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猫の世話人、冒険も商売も猫のためのチート能力で9時5時ホワイト勤務  作者: 猫の手下
4章 13歳~ 領主との争いとクルーズン事業の伸長
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領主のお墨付き

 冷蔵流通ルートを確立しつつあり、南部の港町マルポールから魚を取り寄せた。司教に引き続き、領主に提供している。


 フライを食べていると家宰が口をさしはさむ。

「そういえばレオーニ亭でシーフードが出ていると聞きましたな」


これは遅れて持ってきたことをなじっているのだろうか。


もしトップである伯爵が攻撃すると受けた側には負担が大きすぎるし、逆に相手から反撃を受けると困ることになる。


そのようなときにはこの手のことは下の者にさせる。どうも考えがうがち過ぎに見えるが、そういうことを面白がっていろいろ教えてくれる人がいるのだ。


別に司教と領主は表立って対立しているわけではないし、政策で反目し合っているわけでもない。ただ新しいものになるとなぜか子どものように争い始めるという。


「はい。ご領主様に出す前に悪くならないことを確認したり、調理法についても研究するため、レオーニ氏にお願いいたしました」

司教のときとほとんど同じような回答だ。たぶん失点はない。


「ふうむ。それで研究が終わってすぐに持ってきたのですかな」


家宰はまた踏み込んでくる。少し行き過ぎとは思う。ただ司教より後だったのがまずかったのかもしれない。


だいたい研究と言うのはいくらでもできるわけで、何が終わりともいえない。


あまり言いたくはなかったが、司教に提供したことはバレていそうなので、素直に話してしまう。


「先日、司教様にお召し上がりいただきました」


領主の目が少しだけ吊り上がった気もするが、すぐに平静を取り戻した。


「その順番はどのような理由で?」

また家宰が聞くが、いくらなんでも踏み込み過ぎだ。これが領主だったら危なかった。


何で新商品を紹介するくらいでこんなにひやひやしないといけないのだろう。


「いえいえ、お知らせしたのがご領主様の方が後ということは全くなかったのですが、ご領主様の方がお忙しかったのかお会いできるタイミングは後になってしまったようでして」


知らせたのは同時だ。こういう事態もあろうかと同時に知らせたのだ。だから後ということが全くないのというのは正しい。別に領主の方が先でもない。


情報が十分でないことは認める。ともかく後になったのは家宰か誰か知らないが、スケジュールを管理している者の責任だ。完全に墓穴を掘っている。


いちおう領主の方が忙しく、つまり暗に司教の方が暇だとフォローを入れておいた。


ただそう明示的に言ったわけではないから、この席のことが司教にばれても問題はない。


しかもここは同席者が少ない。ばれることもあるまい。ともかく向こうのターンとなる。


「ああ、なるほど。そう言うことですか」


ごまかしているが、これに懲りて余計な詮索はしないで欲しい。


とにかくそんなくだらないやり取りはこの辺にしたい。不穏な空気を感じ取っているのか子どもたちはお通夜みたいになっている。


「いかがでしょうか。フライについて一工夫しております」

「うん、なかなかいいな。出先でもあまり見たことのない味だ。うちの地方の名物になるのではないか?」

「冷蔵流通はこういう可能性が開けます」

「うむ。楽しみだ。ところでその方だけが交易をするのか?」

「すでに青果商のブリュール氏と合弁を始めております。まだ氷魔法使いが少ないのでしばらくは私の関連が多くなるでしょうが、いずれもっと広い商人に使ってもらうつもりです」

「そうするとますます商品の幅が広がるな」


話しがまともな方に軌道修正された。しばらく話していると今度はメインのムニエルが出る。


「これはまた淡白な魚にバターの味が良いな」

「はい、これも南からの魚と北からのバターでございます」


他の同席者も喜んで食べている。



 後はまたパンとデザートとお茶となる。デザートはまた乳製品をゼリー状にして果物を添えて出す。


子どもは慣れないものはあまり好まないが、これにはかなり歓喜している。


「子どもも喜んでいる。かたじけないな」

「お喜びいただいて幸いです。こちらは北からの乳製品に東からの果物を加えて作っております。まさにこの土地でのデザートです」

「いや実に堪能した。本領の特性を生かした料理だった。貴君のますますの事業の発展を祈念したい。何か面倒があれば政庁まで申し出よ」

「ありがとうございます。願ってもいないお言葉でございます」


クラープ町の方で子爵の方がまたおかしな動きをしているらしい。こちらは最低でも中立、できれば味方してほしいところだ。


さらに領主はシルヴェスタ商会の冷蔵流通の発展を望む旨の書付をくれて、また商業ギルドにもその旨を伝えてくれるという。これで今後はいろいろと話が進めやすくなる。


紆余曲折あってつらかったが会見は成功だったと思う。



 家に帰りどっと疲れる。ところで今日は神がいなかったらしい。あんな暇神ひまじんで猫の付属物でぬれ落ち葉でも何か用事があったのだろうか。


ともかくそうするとクロの方は手持無沙汰だったようだ。ふだんは神相手にうっとうしそうにしているが、いないといないで物足りないらしい。


エサは十分にあるようだが、こちらにやたらと甘えてくる。頭をぐいぐいと押し付けてくるのだ。


そう言えば神が状態異常無効だから何を食べさせてもいいと言っていた。乳製品はちょっと不安もあったが、チーズを上げてみる。


すると喜んで食べていた。しかもどうももっとよこせという。俺も食べていたので、家にあった分はなくなってしまった。


別に食べ物は足りているし、嗜好品はもうちょっと欲しいくらいがちょうどいいかと思う。神がいれば山ほど増やしたような気もするけれど。


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