわたしの性分なのよ。こちらこそ、よろしくね」
「おう!」
こうして、俺たちは出会い、ワケのわからないトンデモ世界での新生活が突然幕を開けたのだった。
こんなドシロウトの文章を読んで頂き本当にありがとうございます!m(_ _)m
はじめまして、足立我流と申します!以後お見知りおきを。
過去に自分が運営していた創作サークルで声劇の台本とかを手掛けたことはあるのですが、
こんな長い小説を書いたのはまったくもって今回が初めてで、思ってたより結構疲れました(笑)
というのも、ニコニコ生放送でゲーム配信をしているお友達のところのリスナーさんが
ラノベ作家をしているというのを知り、色々お話を聞いているとだんだん興味が沸いてきて、
僕もやってみたいなぁと思った次第であります。思い立ったら吉日をモットーにしています(笑)
つたない文章ですが、頑張って連載していきますので、応援して頂けるとありがたいです!
ご意見ご感想とか頂けるとすごく喜びます♪それではまた次回、お楽しみに!!
2017.02.01 追記。連載モノなのに一話目に色々詰め込みすぎて失敗しました^^;
最初だからしかたないのかもしれないけど、これを教訓に精進していこうと思います。
この話は読み切りという形で一旦終わらせて頂きますが、いつか書き直したいです。
それでは申し訳ありませんがそういうことですので今後ともよろしくお願いします!