40/101
夏の断章④-1
それから俺たちは、昼休みは中庭で一緒に弁当を食べ、放課後は時たま一緒に下校をする仲になった。
ぼんやりと怖さを感じるほど、俺たちの仲は急激に縮まった。
それは事実だ。
しかし、一緒にいる間に彼女は何も話そうとしなかった。
俺がありとあらゆる話題を持ち出しても、彼女は冷たい視線でこちらを見やって、二の句で会話を打ち切った。
確かに状況は進展しているのだろうが、いまいち実感が湧かないのが実情だった。
それも無理からぬ話ではない。
変な気を起こさないように、彼女は仕方なく友人の振りをしているだけだ。
俺が脅して、彼女を意のままに服従させている。
そう表現しても言い過ぎではないのだろう。
子どもじみた感傷だということは、分かっている。
だがそれ以上を望むのなら、俺は彼女に笑って欲しかった。
かつてあの冷たい病室で見せたように、俺に向かってもう一度微笑んで欲しかった。
望みはそれだけだった。




