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見込み客の自警団員がコンサルに質問する

 シンディが始めた防犯護衛事業がヒットしたのに追随して有象無象の業者があらわれた。すると中には詐欺まがいの業者もいる。いま詐欺まがいの独立コンサルを相手にしている。


自警団員相手に護衛として独立すれば大成功だと言って300万ほど取って、いちおう独立はさせるがかなり中抜きする。もちろん独立した者はたいてい失敗するがコンサルは放置だ。


あげくの果てに紹介料を出す形で次々勧誘をさせ自警団に広がってしまった。いまは自警団と協力しておとり捜査を仕掛けている。


だまされた自警団員の紹介で、うちの護衛と自警団員の2人が独立を考えているという設定で詐欺コンサルから話を聞いている。


いまコンサルは月に100万200万の利益が出ると大ウソを言っている。



自警団員の客「なるほど。稼げる人は高額を稼げるということですが、逆にうまくいかない人はどうなんでしょう?」

コンサル「みなそこそこ稼いでいますよ。投資分を取り返すのもそれほどかかりません」


自警団員の客「そうは言っても失敗する人もいるでしょう?」

コンサル「まあ、いるにはいますが、ごくごく例外ですね。まるでやる気がない上に世の中のことも知らないので、あれではどんな商売をしてもうまくいくとは思えないような人だけですよ」


あくまで例外と言い張っている。実はだまされた者はほとんど上手くいっていないし、廃業した者も多い。まったくの大嘘だ。ここで独立のための費用を取るためだろう。


自警団員の客「そうは言っても商売ですから、そんなに簡単にはいかないでしょう」

コンサル「そこが私どものいいところです。商売がうまくいくように懇切丁寧にサポートするため、めったに失敗が起こりません」


これを聞いてすでにだまされた自警団員の方は少し反応している。大ウソで騙されたことを思い出して悔しいのだろう。


だがここで声を荒げてしまったりすれば台無しになってしまう。彼も少しでも金を取り戻さなくてはならないし、失敗を挽回しなくてはならない。


深呼吸か何かをして感情を落ち着けた上で何とか平静を保っていた。


自警団員の客「なるほど、サポートというのはどのようなことをするのですか?」

コンサル「はい、うちでは研修に行ってもらいます。これで誰でも護衛ができます。それにお店の方もうちでちょうど良い物件を選んで仲介します。手続等もこちらでご準備します」


研修というのは要するに日雇い同然の職場に放り込むことだ。おそらくそれで職場から紹介料かあるいは賃金分までせしめているらしい。


少なくともだまされた自警団員は研修だからと一銭ももらっていないと言っている。



 誰でも護衛ができるというのは、護衛というのはもちろん易しい仕事から難しい仕事まで広くあって、ごくごく易しいことならできるということだ。


うちでしているような高額の請負で知識も経験も問われるようなものはもちろんできるはずもない。だいたい育成期間が必要でそんなにすぐにはできない。


要するに護衛の中で誰でもできる安い種類の仕事しかできないということだ。



 ちょうど良い物件というのも曲者だ。騙された団員の店はとうていちょうど良いというものではなかった。むしろ不利なものだ。


おそらく他に借り手がいない物件を押し付けられたのだろう。もちろん護衛の事務所などそれほど大通りに面してなくてもよい。


ただそれならそれなりに賃料だって安くなくてはならないのに、まったくそんなことはなかった。


自分で調べることのできない者はまずいものをつかまされる。大金出すからにはそれなりに骨を折って調べないといけない。



 手続きというのも大半は自分で署名しないといけないからとだまされた団員自身がしたという。いちおう何をしなくてはならないかは教えてくれたそうだが、役場に行くのも何もかも自分だったという。


うちで護衛をするなら代行できるところはほとんどうちの事務が代行する。力はついたと団員は苦笑交じりに話してはいたが、言っていることとしていることが大違いだ。



自警団員の客「なるほど、手厚いサポートがあるわけですね。ただそれでも失敗する人はわずかかもしれませんがいるでしょう。その場合はどうなりますか? いえ、私も失敗したら大事ですのでいちおう聞いておきたいと思いまして」


コンサル「いえいえ、ごもっともです。もちろんごくわずかではありますが、うまくいかない人はいます。ですがその方々への支援もうちではもちろん続けています。そこでほとんど誰も失敗しないのです」


自警団員の客「それで、実際どのような支援がされるのですか?」

コンサル「はい、うちで見込み客を紹介しますし、商売の方法についても改善点について一緒に考えていきます」


これも表面だけの大ウソだ。騙された団員によると見込み客の紹介というのは、やはり日雇いの安い仕事の紹介とのことだった。それも割が悪くて、紹介料を抜かれていそうだったとのことだ。


商売の改善点というのも何の分析もなくただ思いついたような一般論をしゃべるだけで、役に立ったことはなかったという。


もちろんだまされた元団員の言うことだけ信じるのも適切でないが、あまりに失敗が多すぎるということは、やはりコンサルの方に問題があるのだろう。



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