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第115話 再会

「シャアアアーーッ‼︎」


 歓喜のガッツポーズを派手に決めて。

 犬の尻尾をパタパタと振りながら。

 格闘王(バトルロード)こと花村天の一番弟子であるBランク冒険士リナは、勢いよく後ろを振り返った。


「カイトさん、アクさん! 天兄が、きっちりアイツに落とし前を付けてくれたのっ……て、あれ?」


 背後を振り向いたリナは、それまで興奮を急停止し、思わず素っ頓狂な声を上げる。


「はは、そうだね……さすが兄さんだ」


 そこには。

 リナと同じように喜んではいるものの、どこか草臥(くたび)れた笑顔を見せるカイトと――


「う〜ん……てんひゃま……」


 うわ言のように天の名をつぶやき。

 どういうわけか只今気絶中のマリーの隣に仲良く寝かせられている……アクリアの姿があった。


「……なんか、ちょっと見ない間に眠り姫が二人に()えてるのです」


「つい今しがた、ね……」


 石造りの観客席に腰を掛けつつ、カイトはアクリアの方に顔を向けて疲れた様子で肩を落とす。


「勝負が決まった直後はなんとか(こら)えたんだけど……どうもそのあと、兄さんが言ったセリフのどれかにヤラれたみたいなんだ」


「あ〜〜」


 カイトの解説を聞き、リナも合点がいったと眠り姫二号ことアクリアに目をやる。

 言われてみれば、確かに天は《神技・八凄乃王》を放ったのちに、コテンパンにのした青月と何やら話していた。


 そしてこのタイミングで小旅行に旅立ったアクリア……。


 これら一連の出来事から導き出される答えは、一つしかなかった。


「アクさんて、何気にけっこう抜け目がないのです」


「あははは……」


「それでいて節操もないのです」


「ほ、ほら。兄さんの事となると、彼女は人が変わるから」


 歯切れ悪く妹分(アクリア)のフォローをしつつも、遠回しにリナの言葉を肯定するカイト。

 大方、アクリアはスキル『超聴覚』を使って天と青月の会話に聞き耳――盗み聞きともいう――を立てていたのだろう。

 結果、天が口にした何らかのワードがアクリアのハートを射抜いた。そして彼女は毎度のごとくコロッといってしまった。呆気なく昇天した。


「てんひゃま……すてきでひゅ……♡」


 とりあえずバレバレであった。



「――でも、ちょっと安心したのです」


 と。

 リナは幸せそうに眠るアクリアを見やり。


「アクさん、最近かなり思いつめてたから……」


「うん、そうだね」


 頷きながら、カイトもアクリアの寝顔を見つめる。その表情はどこまでも柔らかなものであった。

 ただ。


「にゅふふ……うへへへ……♡」


「……」「……」


 ややあってから。


「……アクさんはもう少し自分のキャパを知るべきなの」


「それについては俺も同感かな」


 分かりやすい苦笑を浮かべて、カイトはそのまま上を向いた。


「多分、アレが関係してるんだろうね」


「他にないのです」


 言って、リナも空を仰いだ。


「人型の“強さ”の序列が『第0位』か。なんと言うか、しっくりくるね」


「寧ろピッタリなのです!」


 力強く断言して。

 リナの精神はふたたび興奮一色に染まる。


「あたし、いつか必ずあの『神技』を――ううん、いつか必ず、百八ある“闘技”を全部マスターしてやるのです‼︎」


 犬の獣人娘は、そのふさふさした栗色の尻尾を力いっぱい左右に振りながら、天に向かって吠えた。


「俺も改めて誓わせてもらうよ」


 仲間の熱にあてられたのか。

 カイトも空を見上げたまま、観客席から立ち上がり。


