表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/595

1. 神との交渉と転生(上)

 初めての投稿です。みなさまよろしくお願いします。


---------------------------------------------------------------


 いま異世界の神の目の前にいる。転生するとのことで、チート能力をねだるのだが、神は出し渋る。


神は猫の世話をするようにいうので、猫の世話をするために、どこにいても猫ところにすぐに移動できる能力を要求する。


これで冒険も商売も人よりずっとうまくいくだろう。2度目の人生が楽しみになる。




 話は少し時間が戻る。

「あっ」という間だった。お約束のように車にはねられてしまった。

交通事故にあいかけた猫を助けようとして一緒に死んでしまったのだ。


かわいがっていた黒と白のはち割れで鼻の黒い地域猫が道路を歩くのが前々から不安だった。猫の名は「クロ」。

背中と足は黒くおなかは白いメス猫で、少し短足でずんぐりしている。ちょいぶさだけれども、そこがなんともかわいい。




 案の定だが、あるとき猫が道を歩いていると、こんな狭い道なのに飛ばしている車が迫ってくる。

しかも運転手はスマホに気がいっている。あれを使うべきでないときに使うのは酒や薬物と同じく依存だ。ペナルティを課すべきだが、依存に適したものにするべきだ。


それはともかくとして、俺はとっさに助けに入った。問題なく助けられるものと思っていたが、こちらも連日の過労で感覚がくるっていた。

車が迫ってくる。しまったと思いつつ、目の前が真っ白になる。




 加藤大樹42歳独身、ブラック中小システム会社勤務。毎日7時には会社に到着し、帰りはいつも終電だ。

無能な経営者と無能な管理職が思い付きで方針を決めている。おかしいと言ってもないことにされる。少し気の利いた者はすぐに他社に移ってしまう。


疲労と希望のなさで先のことは全く考えられない。よくこんな会社が生き残っているものだと思う。ただ大した稼ぎでもないが、家族もなければ食うには困らない。


かわいがっている野良猫に餌をやったり、去勢・避妊してやることも何度かあった。最近は自治体も補助を出してくれるし、愛護団体も助けてくれる。




 気づくと何かよくわからない空間にいる。そして白いローブを着て長いひげを生やした妙に威厳のある老人が話しかけてくる。(この形は俺に分かりやすいように作っただけだそうだ)


ところで、この老人はこちらに向くのではなく、猫のクロの方に向いて何とかして触ろうとし、クロはその手を引っ掻こうとしている。


「気づいたか? わしは、その方がいた地球のある世界とは別の世界の神じゃ」

「異世界に来たということですか?」

「そうじゃ、正確に言えば地球のある世界も、この世界も大きな大世界の中に多数ある小世界なんじゃ」


神の話を長々と聞く。大世界の中では物理法則は共通のようだが、物理定数がずいぶん違うようだ。しかも地球では知られていない物理ももちろんある。


「それはともかくとして、お主と一緒にいる猫じゃが、それは貴重なものじゃ」

「へえ、猫なら地球にはいくらでもいますが」

「うむ。多くの小世界の神が欲しがっているが、猫は地球にしかおらず、地球のある世界の神はかなり吹っ掛けて売りつけてくるのじゃ」

「へえ、そんなに高いのですか?」

「まあ神の足元を見ているとしか思えん」

「でもそれならとりあえず雄雌で買って、繁殖させればいいのではないですか?」

「それが奴の巧妙なところじゃ。初めから繁殖や複製ができないように処理されておる」


コピーコントロールのようなものか。あるいは作物のF1品種とか。老人は相変わらずクロに手をだしながら、話を続ける。


「そこでじゃ。今回たまたま、偶然で処理されていない猫が手に入ったのじゃ。本来なら生き物は死ぬと大世界のある場所に猛スピードで転移するのでとても捕まらない。

ところが今回はお主の魂と猫の魂が絡み合ってたまたまここに引っかかったのじゃ」


神はクロを触りたいがクロが嫌がるので触れない。そこで慣れている俺がクロを持ち上げて神に近づける。だがクロは知らない人? には近づきたくないようでじたばたしている。

神は少し落ち込んでいる。まあたいていの猫は慣れないと触らせてくれないからな。




「それで、俺はこれから何をすればいいんです?」

「わしの世界のどこかに生まれ変わって、その猫を育ててほしいんじゃ」

「なんか俺は猫のおまけみたいですね」

「うむ、その通りじゃ」


この神は神として扱うべきなのだろうか?


「神様自身が育てればいいじゃないですか?」

「それがな、この空間は精神体だけが存在できるもので、猫にとってはひどく退屈なものじゃ。複製や繁殖のための操作もできない。

わしは他の仕事もあるので、この空間をそうそう離れられないのじゃ」


後からこの空間を完全に離れられないわけでもないことがわかったが、確かにここにある程度はいないといけないようだった。


「この猫は避妊してあるのですが」

「そんなのは簡単な手術で復活させるのはたやすい」


地球世界の神が繁殖できないようにした処理はもっとはるかに込み入っているという。しかもそれのせいで猫の性格まで変わってしまっているということだ。


神々は本当の猫を楽しめていないという。やはりかつてのコピーコントロールのようだ。


「でも、繁殖できるようになったら、地球のある世界は対価をもらえなくなって困るのでは?」

「どうせあいつは、受け取った対価などネクタルに費やしてしまっている。なくなった方が健康に良い」


ネクタルというのは酒のようなものらしく、ほどほどならさほど問題ないが、量が過ぎるとやはり問題が多いらしい。要するに飲んだくれだ。


目の前にいる猫オタと言い、神なんて言うのはこんなのばかりか。



----------------------------------------------------------------


この後にもう1つ投稿します(まだシステムの使い方がよくわかってない)。


もし少しでも面白そうと思われたら、評価やブックマークをお願いします。励みになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