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87日目「未来」を此の手で

87日目「未来」を此の手で

‥‥そろそろ、良い時間かな‥‥。


何でこんなに楽しい時間って言うのはあっという間に過ぎ去って行くんだろうな…。



この冒険の旅も、、今となっては何もかもが懐かしくてさ…一瞬の出来事のように感じてるんだ。


悩んだ事だってあったけどさ…でも、それ以上に楽しかった思い出の方が強く心に残ってるんだよ。



あの時、リボ払いをしてまで買った防具や剣と出会った事。


あの時、洞窟で初めてフィアちゃんと出会った事。


あの時、ドラゴンの肉を初めて食べた事。


あの時、建物をぶっ壊してフィアちゃんの手を握った事。


あの時、熱を出してフィアちゃんに看病して貰った事。


あの時、エルフ長が仲間になってくれた事。


あの時、、世界の壁を越えた事。


あの時、スイカちゃんが仲間になってくれた事。



そして


今この時、湖を泳いだり…肉を焼いたりして遊びまくってさ…。


大切な仲間達と、大好きな恋人と共に笑い合って…また、一つの楽しい時間を、記憶を、記録を紡いでいるんだ。


これも一瞬で過ぎ去る出来事かもしれない…


いつかは忘れてしまうかもしれない…


でも、、俺は思うんだ。



今、この時が幸せなら良いんじゃないかって。



もう変えられない過去や、何が起こるか分からない未来を考えて絶望するくらいなら…今を、全力で楽しんだ者が勝ちなんじゃないかって…そう思うんだ。


そうして…また新たな日記が書き記されていく。


この世には古から伝わる本、冒険譚や、英雄譚がありふれている。


全てが御伽噺みたいで、、幸福な話も不幸な話も…どれだって心を動かされる物ばかりなんだ。



でも、俺達は生きている。



物語の主人公のように一貫した心なんて物は無いし、、その時の感情や状況次第では何が起きるかすら分からない…それが俺達『人間』の宿命だ。


この世界は全ての人間が主人公で、誰かの脇役なんかでもNPCでも無い。


綺麗事かもしれないけど…俺は、、どれだけ苦しくても辛くても…生きて、生きて、必死に生きている人を笑ったりなんてしたくない…いや、できない。


だからせめて、、今を生きる事を辞めないで欲しい。


ご飯を食べて、寝て、起きて…また食べて‥‥寝て、、そんな生活でも良い。


完璧な生活なんてしなくても良い、嫌な事から目を背けたって良い。


生きているだけで良いんだ。


それ以上は何も望まない。


救いが無くても、孤独でも、俺は…




これを読んでくれている君を愛するよ。




そう、君を。




恋人としては難しいだろうけどね。


そして…今を少しづつ楽しんでいこう…!


小さな小さな幸福をズンズン積み重ねていこうぜッ。



あれ?これだと、望んでる事になるのか…?


あ~…まぁ、生きる条件の次って事で!!!





俺だって もっと‥‥。




‥‥。





そこの君。


もし楽しかった記憶を忘れてしまいそうになった時は…俺みたいに、日記のように書き残してみてくれ。


どれだけ落ち込んだとしても、日記を読み返すだけでも自然と楽しい気分になれるんだぜ?


一瞬で過ぎ去ってしまうような面白かった事とか、忘れられない大切な事とか、何だって良い。




笑ったり、泣いたりして紡いだ記憶は何だって≪ 想い出 ≫に変わっていくものなんだから。




あとさ…この日記は、後世に語り継がれていって欲しいんだ。


あの時俺がどんな思いで冒険していたのか、戦っていたのか、楽しんでいたのか、、ずっとずっっと…残して欲しいんだ。


そうすれば…勇者 エレ・アルタイルの英雄譚は、この世界で生き続ける。



そして、誰かの未来を作る手助けになれば嬉しいなぁ…なんてな。



もし未来でこれを読んでいる人が居るなら…もう俺が、どんな未来を辿るのかすぐにわかってしまうんだろうなぁ…。


俺はまさにこれから、未来を作って行く事になるんだよな…どうか、、良い方向に歩いていけますように…!!!!



さて…じゃあ、自分が願う良い「未来」を此の手で作る為に、、一発、決めてこようか!!!


このまま関係をズルズル引き延ばしてたら、きっと俺は後悔するだろうし…引きずってしまうからな。



もう、この気持ちにも決着を付けよう。



覚悟はできてる。



やるぞ…男 エレ・アルタイル






行ってくる。





貴方の積み重ねた日記も


やがて≪ 英雄譚 ≫として誰かの命の中で生き続ける。



その時、貴方の存在も≪ 勇者のように ≫語り継がれていく。



さぁ

「未来」を此の手で

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