「俺は、いつの日か必ず、花村天の相棒に相応しい男になってみせる!」


 上空に映る親友の名に向けてめいっぱい手を伸ばし、エルフの青年は腹の底から叫んだ。

 彼は普段あまりそういった部分を表に出さない。

 だが先の激闘に加え、同僚の確固たる決意表明――これで触発されないのは嘘というものである。


「どっちが先に自分の目指す『(いただき)』に辿り着けるか、勝負なのです」


 リナはカイトのそばまで歩み寄ると、おもむろに右の(こぶし)を突き出した。


「望むところだよ」


 と、カイトも当然のようにそれに応じる。

 トンッと互いの拳を合わせて、盟友二人は屈託なく笑い合った。



 ◇◇◇



 (とき)を同じくして――



「このシャロンヌ、必ずやマスターの従者として然るべき力量を身につけることを、ここに誓わせていただきます!」


「そ、そうか」


 史上最強の人型VS神の獣。

 そんな世紀の見世物も無事に終了し。

 舞台袖にはけた主演(てん)――ちなみにもう片方の主演(セイゲツ)はいまだ首だけの状態で闘技場の中央付近に転がっている――を待ち受けていたものは。


「近い将来、必ずやあなた様に相応な下女(メイド)になってご覧にいれます!」


「……」


 少々熱すぎる付き人(シャロンヌ)の出迎え――当然のごとく平伏(へいふく)して――であった。


「……なあ、シャロ」


「ハッ」


「一応念のために言っておくが……お前は現時点でもわりと非の打ち所がない、というかほぼ完璧だ」


「!」


 現状を鑑みると普通は逆なのだが……。

 多少ぎこちなくはあるものの、天は日頃の感謝の気持ちを込めてシャロンヌを(ねぎら)う。


「正直、お前の淹れるコーヒーとか信じられないぐらい美味(うま)いし……それこそ、俺がこれまで飲んできた代物なんか比較にならんほど」


「! !」


「それに何か困ったことがあれば、とりあえずシャロに頼めば問題ない、そう思えるほどには俺はお前を頼りにしてる」


「ここ、光栄でございますっ‼︎」


 シャロンヌは顔を上気させ、これほど分かりやすいかというぐらい大歓喜の表情を見せた。

 しかし。


「ですが、今の程度ではまだまだ()りません!」


 すぐにまた己を律するように、シャロンヌは深く(こうべ)を垂れる。(てん)の言葉はとても嬉しいがここで満足するわけにはいかない、そんな所だろう。


 ……まあ、いいか……


 天はこれ以上その話を広げるのを止めた。自己に厳しく、なおかつ志を高く持つことは、決して悪いことではないと思ったからだ。


 代わりにという訳でもないが……。


「シャロ」


 天は無造作に、右手に持っていたある物をシャロンヌへ投げ渡した。


「……あの、マスター。これは……」


「壊しちまった()()()()()()だ」


「………………」


 絶世の美メイドは、神秘的な青白い光に包まれたそれはそれは美しい刀剣を主人から賜り、ひとまず固まった。


「セフィラスフィアだったか? 何でもマト様が作った武器らしいから、かなりの業物というのは間違いないだろ」


「いえ、あの……」


「お前から借りた大事な手鏡を損壊させちまったからな。悪いがソレで勘弁してくれ」


「そ、そんな、あんなものただの安物で……いえ、そうではなく!」


 やっとの思いで声に力を入れている、シャロンヌはそんな様子で、天に伺いを立てる。


「この刀は、マスターがご自身でお使いになられるのではないのですかっ⁉︎」


「まさか」


 と天は肩をすくめながら。


「いまさら言うまでもないが、俺の戦闘スタイルは基本無手だ。武器は己の肉体で事足りている」


