81日目「おかえり」
81日目「おかえり」
始めまして。
私、瑞乃翠花って言います。
この日記を読んでみたんだけど、、みんな此処とは違う世界で色んな冒険をしているんだね~。
一つの冒険小説を読んでいるようだけど、、此処に書かれている事全てが絵空事じゃないんだもん…そんなの、ウキウキしちゃうよ~!!
特にこの勇者さんとか推せるなぁ~!!!
多くの悪人の基地に剣一つで乗り込んだり、一国のお姫様だって助けているんだよ!?
しかも…魔王を倒すって言う、まさに勇者っぽい使命も与えられちゃってさ?
も~…かっこよすぎるよ…。
勇者さんが必死にフィアさんを説得してる~可愛いなぁ。
エルフさんも、それ見て爆笑してるのが凄く和むなぁ。
…3人とも楽しそう。
そっか…もう君は、既に幸せを掴んでいるんだね。
嬉しい筈なのに…ちょっぴり寂しいような感情になっちゃうよ…。
フィアさん、貴方の彼氏さんを借りちゃってごめんね…?
でも…勇者さんの隣を歩いてみて気付いたよ。
今の彼の隣が一番似合うのは…フィアさんだって事にね。
もう、私が彼と隣り合って歩ける余地なんて何処にも無いんだなぁて…。
勿論悔しいし、、今も、これからも、フィアさんに嫉妬してしまうかもしれないよ。
でも…気づいたんだ。
今の君の顔が、声が、仕草が、一番輝いて見えるんだってね。
私といた時とじゃ大違いだよ…まったく…。
はぁ…でも仕方ないよね。
きっとこれは…神様からの罰なんだ。
彼の手を掴めなかった、私への制裁なんだ。
それでも…会えて良かった。
無事で良かった。
幸せそうで、良かった。
でも姿や形は変わっていても、私には君の事お見通しなんだよ?
優しいままの…何も変わってない君を見れて良かった。
おかえり。
大好きだったよ
焔くん。
むかし、むかし
度重なる片思いを胸に秘めながら生きる、一人の少女がいました。
無意識で彼の事を目で追っては、無意識で彼の後を付ける…
そんな純情な恋心が、彼女を支配していました。
しかし、しかし
度重なる片思いを胸に秘めていながら、自ら彼の声に応じる事はできず…
彼からの手なら喜んで取り、一人偽り無い笑みを浮かべる彼女は
いつしか、最愛の人を亡くす事になりました。
それから
彼女は、彼の命日となった日に
彼の≪ 制服 ≫を着て
命を絶ったとされる場に赴き、祈りを捧げるのです
「彼に会いたい」
「彼に謝りたい」
「彼と、ちゃんとお別れをしたい」
と。
だが、彼女が抱える罪の意識は
時が経つにつれ、抱えきるにはあまりにも重い膨大な罪悪感に囚われ
自身の心を、身体を傷つける痛みへと成り果てました。
挙句
自我を保つ為に【鎮静薬】を密かに手にするようになり…
彼女は≪ 崩壊 ≫を遂げました。
だが…そんな彼女は
再び
「彼」に手を差し伸べられてしまったのです。
そ う 。
あ い す る か れ に 。
めでたし、めでたし。