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第2話 ようこそ!冒険者ギルドへ!

王より一通りの装備と支度金を受け取ったナツメとトウマは、

旅をするべく冒険者ギルドへと向かった


シュガルディンの城下町は、中世ヨーロッパのような街並みであった

文化的にもそのあたりに近いであろうと想像できる雰囲気が、建物や住人から伺える


「ねぇナツメ、さっき言ってたの説明してよ」

「あぁ、あれか...」


「実はな、俺はな?...この世界で生まれたんだ」

「...え?どういうこと...?」


想像してない、そんなことは考えたこともない返答に、トウマは歩いていた足を止めた


「話せば長くなっちゃうんだけどな?俺はこの世界で生まれて育って。そして魔王を倒す旅をしていた」

「それで、なんやかんやあってお前が生まれた。その時ちょっとした争いが起きてだな...。」

「その時俺とお前を救おうとしたお前の母親が、ある禁呪を使った。それが異世界転移の魔法だ」

「それで俺たちは地球の日本に飛ばされた。それでその時偶然出会った白銀組のおやっさんに拾われて、そして今に至るってわけだ。」


「そんな...僕は異世界の人間だったの...」

「すまん、もう少し大人になったら話すつもりだったんだが...ショックだよ...な?本当にすまん...」


いきなりの展開に思考が追い付いていないのか、茫然とするトウマにナツメは様子をうかがいながらあやまった


「急にこんなこと言って悪いと思ってる...その...ショックだったか?」


普段楽観的なナツメは、こんなときどうして良いのかわからず、言葉に詰まらせているようだ

そんな空気に気付いたのか、極力明るくトウマは答えた


「まぁ...ショックというよりビックリしたって感じかな!大丈夫だよ!」

「でも...そのお母さん?は今どうしてるの?」

「正直わからん...」


「あの時はいきなり戦いがあってな。みんなパニックを起こしていた。」

「ここは日本のような平和な世界じゃない。魔物だっているし簡単に命を落としてしまう。そんな世界だ」

「だからアイツ...お前の母親も正直どうなったか予想もつかない...」


ナツメの顔は当時の悲劇を思い出したせいか、怒りとも悲しみともいえない複雑な表情をさせていた


「だけど俺はずっとこの世界に帰りたかった。そしてメルフィナ...お前の母親を探したいと思ってた」

「そしてこうして帰ってこれた。危険な世界だが...トウマ、お前さえよければ一緒に旅をしてくれないか?」


ナツメは普段見せたことのない真剣な表情でトウマに語り掛けた

トウマもそれを見て、ナツメの本気が理解できた

いきなりの異世界、自分が地球の生まれではなかったこと。そして、生死は分からないが母親の存在。

不安でいっぱいであったが、それ以上に好奇心、そしてナツメと共に旅にでてみたい気持ちが上回った


「うん、一緒に行く!」


そう答えたトウマを見て、ナツメは嬉しく、そして誇らしい気持ちになった



「それで、このあとはどうするの?」

「とりあえず一通りの装備はもらったし、まずは冒険者ギルドにいって冒険者登録だな」


ナツメは背中に背負った大きな剣を担ぎ直してそう言った

150cmはあろうかという大きな剣...俗に言う大剣という種類の武器だ

トウマは小ぶりな短剣を2本、左右の腰に装備している

筋力を活かしたナツメ、俊敏性の高いトウマには相性の良い武器だ

胸には二人ともお揃いの金属製の胸当てに、腕にも金属製のアームガードを付けている


「たしかこっちに...お?あれだあれだ!」


歩きながら目の前のひときわ大きな建物を見ると「冒険者ギルド」と書いてある


「あ!本当だ!冒険者ギルドって書いてあるね!」

「ん?お前こっちの文字読めるの!?」

「え?だって日本語で書いてあるじゃん?」

「いや、あれはメルゼア共通語だぞ...んーユニークスキルのせいか?まぁ読めるならいいや」


途中まで真剣に考えていたナツメだったが、急にどうでもよくなったのか、答えを出すのを諦めたようだ


「相変わらず雑だなぁ...そういえば、このユニークスキル?はどんな効果があるの?」

「あぁ、ユニークスキルは条件を満たさないと使えないんだよ。それまでなんにもわからん(笑)」

「え!?そうなの!?」

「うん(笑)俺の限界突破は名前から想像ついたからそれっぽいことしてたら発動したけど、お前のはどんなのかわかんねーなぁ(笑)」


この世界にはスキルというものが存在する

基本的に名称で分かるものであり、スキルを得ると自然と使い方もわかるものなのだが、

まれに「ユニークスキル」という一人しか持っていない固有スキルが存在する

これらは最初から使えるわけではなく、様々な条件があり、その条件を満たした状況で解放され使用することができる


「たしかにナツメのスキルはなんとなく察することできそうだよね。どんな効果があるの?」

「まぁそれは後でのお楽しみって事で♪」


得意げにもったいぶった表情を見せたナツメは、一足先に冒険者ギルドの方へと歩き出した


「ちょ、ちょっと待ってよー!」


置いて行かれまいと、トウマもそれに続いた



ガチャ...ギィィ...



「わぁ...」


冒険者ギルドについたナツメは、ゆっくりと扉を開け中へと足を進めた

扉のむこうには、


ギルド内に併設された酒場でにぎやかに盛り上がっている者

掲示板の前で難しそうな顔をして何かを物色している者

カウンターで受付嬢らしき女性を口説いているであろう者


トウマが日本で見てきた異世界物アニメの世界が広がっていた


「ほら、こっちだ」


感嘆の息をもらしているトウマを、ナツメはついてこいと先導した

その先には受付のようなカウンター。そして受付嬢がいた


「お前がテンション上がる言葉が聞けるぞ(笑)」


それを聞いたトウマは不思議そうな顔をして、ナツメが指さす受付嬢の方に目を移した


受付嬢がこちらに気付いた

そして満面の笑みを浮かべてこう言った


「ようこそ♪冒険者ギルドへ♪」

読んでくださり、ありがとうございます!


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