「そ……それでしたら、私よりも他の者に!」


「俺達の中で『刀系統のスキル』を保有しているのは、確か『お前だけ』だったと記憶しているが?」


「うっ」


 途端にシャロンヌは押し黙る。


 ――この世界では『剣スキル』と『刀スキル』はイコールではない。


 剣のスキルをいくら持っていも、武器が刀だとそれらを一切使用できず、その逆もまた然りである。

 似ているようで全く別物の武器――

 それがこの世界においての『剣』と『刀』だ。

 ちなみに剣系統の武器とは主に『ロングソード』や『ショートソード』。

 刀系統は『大太刀』や『小太刀』などがあげられる。

 ついでながら、『剣』この世界において最もポピュラーな武器だが、『刀』はマイナー武器の代表格とも言えるほど使用人口が少ない。


 ――この比率は、そのまま零支部特異課の面々にも当てはまっていた。


 現在、零支部の中で剣のスキル持ちはカイト、リナ、シャロンヌの三人。

 対して、刀のスキル持ちはシャロンヌただ一人である。


 ――しかも、彼女の『刀スキル』はLv4まで達している。


 いわば世界でも指折りの『刀使い』。

 それがSランク冒険士シャロンヌである。

 となれば、パーティーの中でいったい誰が太刀の【神宝器(セフィラスフィア)】である“月青刃(ゲッセイガ)”を振るうのか、考えるまでもないと言うものだ。


 ……いちいち恩義に感じる必要はないんだがな……


 天は内心でため息をついた。

 シャロンヌの気持ちも分からなくはない。

 言ってみれば、今の彼女は一方的に(あた)えられてばかり、受け取ってばかりの立場だ。

 ようやく小物(てかがみ)でほんの少しお返しできたかと思えば、すぐにまた大物(ゲッセイガ)で万倍返しされる。

 要するに、シャロンヌはそんな現状をものすごく気にしているのだろう。


 ……俺が勝手にやってることだから気にするな、と言っても無理だろうな……


 そう簡単に割り切れる人物なら、そもそも最初から悩まない。

 誇り高いシャロンヌだからこそ、自己嫌悪にも似たやるせなさがあるのだろう。


「シャロ」


「……はい」


 俯いたままのシャロンヌに、天は言った。


「仮にもお前は俺の右腕(みぎうで)なんだ。その程度の武器、難なく使いこなしてみせろ」


「――!」


 シャロンヌは弾かれたように顔を上げる。

 天はシャロンヌの目をまっすぐに見て、にやりと口角を持ち上げた。


「期待してるからな」


「は――はい‼︎」


 その返事が彼女の“今日一番”だったことは言うまでもない。





「シャロ。観客席の方に戻ってろ」


 空気が一瞬にして張り詰める。

 天の声の質がそれまでと明らかに違った。


「かしこまりました、マスター」


 言われるがまま、シャロンヌは短く一礼して(すみ)やかにその場を離れる。

 緊急事態を告げる主人からのメッセージを読み取れないほど、彼女は鈍くなかった。


「さて」


 シャロンヌが去ってから一拍の間を置き、天はそちらを向いた。


「実はかなりせっかちな『神』だろ、お前って」


支度(したく)せよ、花村天」


 息を呑むほどの美貌。

 そしてあらゆるものを超越した存在感を放ちながら……


「これより儀式を執り行う」


 灰色の髪に(あか)い瞳の男神が、天の目の前で静かに佇んでいた。


「その様子だと、見世物の方は満足していただけたと受けとってもいいのか、争いの神さま?」


「無駄な問答だ」


 天がおどけて見せると、シナットは喜怒哀楽のない表情を崩さぬまま天を見据えた。


「我がこの場にいる。これ以上の(あかし)は他に存在せぬ」


