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猫の世話人、冒険も商売も猫のためのチート能力で9時5時ホワイト勤務  作者: 猫の手下
4章 13歳~ 領主との争いとクルーズン事業の伸長
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商業ギルドで冷蔵庫のお披露目

 冷蔵庫を発明して、特許の申請をした。また司教と領主には献上した。そちらで何か面倒なことがあったようだが、こちらには関係ない。


 特許を頼んでいた代言人からは無事に審査に通った旨の連絡を受けた。安くはないが登録料を払う。



 商会の内部で使うために木工職人と契約して数十台は作ることにする。保存はもちろん流通などに使うことにする。


それからもうすでに氷魔法使いの養成を始めているが、そのペースを速めることにする。こちらも需要がなければ商会が被ることになる。




 後は主だった有力者に知らせる必要がある。個別にお披露目に行くのも面倒だ。どこかに集まってもらって一斉にお披露目した方がいいと思う。


だいたいまたどっちに先に見せたなんてことで非難されると面倒だ。


だがうちの社屋はやや南寄り過ぎて皆が集まるには不便だし、多くの人が集まれる広い場所と言うと殺風景な倉庫しかない。


クラープ町では広い場所を使うために教会を借りたが、このクルーズンであの司教に「借り」を作るのも面倒そうだ。


そうすると商業ギルドでホールを借りるのが一番いいのだ。しかも商業ギルド関係が一番見せるべき相手が多い。


いずれは調理人ギルドや木工ギルドでも紹介することになろうが、とりあえずは売る方だ。




 特許を取っていて、使用料を払えば作れることも宣伝する。


かってに作られても困るからだ。ただ個人レベルでかってに作られてもこちらまではわからない気もする。


そうは言ってもその程度なら大した被害もない。ただ販売する規模となるとやはり押さえないといけない。


その辺は特許制度の運用に期待するしかない。とは言えギルドはメンバーの中も規制し、またその外に対しても徒党を組んで対抗する組織なので、可能な気もする。




 お披露目の相手としてはうちの取引先には一応連絡しておく。もちろんレストランのレオーニ氏や青果商のブリュール氏も含む。


後はギルドマスターが適当に知らせてくれるという。そう言う面倒を考えないで済むのはいい。



 いよいよお披露目会当日となる。もちろん清掃しないといけない。人が集まり始める。顔を知らない人も来て、商業ギルドの人の紹介であいさつをする。


会がはじまり、初めにギルドマスターが開会の言葉を述べてくれる。それからこちらの説明に入る。


「この度はお集まりいただきありがとうございます。本題を述べると食べ物の保存について新たな発明をしました。


食べ物を冷やすことで、食品を保存したり、飲食時の感覚を変える装置です。食品の流通や加工に大きな変革をもたらすものと自負しております。本日はぜひ、この新たな発明をご覧になってください」


そうは言っても箱を見せているだけでは集まった人々も退屈だろう。もちろん肉とジュースを提供する。


「見るだけではその真価がつかめないと存じます。実際にどのように保存できたか、ご堪能いただければと思います。

こちらに用意した肉はこの形ですでに3日が経過したものです。またこちらはたんにオレンジを絞っただけのジュースとレモン水になります」


「あんな形で3日たった肉など食べられないぞ」

「オレンジジュースなどとは変わり映えのしないものですな」

そんな声がちらほらと聴かれる。


「それでは肉について十分近くでお確かめください」

そう言って確認を促す。


「あれ? 悪くなっていないんじゃないか?」

「さすがにそんなことないだろ?」


「それでは次に同じく3日たった肉を焼いて皆様に提供いたします」


そう言って配ると、みな様子を確かめているが、中には意を決したように食べ始める者も出てきた。

「特に問題なさそうですね」


そういう声が上がるが、やはり躊躇している者も多い。


「皆さま、食品は冷やしたまま置いておくと長く保存できることはよくご存じかと思います。この装置はその現象を応用しております。

こちらの肉については当商会内ですでに何度も試食して問題ないことを確かめております。また司教様とご領主様にもすでにご試食いただいております」

そう言うと声が上がる。なお順番は単に試食してもらった順番だ。どちらが先かあとで何か言われたときの言い訳も考えている。

さすがに司教や領主が食べたものならと、ほとんどのものが口にし始めた。


「特に問題ないようですな」

「ええ、新しい肉と同じです」

「なるほど、この箱を使うと長持ちするわけですか」

「なかなか便利そうですな」


わりと好評なようだ。ただ何か驚くというほどでもない。もう一つの食べ物や飲み物の味を良くする方も披露することにする。


「さて冷やすのは食べ物を長持ちさせるだけではありません。食べ物や飲みものの味もよくなることがあります。こちらをお試しください」

そう言って切った果物とオレンジジュースを配る。残念ながらガラスのカップがそこまでないため、木のカップを使うが、中身は冷たい。


「おおっ、これは素晴らしい」

「これは体験したことのない味だ」

「こういうものは冷やすのがいいんですな」


けっこう評判よさそうだ。満足していると話しかけられる。


「さっそくだが、それはいくらいだい?」

まだ売る準備はできてはないが、やはりあの人が食いついてきた。

初めに書いたものから少しだけ変えました。話がややこしくなってわからなくなりそうだったからです。

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