ヤンデレ妹とメンヘラ妹に囲まれる 生活は正直に言って辛い
兄妹の物語と言うには、あまりにも残酷で
兄妹の物語と言うには、あまりにも重くて
そんな錘を俺は背負いながらこの生活を生き抜いて
行かないと、助けてとも何にもいえない、
そう…… 誰もが兄妹は美しいと言うのだろう
こんな兄妹でも美しいですか?愛してくれますか?
皆様はヤンデレとメンヘラの大雑把な違いについて
ご存知だろうか?
ヤンデレは相手に尽くし、メンヘラは自己中心的であり、
そんな二人の妹様に囲まれると言う生活は正直に言って
辛い部分がありまくる。
風が冷たい季節、季節は冬に変わろうとしている
そして、そんな木枯らし1号が吹き荒れる中、
俺の妹達は炬燵の中に足を伸ばして楽な姿勢を取って
いた、そして妹の咲が俺に喋りかけてきた。
「お兄ちゃん台所にある蜜柑取ってきてよ」
台所は今、俺たちがいるこのリビングからもう一つの
部屋を挟んで右側に台所がある、俺達兄妹が住んでる
部屋は5LDKの30階建てのマンションの最上階に住んでいる。
「寒いから嫌だよ」
と、咲の対面にいる蓉が俺に包丁を向けて来て
「いいから早く取りに行けよお兄ちゃん」
目が怖い…… 凶々しい、狂気を感じてしまう、
そんな目に怯えて俺は蜜柑を取りに行った
トホホと言った感じです。
暗がりの部屋を渡りながら、俺は少し安心した表情を
浮かべた、そう、この感じ、こんな感じでいいんだ
包丁は少々嫌やばいけど普段と比べたら幾分とマシ。
「お兄ちゃん遅いね」
「まだ2分も経ってないよ咲」
「ねぇ、もしお兄ちゃんが私達を置いて
出て行ったらどうする?」
「え、だってそんな事…… 」
そして、俺は台所にある蜜柑を取って、妹達が居る
炬燵の部屋に戻ると二人の妹達が目に涙を浮かべて
俺を見ていた。
美少女の涙には弱いって言いたいけど、それは他人
だから言える事、妹達が周りからは容姿端麗や眉目秀麗
やらと言われてはいるが…… 俺には全くって言っていい
程、微塵たりとも感じたりはしない。
「え……このパターンまさか!!?」
と、言ったその時、咲が俺のポケットに入っている
スマホを取り、そして目は笑ってなど居なくて
至って真面目な表情と言うべきか狂気のような顔を
していた。
「ねぇ?この人誰?」
咲は俺のスマホ画面を見せて来た、そこには俺が働いて
いるコンビニの先輩とのメッセージ画面を
「バイト先の先輩だよ…… 」
そうすると、蓉が咲から更に俺のスマホを取り
色々な場所をタップし、その指はまさにピアノを奏でて
いるようなラ・カンパネラのような速さで。
「おいおいマジかよ、もう好きにしろ」
俺は気が済むまで妹達にスマホを触らせていた、
そして、蓉は何やら一冊のノートを取り出し
何かにチェックをしていた、そしてノートをよく見て
みるとそこには浮気チェッカーと書いた物があり
妹は俺のスマホのメッセージやら何やらを細かく分析
して該当があればそれを削除しようとしていた。
「…… 」
梨沙さん…… すいません、多分また連絡先を消されます
これで何回目なのだろうか、本当に数えられないくらいに
やっていると言う事か。
蓉はスマホを俺に渡した、そして
「お兄ちゃん二件該当がありました」
「何の事でしょう」
最初はこの該当ってのがよくわからなかったけど
ノートを見てそう言う事かってなった。
「まず一つ目、何故アラームの時間を1時間
前倒しにしたのですか?先一昨日までは6時だったのに
何故今は5時になっているのですかお兄ちゃん?」
そして、俺が喋ろうとしたその時咲が被せるように
「1時間前倒しにした理由、気になる女性が出来て
その人と通勤したいが為に…… あ、あの梨沙って人
かも」
咲の野郎…… 蓉に容赦なく妄想100%全開で語る
このパターンは何度も何度もある。
「やはりそうですか…… この梨沙って人お兄ちゃんが
好きな人でしたか」
ねぇ、お前達は俺の彼女なの?
だって、普通の兄妹ならそう普通なら応援するか
興味ないと言って遠ざけるのが至極当然であり
それが本来の兄妹と言う物なのでは。
「蓉削除して!」
だが俺の妹って言う奴は俺に降り掛かる幸運も恋愛運
も何もかも紙屑のようにグチャグチャに丸め込んで
捨てる。
「はぁ…… 勘弁しろよ、お前らこれで何回目だと
思ってんだよ、毎回毎回連絡先削除されて、毎回梨沙さん
に何回私の連絡先削除するんですかって怒鳴られるんだから
マジでお前ら本当に……ッ」
と、説教を一発してやろうかと思ったその時、
蓉と咲が息を揃えて
「「黙れ」」
誰か……この二人にまともな妹ってやつを教えて
あげてくれ、お願いだから、じゃないと俺精神的に
多分持たない……。
蓉がまた喋りかけてきた、
「まだもう一件ありますよ…… 」
「何……もう…… 」
そしたら、蓉は不機嫌なまま
「何故ツッターのアカウントを消したのですか?」
「いや、それはその」
そしたら咲が
「あ…… お兄ちゃん優里って誰?」
え……何で知っているの?
あれ、え?
「ツッターの過去ログを調べるくらい簡単だよ
お兄ちゃん」
咲はパソコンに詳しいのだ。
「あ…そうですか」
そして、二人の妹は
「で、誰なの?」
「ねぇ誰なのお兄ちゃん?」
次投稿するのは、11/23日予定です、
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