「違いない」


 口元にかすかな笑みを浮かべ、天は観客席に向けて声を張った。


「我が主様。そういう訳なので、よろしくお願いします」


(ただ)ちに()りてこい。生命神(フィナ)よ」


 一人と一神が言葉を発した、次の瞬間――


「じゃから、なんでさっきっから貴様が仕切っとんのじゃごらァァッ!」


 陽光を纏いし美の化身、生命の女神フィナが降臨した。


「お呼び立てして申し訳ございません、我が主様」


「あ〜ん、いいんじゃよダ〜リン♡」


 フィナは途端に表情を一変させ、腰をくねらせながらこれでもかと愛敬を振りまく。それは歌舞伎役者もかくやというほどの早変わりであった。


「ダーリンの為ならば、たとえ火のなか水のなかじゃ!」


「では早速、“英雄がえりの儀式”を始めましょう」


 見事なまでの事務的な対応を披露して、天が本題に入ろうとすると。


「三つ目の願いを聞かせよ、花村天」


 他のことは一切興味がないと言わんばかりに、シナットがさらに色々と(はぶ)いた。


「ヤバイどうしよ、このクソ邪神マジでちりほども話を聞かんのじゃ……。いっそひと思いにヤッちまいたいのじゃ……」


「了解した」


「ちょ、ダーリンッ⁉︎」


 と。

 フラストレーションを急激に蓄積させるフィナをよそに、天がシナットの要望(ワガママ)をさらりと受け入れた。

 ところで。


「ま、天どんがいいってんなら、オイラもそれで構わねいぜい」


「私も異存はありません」


 残りの二柱――創造の神マトと知識の女神ミヨも、儀式の司会進行役として来臨した。

 といっても、こちらはどちらかと言うと野次馬に近いが。


「カカカ、まさかオイラたちの口から、あっちの情報を大っぴらに暴露(バラ)せるなんてよ」


「『(はい)』か『(いいえ)』かでしか答えられないとはいえ、これは前代未聞と言えます」


 好奇心に目を輝かせ、地に降り立った二神は、言外に「自分も早く天の三つ目の願いを聞きたい」と言っているようだった。


「こりゃ、おぬしらもどさくさに紛れて出しゃばるでないわ!」


(かて)ぇこと言うねい。英雄がえりは三柱総出のお祭りじゃねいかい」


「そうですよ、フィナ。こちらに関しては私達にも参加の権利があります」


「いつまで待たせるのだ。早急に儀式を始めよ、痴れ者ども」


「「「一先ずお前は黙ってろ」」」


 とにもかくにも――。


 この世界の柱神たちは皆。

 いくら管理する種族が違えど、いくら司る項目が違えど、根っこの部分は似た者同士のようだ。


 ――ちなみに、闘技場中央に転がっていた龍バージョンの青月の巨大生首は、いつの間にか跡形もなく消えていた。


 この中のどの神さまが片付(かたづ)けたかは謎だが。生死は不明だ。とりあえずさっきまでは辛うじて息があった。天が把握しているのはそれぐらいである。


 実際、天は青月を殺す気で《八凄乃王(すさのお)》を繰り出した。


 なので正直、()の者の安否などどうでもよかった。興味がなかった。

 天が巨龍の首から上を残したのも、自分で言った『顔面無し』の公約(ルール)を守ったからに過ぎない。


 詰まるところ――。


 龍神(セイゲツ)の主人であるマトも、顔見知りである他の神々も、ついでに対戦相手であった天も、既に敗者のことなどアウトオブ眼中。試合後の儀式(セレモニー)に夢中というわけだ。


「…………」


 観客席の最前列に置かれた一種のオブジェのように見えなくもない黄金の樽の中から、そんな最高神たちの様子をそっと眺めていた“女仙”黒光(コクヒ)が、龍神青月の同僚である彼女が、いったい何を思うのか……実際のところは本人にしかわからない。



