表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
483/636

契約先を変える検討

 西部旅行のメニューを考えるために、レオーニ氏とリアナとその部下で西部を旅行している。いまはグランルスにいる。


(西)カンブルー ---- 峠 ---- グランルス ---- シャンプ ---- 峠 ---- シャルキュ ---- クルーズン(東)


 旅行客の食事のために大通りに面した広い店と契約している。ところがみんなで言ってみると、味がいま二つだった。


主人の態度もあまりよくない。高めに出すと言ったらいうことを聞くふりをしていただ、どこまでいう

ことを聞くのかわからない。


そこでレオーニ氏が他の店も見るべきだと言ってきたので、それに乗ることにした。



 評判のいい店に行ってみると、しっかりした味だし、わりとセンスもいい。ただ惜しむらくは店が小さすぎてとても旅行客などはさばけそうにないことだ。


店を出ると「里の飯屋」とこじんまりした看板が出ていた。店を出てその辺をみんなで話し合う。


リアナ「やっぱりこっちの店の方がいいわね」

部下「ええ、あまりにも味が違いすぎます」

レオーニ「味だけじゃないよ。調度も接客も簡単なコースにしたのも、まったく彼の方が上手だ」


まあ、みんなの言う通りなんだよな。比べるまでもない。とはいえ、店のキャパシティをどうするか。


フェリス「えーと、みんなはこっちの店に変えるということでいいの?」

リアナ「それがいいわ」

部下「ええ、それがいいです」

レオーニ「なんか問題あるのかい」


キャパシティのことはまた考えるとして、他の店は見なくていいの?


リアナ「とりあえず、今度の里の飯屋の方はいい店だわ」

部下「ええ、とにかくあの前の大型店はダメです」

レオーニ「あれだけはだめだ。1日でも早く替えた方がいい」


どうやらあの店に恨み骨髄のようだ。


しかし簡単に言ってくれる。新しい店の主人に客席を多くしてもらうか何かしてもらわないといけない。


人だって今の人数じゃできないだろうから増やしてもらわないといけないだろう。


それでうちは毎日客を出すわけじゃないから、それを受けて入れてくれるかどうか疑問だ。



 それにいまツアーの責任者はアランだから、彼にも了解を取らないといけない。


もしかしてこの辺の有力者の紹介であの大食堂に決めていたりしたら、替えるにしても準備が必要だ。


そうでなくても頭ごなしに勝手に変えられたら面白くはないだろう。さいわいギフトが使えるので、今日の夜にでも聞いてみればよい。



 さらに言えば大型店との契約を止めることもしないといけない。商売の話を持ち込むのは向こうもこちらも気分がいいが、なしにするのはなかなか難しい。露骨に嫌がらせをされるもしれない。



 悩んでいると、リアナが聞いてくる。

リアナ「何か問題があるの?」

フェリス「そりゃキャパのことが一番ネックだよ」

リアナ「そうは言うけどね、あのダメな味の大型店に客を連れて行っていいのかというのが問題よ。うちの信用問題に関わるわ」

部下「何とかなりませんか? 僕も家族や友人にあんな店行かせたくありません」

レオーニ「うん、あんな食堂存在してはならない」


調理に携わっている人たちだけに基準が厳しいらしい。もっとも逆もありうるとは思う。ふつうの人が許せないと思うことをプロが仕方ないと思うことだ。


ただ今回の場合はそもそもうまくない上に横着が過ぎて、たまたま上手いことうちの契約があって食っているからこういうことになったのかもしれない。


フェリス「他にも店があるけど、そっちはいいの?」

そういうとあの里の飯屋は十分美味しいから、それはそれで契約すべきだと言う。


フェリス「それじゃあ、さっきの里の飯屋の主人に話を聞いてみるよ。ただアランとも話さないといけないからすぐには決められないけど」


とりあえずそう言うことにした。リアナにはギフトのホールのことを知らせているが、後の2人には知らせていない。


だいたいレオーニさんに知らせたら、国中食べ歩きするのにいいように使われそうな気がする。



 そこでさっきの店に戻って主人と話す。

主人「いらっしゃい。あ、何かお忘れ物でも」

フェリス「あ、私はクルーズンで商会を営んでいるシルヴェスタと申します。実は旅行ツアーをしていて、そのお客さんにこちらのお店で食べてもらいたいと思っています」

主人「ご予約があれば承りますよ」

フェリス「はあ、それが人数が問題なんです。30人くらい来ますので」

主人「30人? そりゃうちの店じゃちょっとお引き受けできません」

フェリス「何とかなりませんか。なんなら出資してもよいですし、どこか別の場所に来ていただく形でも結構です」

主人「いきなり出資というのもなかなか上手く行きませんが、出張でどこかに伺うことは事前にお話をいただければ対応します」


確かに出資と言っても借金だ。とつぜん言われても決断できないだろう。出張で外に来てくれるのはいい。ただこちらで場所をどこか確保しなければならない。


まさか例の親父の店を使うわけにもいくまい。そこでよくよく考えてみると宿という手はある。あそこなら宿泊者用の厨房もある。


宿自体では食事は出していないのでちょうどいいかもしれない。それにグランルスにたどり着いて、まず宿に荷物を置くことができたらずいぶん楽だ。

いちおう宿には断らないといけないが、なんとなくめどが立った。幸先がいいかもしれない。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