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猫の世話人、冒険も商売も猫のためのチート能力で9時5時ホワイト勤務  作者: 猫の手下
4章 13歳~ 領主との争いとクルーズン事業の伸長
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まだ議論は続く

 冷蔵流通ルートの確立のために、各地の魔法学校や魔法塾との契約を進めることになった。理由はそれが冷蔵流通ルートの確保につながるからだ。


なお学校と塾の区別はあいまいだ。だいたい領ごとに制度が違うのだから、制度の裏付けで区別するのも難しい。


概して専任教員が多数いて組織ができているのが学校で、専任教員がせいぜい2~3人くらいだったりすると塾というらしい。


大きな都市だと学校があり、小さい町だと塾くらいしかない。学校ももともと塾だったのが大きくなったのかもしれない。




 魔法学校や魔法塾と契約すると言っても、それだけだと微妙なところがある。リアナから聞かれる。

「魔法学校と契約するのはいいんだけど、うちで生徒を送らないといけないんだよね。それってできるの?」



実はそうだ。契約してうちだけ使えるようになる代わりに、学校側はうちから準備金がもらえるし、さらに生徒もあてがってもらえる利点がある。


だからある意味で独占の契約に応じてくれる。ただうちも生徒を送らないといけない。


「地理的な問題があるんだよな」

「地理的な問題ってどういうこと?」

「例えばさ、もし氷魔法使いになるとしてレーヌの学校に行きたい?」

「引っ越さないといけないとするとちょっとつらいな」

「でも半年くらいだろ。商会で下宿代出してくれるなら行くぞ」

「家族のこともあるから、クルーズンまでならともかく、そこから先はつらいなあ」


「そう。そんな感じで離れられない人も多い。下宿代出すとうちの負担も大きくなる。だからできればレーヌの人に生徒になってもらいたい」

「そうするとレーヌで人集めないといけないな」

「え? その人は卒業したらどこで働くの?」

そう言う問題がいろいろ出てくる。


「たぶん似たような理由でレーヌで働いてもらうのが一番いいんだろうね」

「向こうに人を置くとなると、じゃあ、あっちに支店を作るの?」

「けっこう大事だぞ」

「向こうにも幹部を置かないといけない」


「いやレーヌには氷魔法使いはいてもらわないといけないんだよ。だって向こうと冷蔵流通するんだから。ただ支店を置くかどうかは別。向こうの協力先の商会においてもらってもいいから」

「そりゃそうか。向こうから送ってもらうのに氷魔法使いは必要だし、こっちから送ったときだって売るまでに必要だもんな」

「なるほどな。いろいろ考えているんだ」


「それでレーヌはいいんだけど、これからクルーズン回りの各地の魔法学校と契約するだろ。

そうしたらやっぱり卒業生に働いてもらうのにその都市や町と交易しないとうまくないかもしれない」

「確かにそうなるかもしれないな」

「なんか人がいるから交易するって話が逆っぽいな」

「でも俺たちもクラープ町からクルーズン市に出てきているよな」

「そうだな。だったら卒業生にも出てきてもらえばいいんじゃないの?」



 確かにその通りだ。クラープ町の場合は領主がダメというのもあるが、それより大きい社会の流れとして、都市に人が流入する傾向がある。


たぶん小さな町だと食える仕事がないのだろう。だから小さな町なら都市で働いてもらう条件での募集もできそうだ。


ただそれなりに大きい都市だと別の都市で働くとの条件で募集しても人が来ないかもしれない。

それに小さい町だったとしてもできれば近くで働けるようにした方が、多くの場合は本人にとっても商会にとっても幸せだ。


「出てきてもらうのはありうるんだけど、出たい事情があればいいけど、そうでないと人が集まらないよ」

「なるほど」

「じゃあどうするんだ?」


「冷蔵流通は需要があるってみんな言ったよね」

「それはみんなあれは欲しがるよ」

「どこに持って行っても流行るだろうな」

「絶対にうけます」


実はまだみんな冷蔵流通の真髄を知らないと思う。前世を知っていると、あれはあるといいものではなくて本当になくてはならないものになる。


「だからそういう都市や町とも交易する」

「そうしたらものすごく広がりそうね」

「だけどそんなに追いつくのか?」

「ものすごく大変そう」


「いろいろ問題はあると思う。まず冷蔵流通ルートができてもうちだけで使わなくてもいいんだ。今回だってブリュールさんと合弁だもの。よその業者に使ってもらってもいい。もちろん使用料は取るけれど」

「なるほどね。全部抱え込まなくてもいいのね」

「うちだけでそんなに商売できないもんな」

「他にどんな問題があるんだ?」


「それから流通量に対して氷魔法使いが多くなりすぎたり、逆に足りなかったりになるかもしれない」

「たしかにそうね」

「どう対応するの?」


「多すぎるときは育てるのをやめてもらう手はあるけれど、でも学校の方も困るかもしれない。そうすると学校で育ててよその商会に行ってしまうかもしれない」

「そりゃまずいね、どうするの?」


「本当にそのルートで余るようになったら、学校にも養成をやめてもらうしかないよね。

たぶん続けてもよその商会でも就職できなくなるだろうし、そうしたらよそで就職してもいい生徒しか来なくなる」

「じゃあそのルートで必要なところまで養成するということか」

「そうなりそう」


「もう一方の氷魔法使いが足りない方はどうなの?」

「そっちは別の地域の氷魔法使いに手当を出してしばらくいてもらうしかないかな」

「本当にいろいろ考えているのね」


なんか相談ばかりしていたが、結局流通ルートを作らないといけないこともなんとなくわかってきたと思う。


あとは作ってもらったリストに従って四方八方の魔法学校や魔法塾と交渉するまでだ。


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