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110. 契約変更に向けて前進

 西部旅行ツアーを企画していてそのメニューを考えるために、レオーニ氏とリアナとその部下で西部を旅行している。いまはグランルスにいる。


(西)カンブルー ---- 峠 ---- グランルス ---- シャンプ ---- 峠 ---- シャルキュ ---- クルーズン(東)


 旅行客の食事を大規模食堂に頼んでいたが、食べに行くと味がよくない。しかもどうも店主の態度もよろしくない。言ったメンバーはみな不満を持ち、特にレオーニ氏などこき下ろしている。


そこで別の「里の飯屋」という店に行ってみるとそちらはセンスも味もなかなかいい。同行者はみなこちらに契約を変えるように言う。


だが店の規模が小さくて、うちのツアー客を全部入れるキャパシティはありそうにない。いちおう宿など他の場所での食事にすることも検討する。



 その日の午後は俺はその食事場所探しと称して後の3人とは別れて行動した。彼らはこの近くの食材を見に行くそうだ。


とりあえずギフトのホールでクルーズンに戻り、変装して商会の社屋にいってアランと話す。食堂の契約についてどうなっているかだ。


フェリス「なんかグランルスの契約食堂だけど、あまりおいしくない、というよりはっきりまずかったよ」

アラン「あれ? そうでしたか? そんなに悪くなかったような。しかもあの町ではあの食堂くらいしか多人数は入れませんよね」


フェリス「うんキャパについてはその通り。だけど味の方はさんざんだった。しかも親父の態度は悪いし」

アラン「あれ? そんなことあったかな?」


フェリス「ちょっと待て、なんかおかしくないか?」

アラン「ええ、おかしいですね」

フェリス「もしかして別人? どんな人だった」


それで聞いてみるとどうやら、4人で会った例の親父とは特徴が違うのだ。何かあまりにも変だ。ともかくアランと話して、問題があれば店を変えても構わないとは言われる。


なにか面倒なしがらみでもあればそちらを考えないといけないが、そういうことはなかった。




 グランルスにギフトで帰ってとりあえず宿の主人には食堂が使えないかを聞いてみる。すると事前予約して料金を払えば構わないと言う。


それならあえてうちで飲食スペースを作るより借りた方がずっと楽だ。作って永久にメンテナンスも掃除もいらないなら作るが、そんなことは決してない。


しかもツアーで使う時間はさほど多くないから、ますます無駄になる。ともかく借りるめどが立ったのでとりあえず旅行客用の飲食会場のめどが立った。



 それから次に例の大型食堂の事情を探ってみたい。ただ俺自身が動くのはちょっとまずい。だいたい子どもの姿で目立ち過ぎる。


うちの現地のスタッフはもともと地元の出身だ。彼らに聞けば何かわかるかもしれない。


フェリス「ちょっと聞きたいんだけど、あの大型食堂って地元の評判はどうなの?」

スタッフ「あそこですか。あまりおいしくないですよね」


フェリス「え、知っていたんだ。それなら教えてくれればよかったのに」

スタッフ「ええ、でも外の人はみんなあそこ行きますよね。大きくて目立つから」


フェリス「確かに目立つね。大きいし。ところでうちのアランが食べたときは悪くなかったって言ってたけど」

スタッフ「え? ああ、あそこの親父は変にこすっからいところがありますからね。アランさんが来た時は代役でも立てたんじゃないですか?」


なるほど。代役か。それなら最近会ったときとアランが会ったときで印象が違うのもつじつまがあう。


アランは契約を考えているから伺うとでも予告していったのかもしれない。やはりこういうのは本人かどうかはともかく抜き打ちで見に行った方がよさそうだ。


それにうちには現地出身のスタッフがいるのだから、もっと有益な情報を集めることだってできたはずだ。今回はいろいろ反省点が多い。



 夕方になってレオーニ氏たちが帰ってきた。リアナと部下はへとへとのようだ。またレオーニ氏に引っ張りまわされたのだろう。とりあえずまた変わった野菜やキノコが大量に運び込まれた。


フェリス「収穫はありましたか?」

レオーニ「シャルキュの町とあまり変わらないけどね。ただ農園の人の趣味でまた変わった香草はあったよ」


代役の件は話したいが、アランと会ったとは言えないので黙っておく。ただ契約の変更について前向きであることだけ言っておく。


フェリス「いちおう宿の食堂は予約があれば使わせてもらえることになりました。アランにも手紙を書いておいたので、そちらで問題がなければ契約を変えることにします」

レオーニ「うん。それがいい」

リアナ「あっちはひどかったものね」

部下「これで旅行のお客さんもいい思い出ができます」


その通りだ。旅行客にいいものを提供しないといけない。ただ例の大型店の親父と契約を切るのは面倒そうな気がする。策略を使ってまで契約を取ってくる奴だ。ゴネてきそうなきがする。


ともかくまたレオーニ氏が仕入れてきたものを使って夕食を作ってくれた。あいかわらず実験的でいろいろ手を変え品を変えしたものの試食だったのだけれど。


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