Under the Bridge
本作品は、早村友裕さんが執筆されている『コラボ侍』(現タイトルは『賽ノ地青嵐抄』)のスピンオフ作品となっております。
上記の作品からインスピレーションを受けて執筆しているのですが、別視点というよりはパラレルワールドのようなつくりだと思っていただけたら読みやすいかと思われます。
みてみんの『コラボ侍』から誕生したキャラクターを把握するために、他の作品および、みてみんのイラストを拝見しておくことをお勧めします。そうすれば、よりもっと楽しめること請け合いです!
特にでこぱち! でこぱちね!(By・でこぱちファンクラブ名誉会長――佐藤つかさ)
ちるたるちるたる。歯車笑う。
ちるたるちるたる。針が回る。
今日も時計は時を刻む。星が宇宙を踊るように。
さぁ、星を見よう?
銀河の中をのぞいてみよう?
白い星、灰色の星、赤い星――そんなたくさんの星々の中で、ひときわ明るく輝いている青い星を。薄布のような雲の白を突き抜けて、もっともっと奥までのぞこう。
ほら。島が見えてきた。島というには大きいけど、大陸と比べたらすごく小さな島。
だけど見てごらん?
その小さな島に、たくさんの人が住んでいるんだよ?
大きな男の人も、小さな子供も、柔らかそうな女の人だっているんだよ?
それから――人間じゃないのもいる。
獣が化けて人の姿を真似たアヤカシ。
それから、頭に角の生えた鬼。
そして――羅刹。
姿は人だけど、ヒトじゃない。だけどすごくヒトに近い。
戦うことが好きで好きで好きでたまらない。殺すこと燃やすこと壊すこと、みいいいいいいいいいいいいいいいいんな。
そんな異人種たちの交じり合い。
ねえ、何が起こるの? どうなっちゃうのかな?
ほら、そうこうするうちに街が見えてきた。
街の名は『賽ノ地』
ならず者や表で生きていけない人たちが集まった――この世の底辺。
犯罪の聖地。死体の名産地。怖そう怖そう。
だけどもったいないなぁ。
この街が――こ れ か ら 燃 え 盛 っ て し ま う な ん て。
みいいいいいんな灰になっちゃうなんて。
あの羅刹たちのせいで赤くなるんだ。猩々緋のように爛々(らんらん)と。
怖いよう。
怖くて怖くて泣いちゃいそう。けらけらけらけらけらけらと。
――この街にも、普通の子供がいるみたい。
すみれを溶かしたような髪を風になびかせている女の子。その隣には、すっごく派手な向日葵色の上着を羽織っていて、年がら年中笑ってそうな男の子。
あ、女の子の隣にもう一人男の子がいる。真っ赤な着物姿で、髪はまるで空のように――あるいは海のように深い青。
あれ? あの青い髪の男の子――
右腕が無い。