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ヤクザ者の扱いと、レオーニ氏の別行動

 西部旅行ツアーの企画でグランルスにいる。レストランのレオーニ氏と、うちの飲食部門のリアナとその部下の子と来ている。


(西)カンブルー ---- 峠 ---- グランルス ---- シャンプ ---- 峠 ---- シャルキュ ---- クルーズン(東)


 グランルスの大手の飲食店がうちの仕事に絡んで、小規模の飲食店にヤクザ者を使って嫌がらせするのに巻き込まれてしまった。


自警団は頼りにならず、騎士を呼んで何とかヤクザ者を一人捕らえることができた。



 かなり滞在が長くなってしまっているので、ヤクザ者の逮捕を手掛かりに大手飲食店の非を鳴らしてさっさと片付けてしまいたい。


現地のうちの支店の店員を経由してどうなっているかを探らせる。店員は若くてあまり世情に詳しくないが、親御さんあたりはけっこう知っているらしい。するとあまりよくない状況のようだ。


騎士は市井のケチな刑事事件には関わらない。今回は「たまたま」遭遇しただけだ。たまたまというのは意識的に遭遇するように仕向けただけだ。


ともかく関わらないし、そもそも取り調べするなどの機能もない。そうするとまた自警団とか、その辺の怪しいところが取り調べに関わることになるそうだ。


フェリス「あのヤクザ者はどういう扱いになっているの?」

支店店員「ちょっとよくわからないのですが、どうも自警団で扱っているらしいです」

フェリス「え、なんでそんなことになるの?」

支店店員「ええ、どうも騎士はそもそも取り調べなんてしないそうで」

フェリス「自警団じゃまたうやむやにされてしまいそうだ」


いちおうヤクザ者の来襲はやんだ。捕まった者だけでなく他の者も来ていたが、まだ騎士がうろちょろしているところには来ないのだろう。


とは言え、またほとぼりが冷めたころに嫌がらせを再開しそうな気もする。この際、一気にあの大型店まで追及してしまいたい。



 そのうちに支店の店員から自警団の中の様子が聞こえてくる。釈放してしまいたい者とさすがに騎士の顔を潰すわけにもいかないので追及を進めたい者といるようだ。


だいたい自警団のバックも大型店のお仲間とそれとは関係ない者やむしろ面白くないと思っている者といろいろいるらしい。


支店店員「どうしますか? 親父の方は反対派とのつなぎもできるようですが」

フェリス「いや、さすがにそこまではいいよ。君たちが連絡を取るのはいいけれど」

支店店員「そうですか。わかりました」


正直言うと、そう言うことに巻き込まれたくはない。現地の支店がかってにする分には構わないが、本店の方までそこまで関わる必要もないと思う。


フェリス「それで例のヤクザ者はどうなっているの?」

支店店員「どうにも自警団の方でも扱いあぐねているらしいです」


このままだとそのままうやむやルートになる気もする。本店の方で関わってつつくなら騎士の方がいいように思う。



 ところですでに旅行に出て3週間を超えている。俺の方はクルーズンの東の子爵が拉致を仕掛けているのから逃げているだけだからいいのだが、同行のレオーニ氏はそうでもない。


レオーニ氏のレストランの事務担当のマンロー氏との話では、旅は2週間という予定で実際それではすまないだろうけど、1か月くらいでは返して欲しいと言われているのだ。


そのレオーニ氏はリアナと部下と一緒に近くの農場など回って楽しんではいる。彼らにも話さないといけない。


フェリス「レオーニさん、こちらの問題は解決していませんが、あなたはそろそろ帰ることも考えないと行けないはずです」

レオーニ「うーん、そうだねえ」


さすがに経営者だという意識が少しはあるらしい。


フェリス「では帰りの準備をしますか?」

レオーニ「だけどこの町のことも気になるなあ」


料理以外のことに興味を持つこともあるらしい。


フェリス「それは後で報告しますから」

レオーニ「うん、それはそれでいいんだけど、当初の予定ではこの町の南のモンブレビルにも行くはずだったんだよね」


そうだった。そう言う予定だった。


フェリス「ええ、そうですね」

レオーニ「僕らはさ、モンブレビルに行ってみるよ。帰りにこの町に立ち寄ったときに結果を聞かせて欲しい」


そうきたか。ただよくよく考えてみると、それもいいような気がしていた。モンブレビルまでは1日で行ける。


だから向こうで3日か4日滞在しても何とか間に合わないこともない。それじゃすまないような気もするけれど。


ただそれは仕方ないかもしれない。レオーニ亭の事務担当のマンロー氏もその辺はあきらめているのではないか。


彼はレオーニ氏には2週間と言って、俺には1か月と言った。心づもりとしてはもう少しありそうな気もする。そうでないとあのじゃじゃ馬のレオーニ氏を扱いきれない。


それに行った方がいいと思うのは、レオーニ氏はそもそも食べ物のことを調べに旅行に来ているのだ。

こんなところでつまらないいさかいに巻き込まれているよりかは別の場所できちんと食文化を見た方がいい。


なおリアナの方はうちの店では研究中心でふだんの業務からはすでに外してある。しばらくいなくても特に問題はない。


フェリス「わかりました。ただレオーニさんのお店のこともありますから1週間で必ずここに帰ってきてください」

レオーニ「わかったよ。そうするよ」


そうしないような気もするけれど、とりあえずそう言うことで別れる。あとはこちらの町の事件に専念しようかと思う。


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