不便な体
何故か女神が勝手にサキュバスとヴァンパイアのハーフに転生させられた。
なんか最後顔面の筋肉が引き攣っていた。うんこでも我慢していたのか?
っていうかサキュバスとヴァンパイアのハーフか。
ラノベでも見たことないような設定だな。
考えてる場合ではない俺は生まれてすぐに親に捨てられ、雨が降っている森の中にいる。
ここに長いこといればどんな生物でも死ねる。
今すぐにでも脱出をしたいのだが赤ん坊の体というのは動けたものではない。ぎゃあぎゃあ泣くのが精一杯だ。
やばいもうすぐ天の迎えがきそうだ。
転生してすぐ戻ってくるとかないだろ、女神様に笑われちまうよ。
そんな薄れゆく意識の中で子供の声が聞こえた。
俺いや、わたしは10歳になった。
捨てられた時はどうなるかと思ったけど竜人族の子供のリュナがたまたま見つけてくれて、今も家に住ませてもらっている。
リュナは竜人族の偉い人の一人娘らしく私一人が住み着いてもどうってことはないらしい。
噂をすれば、リュナが廊下を歩いている。
急いで駆け寄ってリュナのお腹にダイブした。
「もう、サキュアこの時間はダメって言ったでしょう。」
「でも、でもお姉ちゃんに会いたくて...」
「もうちょっとしたら遊んであげるから待ってて。」
「うん。分かった。待ってる。」
夕食のあとリュナの部屋に遊びに行った。
ドアをコンコンとノックして「お姉ちゃん遊びにきたよ。」
リュナがドアを開けたのですぐに抱きついた。
「もう甘えん坊ね。」
リュナはわたしが抱きついたまま椅子に座り、膝に乗せた。
「ねぇ。お姉ちゃん血もらってもいいですか。」
「かしこまらなくてもいいわよ。飲んでいいわよ。」
「ほら」と言い首筋をわたしの口の前に持ってくる。
白い首筋にゆっくりと牙を立てて血を少しずつ飲んでいく。
「んぁん。」
毎回吸うたびに思うけどなんかリュナエロくね。
血を吸われるって気持ちいいのか?
わからないけどまあいっか。
リュナの首筋から牙を離す。
なんか食べたら眠くなってきた。
「お姉ちゃん今日も一緒に寝てもいい。」
「聞かなくてもいいわよ。良いに決まってるじゃない。」
へへへと嬉しくてはにかんでしまう。
こっちにきて言葉が喋れるようになってからずっとリュナと寝ている。
わたしの部屋にも立派なベットがあるけどこれには変えられない。
断じてリュナと寝たいからだけではないぞ。
この不便な体のせいだ。
血と精気どちらも必要なのだ。
だから寝てる間体を密着させて微量ながらも精気を吸い取ることができる。
今のところはリュナに血と精気をもらっているが年々増えているような気がする。
これ以上もらうとリュナに影響が出るかもしれない。
さてどうしたものか。