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護衛の商会の構想

 シンディと護衛専門の学校の話をしていた。さらに護衛ばかりを集めた商会の話に移る。つまり警備会社のようなものを考えている。


 こちらの世界で警備は商店などが剣術の得意なものを常時雇うか、つまりふつうの正社員のようなものだ。


旅などのときには冒険者ギルドでその時だけ腕の立つものを雇うこともある。つまり請負だ。


フェリス「護衛ばかり集めた商会のことだよね」

シンディ「そう、それ。それはどんなものなの?」


フェリス「いま例えば宝石とか高級品を扱うお店だと用心棒を店で雇っているよね。これをうちで雇ってお店に派遣するんだ」

シンディ「ふーん、それだと何がいいの?」


フェリス「ああいう用心棒って、中身の質はまちまちでしょ。きちんとした人もいれば、ちょっと危ないのもいる」

シンディ「それはそうね」


フェリス「だからさ、うちから出せばきちんとした人を出せるし、それに研修などもできる、さらには警備担当者の都合が悪くてもこちらから別の人を出せる」

シンディ「なるほどね。でも、うちから出すと何かフェリスがいつも文句言っている中抜きにならないの?」


うっ、けっこう鋭いところを突いてきた。確かにその通りだ。前世の警備会社は正確には派遣ではないがともかく人を出していた。


ただ人だけでなくてシステムやノウハウも含めてだった。こちらだとシステムというほど高度なものが作れそうにない。魔法道具でそう言うものが作れれば作りたいが先の話だ。


ただノウハウの方はいろいろとできそうな気はする。



 あと、実はこちらの世界では店で正式に常時雇っていたとしても前世ほど解雇の制限は強くない。


まったくないわけでもなく、あまりに身勝手に主人が人を首にするとさすがに評判が悪くなったりするが、それでも少し業績が悪いなどで簡単に切られる。


フェリス「そのへんは、うちに頼めばいろいろ警備についてノウハウがあるようにするとこの形態の方がいいことになるね。

あとお店の方もあまりよくない雇い方をしているところはあるけど、うちはまともに雇えばいい。もちろんお店が直接雇うのを止めたりはしないからね」


シンディ「何か、フェリスらしくないわね。いつもはもう少しなんというかはっきりしていると言うか、中抜きは許さない! なのにね」


何か今日はいろいろ鋭い。もしかするとマルコとかジラルドの方がけむに巻けそうな気がする。


別にあくどいことをしようとしているわけでもないのだけれど、そもそも直接雇わないことになにかうさん臭さがあるのかもしれない。


前世だって本当にごく短期間必要な職種について派遣会社が常に雇っているもの以外は、わりと解雇規制逃れみたいなところはあったもんな。


ともかく話を変える。


フェリス「まあ、それはやり方次第だし、別に直接雇うのを止めないから。ところで旅に行くときは護衛を雇うよね」

シンディ「それはそうね。冒険者の仕事では基本ね」


フェリス「それをうちが請け負うんだ」

シンディ「それもまた中抜きっぽいわね。何がいいの?」


また来たか。まあそうだけど。だけどギルドだって手数料取ってるし。


フェリス「あのさ、ギルドだって手数料取ってるよ」

シンディ「それはそうね。だけどうちがやるとなんかいいことあるの?」


フェリス「ギルドの方は紙を貼り出すだけで個人間の直接契約だよね。はっきり言うとどんな人が来るかわからない」

シンディ「中には護衛の方が盗賊に化ける例もたまにはあるわね」


さすがにその辺はギルドでも気を付けているので、指名手配犯などはギルドをうろつきにくくめったにはない。だがごくたまにはあるということだ。


それに前と同じく護衛の技量がまちまちということはもっとずっとある。


フェリス「そう、そう言うことがあるし、それに雇った護衛の技量が未熟ということはもっとある」

シンディ「確かにそうね。うちでするときはどうするの?」


フェリス「うちでするときはちゃんと常時雇うし、技量の向上にも努めることにする。だから犯罪者なんか入り込まないし、技量も高い護衛になる」

シンディ「それは利用者にとってはすごいいいけど、うちはお金がかかるんじゃない?」


もちろんお金はかかる。常時雇うと言うことは仕事がないときも給料を支払うと言うことだ。もっともそれほど暇にするつもりはないけど。


護衛の技量をあげる研修と合わせて金がかかるから、その分利用者からは高く取らないといけない。


フェリス「それは利用者から高く取るよ。だって護衛が盗賊でない上に技量もあるって安心できるのだから余計に払って当然でしょ」

シンディ「そうすると、また中抜きになるの?」


フェリス「それはそうなんだけど、まず研修にはお金がかかるに決まっている。それに常時雇われることで安心できる人も多い。

あちこち渡り歩きたいとか冒険しながらたまに稼ぐのに護衛をする人ならともかく、家族持ちの人なんかは安定して給料もらいたい人だっているよ。

それなら仕事がないときでもうちが給料払う分、稼げるときは少し取られたって納得いくだろ」


シンディ「なるほどねえ。ずいぶん難しいこといろいろ考えるのね」


そりゃ、こちらよりずっと高度な社会でずいぶん嫌な目にあわされた中年だ。ただそんなことは言えないので、適当にごまかす。


フェリス「そりゃ商売やっているといろいろね」

シンディ「で、それ誰がやるの?」


フェリス「そりゃシンディだよ」

シンディ「えっ?」




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