「俺の三つ目の願い――それは知識の女神ミヨ様の真理英雄である『クリアナ』に関する情報だ」


 次の瞬間、超神界に完全なる静寂が訪れた。


「――」


 天の口から発せられた言葉と共に、神々が一斉に口を(つぐ)む。

 最高神たちは、皆一様に『やはり』という表情を作っていた。


「英雄がえりの『三つの願い』の内の一つとして、我が主様にお訊ねしたい事がございます」


「うむ」


 天が会話の相手を邪神(シナット)から主神(フィナ)に移し、神の御前に跪き平伏すると、生命神フィナは最高神格第一柱としての(かお)を見せる。


「何なりと申してみよ、我が従僕よ」


「ではお()きします――」


 天はゆっくり顔を上げる。

 そして。


「『英雄クリアナが捕虜として収容されている所在(ロッジ)はランド王国の領土内に存在する』――YES(イエス) or(オア) NO(ノー)


「……ク、ククク……フハハハハハハハ!」


 弾かれたように笑い出したのは、なんと争いの神シナットであった。


「――何をしている。早く答えてやれ」


「……!」


 相変わらずの命令口調。

 だがシナットの声色は、先刻までの無感情のものとは違い、さも愉快気であった。

 その一方。

 信じられないものでも見たような顔をして呆気に取られていたフィナ、マト、ミヨの三柱組は、シナットの指摘にハッと我を取り戻して小さく咳払いをする。


「我が従僕、花村天。そなたの質問に対する回答は――」


 フィナの唇がそっと開かれる。


 余談だが、現在の『ランド王国』の国土は世界でワースト一位。つまり全世界で最も小さな国、それが()の『ランド王国』である。


 ――要するに、この結果(こたえ)いかんによっては、クリアナ王妃の居場所がほぼ特定されるということだ。


 天の三つ目の願い。

 その『解』とは――


「『いえす』じゃ!」


「『(せい)』です」


「『(マル)』だよい」


 ほぼ同時に。

 三柱の神々は満面の笑みを浮かべて答えた。


「兄さん――ッ‼︎」


 続いて飛び込んできたのは、歓喜にも似たカイトの叫び声。


 天はおもむろに立ち上がると、観客席に向けて(いさ)ましく(けん)(かか)げる。


 相棒の声に応えるように拳を高く突き上げる彼の姿は、あたかも勝ち名乗りをあげる勝利者のようであった。




 ◇◇◇




 それはとある神の気紛(きまぐ)れだった。


「花村天。我を()()楽しませた恩賞として、おぬしに褒美を与える」


 という邪神の呼びかけに。


「貰えるものがあるんなら、有り難く貰っておいてやる」


 と、闘いの王は軽はずみに応じてしまった。


 その結果……


 ―――キャハハハハハハハハハハ〜♪


 不気味な、それでいて心から嬉しそうな屈託のない笑い声が。

 突如として神々の領域に木霊した。


「また変なところに連れてこられたときは、今度こそブッ殺してやろうかと思ったけどさ――」


 何者かの声が聞こえてきたのは、闘技場の入場ゲートの暗がりの奥からだ。


「まさかこんなサプライズが待ってるなんて思いもよらなかったよ、シナット。キャハハハハ!」


 性別を判別しづらい中性的な声でなおも笑いながら、その者は嬉々としてコロッセオに入場した。


 その一方で。


「これは果たして褒美なのだろうか……」


 などと言いつつも、天はどこか身を躍らせるように、一歩一歩その者のもとへと歩みよっていく……そして。


「よお」


「やあ」


 捲れ上がった地面を踏みしめ。

 半壊した闘技場のちょうど真ん中で。

 両者はついに対面した。


「キャハハハ! しばらく見ないうちに随分と若返っちゃったね〜。何それ、新手のギャグかなにか?」


「ふぅ、そういうお前はまるで変わらんな」


「ま、そこは僕だからね」


「自分で言うなと突っ込みたいところだが、それがお前だからな」


「うん」


 二人はひとしきり挨拶を交わした(のち)


「――で、再会の挨拶はこれぐらいにして、早速この場で()()うか? クソ親父(おやじ)


「キャハハッ! いいね、いいねー! いつのまにそんな親孝行な息子(むすこ)になっちゃったのさ、天天♪」


 ()くして、史上最強の父子は再会を果たした。



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