悲しみよ、こんにちわ
三年ぶりに毎日往復していた通学路を通った。
かつてと同じ道順を踏み、過去の自分の姿と重ね合わせる。違うのは歳と財布の中身と聴く音楽くらいか。
何も変わっていないと思っていたが、バスの車窓から見える景色をたどると、歳月の分だけは成長ないし変化はしているようだった。
何か怯えるように過ごした日々はどうしたのだろうか?
矛先が変わっただけなのだろうか?
当時の僕は永遠不変という幻想をだたひたすらに追いかけていた。
あの時は未来を見ることが怖かった。
いまは現実に少しだけ目を向けることができる。
なんだそれだけの違いか、と思い僕はその場を過ぎ去った。