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シンディたちの護衛方法はかなりよさそう

 シンディは商会の護衛部門で護衛を育てようとしている。部下のエドアルトとアレックス、それに店番の2人と道場に行ってその方法を検討している。そこで道場に誘われ、その成果を見せられた。



 ちょっと意外だったが、かなり実践的なものだった。まず最初に警笛を鳴らすし、積極的に戦うよりは防戦主体だった。


店員などは襲われるとすぐに警笛を鳴らし、さらに衝立を立てて自分の身を守るとともに相手が行動しにくくする。


店番の方も壁に立てかけてある大きな楯を持ち出して自らの身を守りつつ、犯人に行動させにくくする。



 訓練を見ていると技量のあるシンディやかなり体が大きい店番が犯人役をやっていても護衛の方は互角以上に防戦している。


むしろ犯人役の方がやりにくいようだ。これなら外から応援が来るまで犯人はろくなことができそうにない。


実際に犯人役はシンディがやってもかなり息が上がっている。


シンディ「こんな感じで護衛を考えたんだけど、どう? かなり自信あるんけど」

フェリス「いや、これ、かなりいいと思うよ」


シンディ「ほんと?」

フェリス「うん、もちろん完璧とは言わないけど、少し工夫すればいいだけだろうし、方向性だけなら90点以上だと思う」


そう言うがシンディはちょっとだけ期待外れのような顔だ。


シンディ「かなり工夫したつもりだけど、どこかまずいところある?」

フェリス「いや、あの、こんな短時間でこんなにいいもの作れるとは思っていなかった。本当に素晴らしいと思うよ」


シンディ「ならあとの10点は何?」

フェリス「うーん、本当に素晴らしいんだけど、あえて言えば防犯するのが君たちみたいな武術に心得のある人ならこれでほぼいいと思う。だけどそれが全くない人だと、もう少し何かしないと難しいような気がするってこと。いやその人たちだってこれならかなり抵抗できると思うけどね」


シンディ「そうかしら? これなら弱い人でもけっこういろいろできると思うけど」


その辺は弱い人を甘く見ていると思う。弱い人は刃物見るとパニックを起こす。冷静に行動しているのはやはり剣術の心得があるからだろう。


もちろんその辺素人でも半分くらいの人はシンディたちの考えた方法でかなりのことができそうだが、逆に2割くらいの人はそれも無理そうだ。


フェリス「うん、素人でも5割くらいの人はこれでいろいろできると思うよ。だけど下2割くらいは全くダメじゃないかな?」

シンディ「そう? 大半はできると思うけど。道場に来ている子で、かなりできない子を想定したつもりよ」


フェリス「あのさ、シンディが道場で見ているのはいちおう道場に来ている子たちだろ。初めから来ないとか、来てもすぐに来なくなる子は見てないよね」

シンディ「あっ、そうかあ。でもそんな弱いのを店員にしていいの?」


フェリス「剣術は弱くても商売がうまいとか料理がうまいとか計算は得意とかいるでしょ。そういう人を追い出したらもったいないよ」

シンディ「そっかあ。ちょっとまずかったかあ」


フェリス「いや、さっきも言ったけど、かなりいいとは思うよ」

シンディ「え、でも何がいいの?」


フェリス「防御主体なのがいい」

シンディ「誰でもできるように防御の方に重みを置いたわ。でも犯人を追い詰めるのはいまいちなのよね」


フェリス「追い詰めなくてもいいんじゃない?」

シンディ「え? いいの? それじゃ取られたい放題じゃない?」


フェリス「そうはならないと思うよ。まず警笛を鳴らしただけでも犯人はすごく嫌だと思う。ほとんど盗ることはできないんじゃないかな?」

シンディ「それはそうね」


フェリス「それから店としては店員や他の客が死んだり大けがをしたりすることは何としても避けないといけない。だけど物取られる方はできるだけ避けた方がいいけど、そんなにものすごく労力や費用をかけてまで避けなくてもいいと思うよ」

シンディ「そうかあ。だけど物取られるのも悔しいじゃない」


フェリス「確かに悔しいけどさ。それに備えるので大金使うのもやっぱりまずいわけで。それにこれだけでも強盗はうちの店に来たくないよね」

シンディ「うーん、それはそうかも」


フェリス「よほど金目のものがあるならともかく、他の店と同じようなものしかなくて、しかも怪しいことすればすぐに警笛が鳴らされる店にまともな強盗は来ないよ」

シンディ「まともな強盗って言うのも変な言い方ね。どんな強盗なら来るの?」


フェリス「うーん、もうお腹が空いて何も考えられなくなって店を襲うなんて言う人は来るかもしれない」

シンディ「そっかあ、そう言うのは来るのか」


フェリス「でもさっきのシンディの方法でとにかく店員と客の安全だけでも守ればそれで上出来だよ」

シンディ「そんなことでいいの?」


フェリス「それだけでも守れれば店の信用につながるよ。従業員は安心して働けるし、家族も安心して送り出せる。お客さんだって安心して来れるじゃない。それってかなりいいことじゃない」

シンディ「そうね。それは店としてはいいかも」


フェリス「そう言う護衛なら店としても大歓迎だよ」

シンディ「なにか光が見えてきたわ」


そんな感じでシンディたちの考えた護衛の方法はかなり使えそうだった。


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