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エドアルトの護衛はじめ

 護衛組織を始めると言うことで、シンディはエドアルト・カーレフという俺たちより少し年上、と言ってもまだ20歳前の男を雇った。


シンディ「それで雇ったはいいけど、実際に何させるんだっけ?」

フェリス「前に行ったけど、俺の護衛と、うちの店の護衛と、もう少し余裕が出てきたらよその店の護衛だね」

シンディ「それはわかっているんだけど、具体的に何するかよ」


何となく自分で考えて決めてほしい気もする。ただ商会が俺のモノだと思っている節があるから遠慮があるのかもしれない。


フェリス「自分で考えてすればいいと思うけど、例えば俺の護衛も一部はエドアルトに変わってもらったら?」

シンディ「え? あたしがすればいいんじゃない?」


フェリス「でもずっと一緒にいなきゃいけないだろ。別に一緒にいたくないってことじゃなくて、たまには別行動でもいいってことで」

シンディ「ううん、そうね」


何か気乗りがしないようだ。


フェリス「だってさ、ずっと一緒じゃお互い行動が制限されるじゃない。シンディだって武器見たいとか試合行きたいとか合宿行きたいとか冒険行きたいとかいろいろあるでしょ」

何か女の子らしいのがない。


シンディ「そうねえ」

フェリス「じゃあ行ったらいいじゃない?」


そう言っても何かいろいろ言い訳している。

シンディ「でも何か申し訳ないし」


そんなこと言ってやりたいことをやめられた方がこちらは気づまりだ。


フェリス「だけどさ、行き帰りは同じ家だからシンディが毎日護衛するんだから、それ以外の日中は別の人でもいいだろ」

シンディ「そうねえ。そうなんだけど」


思い切りがよくない。


フェリス「じゃあ、とにかく週に一回、シンディは外に出ること。その時の護衛はエドアルト。いい?」

シンディ「仕方ないわね。そうしましょう。でも他はどうするの?」


フェリス「あとさ、うちの店のあちこちに護衛の必要がないか聞いて回ってきてよ」

シンディ「わかったわ」


というわけで週に一度は、俺の護衛はエドアルトになった。そして初めの日がやってきた。


フェリス「じゃあ今日はよろしくな」

エドアルト「おう任せとけ」


何かヤクザ者の用心棒みたいな感じがある。もう少し貴族の従者っぽくしたい。


フェリス「その言葉だけど、何かヤクザ者の用心棒っぽいからもう少し丁寧にしてくれ」

エドアルト「こんなもんだろ?」


確かに冒険者を護衛に雇うとそんなものだ。だがそういう商売はするつもりがない。それだと安っぽいままになってしまう。


シンディ「もう少し丁寧な言葉を使いなさい」

エドアルト「わかりましたっ!」

きょうは初日ということで、シンディも一応ついている。ただ少し離れたところから見守る


シンディが少し離れるとエドアルトが文句を言ってくる

エドアルト「護衛なんてこんなものだろ」


いやこれからシンディにやってもらいたいのはそう言う日雇いの安っぽい護衛ではない。ある意味貴族の正式な騎士団に近いものが欲しい。


フェリス「そう言う安っぽいものにしたくないんだ」

エドアルト「だけどさあ」


フェリス「明らかに護衛対象が危険なとき以外は逆らわない」

エドアルト「めんどくせえなあ」


シンディ「黙りなさい!」

エドアルト「はいっ!」


シンディは離れているはずだったが、心配で見に来たらしい。やれやれ。実力主義なのかもしれないk度、なにか、こう変な上下関係を作りたがるのには閉口する。



 ただ護衛も確かにシンディに比べると何か不安な要素がある。シンディは俺が実際に襲われたことをよく知っているので、もう少し警戒している。


その点、エドアルトは襲われたら剣技で対抗すればいいと思っているのか、注意力散漫だ。鼻歌なんか歌っている。冒険者の護衛だとこんなのも多いのかもしれない。


ともかくまたシンディには少し離れてもらう。


エドアルト「だけどさ、そんなフェリスを敬えって言ったってな」

フェリス「あのな、相手を敬わないといけないわけじゃないがな、まず金もらっているんだからな。敬っていないことがわかるような態度を取っていたら失格だぞ」


エドアルト「ふーん、敬わなくてもいいの」

フェリス「そりゃ、いい。ただ金もらっている相手を露骨に馬鹿にするような真似はやめろ」


そう言うと少しは納得したらしい。

エドアルト「わかりましたよ」



 護衛になっているのかどうかわからない護衛を受けて無事に用務先への行き来ができた。その後、エドアルトは下がらせてシンディと話す。


シンディ「あの後はどうだった?」

フェリス「うーん、まあ少しはましになったけど」


シンディ「でも何で言葉遣い直させるの? 護衛なんてあんなものじゃない?」

フェリス「うーん、そう言う安っぽい護衛にしたくないんだよね。貴族の配下の騎士団までとは言わないけど、それに近いのがいいんだ」


シンディ「へー、何かすごいこと考えるのね。でもそうすると何がいいの?」

フェリス「言葉遣いだけじゃなくて護衛の実力も含めてだけど、高度なものにしてもちろん料金も高くした方がいいと思うんだ」


ギルドの日雇いの護衛は全部がダメというわけではないが、ダメなのも一部いる。その辺は評判や口コミでいいものを探さないといけない。


そういう状態だからよほど評判がよくないと高い料金が取れない。いつまでもそれではよくないと思うのだ。きちんと信用できるものを提供して、代わりにそれに見合う料金を取りたい。


シンディ「なるほどねえ。やっぱりフェリスは何か別のものを見ているのね」

それは前世を知っているからということもある。だけど通じるとは思う。


フェリス「シンディがトップだけど、でもいちおう出資者としてはそういう意向と言うのも知って欲しい」

あまり出資者が仕事を任せた相手の頭ごなしに現場に介入するのはよくない。だからすり合わせはしておいた方がいい。


シンディ「そうね。そう言うのを目指すのもいいかも」


フェリス「ところでエドアルトについては、それ以外もちょっとある」


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