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秋の断章④-4
その日の夜、俺は深夜まで脚本を書き続けていた。
絶えずシャーペンを動かし、ようやく最後の「了」という文字まで書き上げた時には、すでに深夜の三時を回っていた。
俺が書き上げた、俺たちだけの『ロミオとジュリエット』。
大きな溜息を吐いて、消しゴムの滓だらけのノートを見下ろす。
これでようやく肩の荷が降りた気がした。
俺はこれから、自らの命を断つ。
もはや一時の余裕もない。
神さまにあれだけの大見得を切っておきながら、短絡的に俺は死ぬ。
燎火を救うには、その他に方法がなかった。
他のしがらみなど、何も考えられなかった。
彼女の命以外、何も見えてはいなかった。
きっとその時、俺は少し頭がおかしくなっていたのだろう。
考えた脚本の内容は、まさに俺の祈りを体現したものだった。
俺が消えても、彼らが悲しんでくれないように。
それだけを考えて、俺はこの物語を自分のいない世界に捧げようと思う。




