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4.陛下への報告

「何でもない…。さぁ、報告に行こうか。お手をどうぞ?」


「ありがとう。」


馬車から降りる時にジョーゼル様に手を貸してもらって降りる。

こんな風に令嬢として当たり前のエスコートをされるのも初めてのことだった。


王宮の中に入るとまっすぐに進んで謁見室へと向かう。

いつもいるはずの近衛騎士すら私たちが見えない場所にいるらしい。

誰一人会うことなく謁見室へとたどり着いた。

謁見室の扉を開けて中に入ると、もうすでに陛下とお父様が待っていた。



「アンジェ…報告しに来るって本当だったのか。」


「お父様…はい。」


驚いているお父様に返事をし、陛下を見ると固まってしまっている。

あら…陛下?


「陛下、大丈夫ですか?アンジェが報告に参りました。

 おーい、陛下~。聞こえてますか?」


固まっている陛下に気が付いたお父様が必死に呼びかけると、

ようやく正気に戻ってくれた。


「あ、ああ。すまん。

 まさか運命の相手がジョーゼルだとは思わなくて…。

 だが、そうか。」


「気持ちはわかりますが…しっかりしてください。

 まずは二人から話を聞かないといけませんよ。」


「あぁ、そうだな。」


あきらかに顔色が悪くいつもとは様子が違う陛下に、

運命の相手がジョーゼル様だと何か悪いのか聞きたくなるが、

挨拶すらしていないのに話しかけるわけにはいかない。

陛下から声がかからないことに気が付いたお父様が許可をとる。


「陛下、二人に挨拶させても?」


「ああ。」


ようやく許可が下りて、ジョーゼル様、私の順で陛下へと挨拶をする。

それが終わる頃になると陛下の顔色は少し戻っていた。


「それでは、本当に運命の相手なのか見せてくれないか?」


そう言われ確認のためにジョーゼル様と向かい合って手をつなぐ。

片手で良かったのに、どちらの手を出したらいいのかわからなくて困っていたら、

ジョーゼル様に両手をきゅっと握られる。

やはり弾くことなくジョーゼル様にふれることができている。


「痛くないのか?」


近くで見ていたお父様がジョーゼル様に確認する。

弾かれているかどうかは他からはわかりにくい。

痛むかどうかで判断するしかないようだ。


「まったく痛くありません。

 アンジェ様の手が可愛くて…握りつぶさないように気を付けていますけど。」


「そんなに脆くないので大丈夫です…。」


握りつぶされるのは嫌だけど、私の手はそこまで脆くはないはず。

でも、そうなんだ。

きゅっと握られているけれど、これでも力を入れないようにしているんだ。

小柄な私とだと体格差があるものね。

そう思ってジョーゼル様を見上げたら微笑み返された。



「陛下、これはもう決定ですよね…。」


「ああ、そのようだな。

 ジョーゼル、一応聞くが、今の婚約者は白紙にしていいな?」


あぁ、そうだった!ジョーゼル様は婚約者がいたんだった。

どうしてそのことに気が付かなかったんだろう。

こうなってしまった以上、今の婚約は白紙になってしまう…きっと恨まれるわよね。


「ええ。白紙にしてください。」


あれ…ジョーゼル様は迷いなく言ってる。

そんなにあっさり婚約を白紙にしていいものなんだろうか。

それに…ここには侯爵もいないのに、ジョーゼル様が決めていいの?

だけど、慌てているのは私だけで、陛下もお父様も平然と話を進めている。


「はぁぁ。すまんな。王命で婚約させたのにこんな結果になってしまって。

 ジョーゼルが向こうに拒絶されていたのは知っていた。

 このままなら、アンジェのことが無くても白紙にする予定だった。」


「そうでしたか…こちらこそ、王命で婚約の話をいただいたのに、

 このような結果となり申し訳ありません。」


「いや、いい。ジョーゼルが歩み寄ろうとしていたのは知っている。

 向こうは…少し甘やかしすぎたようだな。

 よし、今すぐにナイゲラ公爵とミリアを呼べ。」


「はっ。」


「ジョーゼルとアンジェは応接室の方で待っていてくれ。

 こういうのは早いうちにはっきりさせたほうがいい。」


「わかりました。」

「失礼いたします。」

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