77日目後編「勇者の在り方」
77日目後編「勇者の在り方」
話を一度戻そうか…。
それから‥‥拠点で休憩を取っている時、救助した少女からこの世界の事を聞いたんだ。
正直…聞いた内容の中で、理解が難しい単語や言葉が出てきたから…全てを理解している訳では無い。
だから、大切な部分だけ日記に書いて整理していこうと思う。
まず、、彼女の名前は≪ミズノ・スイカ≫
この世界で彼女が所属している役職は、こうこうせい…?らしい。
彼女のスペックを語るなら…黒髪ロングな事と、、うん、胸がでかい事かな。
せいふく?っていう衣装からも伝わってくる程のボン・キュッ具合…!!!
そして…眼鏡をかけているんだぞ…!?
可愛い…確かに、正直に言えば…めっちゃ可愛いんだよォ!!!
そんな子に抱き着かれてみろ!
胸の圧が俺の身体に伝わってきて、抑えるだけでも必死なんだよ!!!
何かは言わないけどな!!!!
‥‥はぃ、すみませんでした。
話を再度戻そうか。
んで、この場所の名称は≪二ホン≫って国の中にある≪ヒロシマ≫という地名らしい。
本当は多くの人で賑わっていて、俺たちの世界で言うモンスターなんて存在もいなくて、もっと色鮮やかな場所である筈だった…けど…。
どうしてこの場所が崩壊したのか…彼女にも分かっていないらしい…。
でも、、
【私達にとって架空上のものだと思っていた≪化け物≫が、満点の青空から出てきた】
という一部のみだけ覚えているみたいだ。
‥‥その化け物って一体なんなんだ…。
どうして…これだけの人を、物を、奪い尽くす必要があったんだ…?
そんなの…勇者として見過ごせる訳が無い。
倒れている人、一人一人に…大切な人が居て、大切な夢があって、大事な命がある筈だ。
俺だってそうだ。
俺は今、フィアちゃんの事が大好きで、、まだ言えないけど…密かに思っている夢があって、、でも、その上で命が無いと何も始まらないんだよ…!!
そうだ…俺は、、、苦しんでいる誰かの手を取る為に、勇者になったんだ。
魔王を倒す為じゃない。
料理の為でもない。
もっと単純で、言葉にするなら簡単で、、それなのに…とても難しい事を成し遂げる為に。
それができないならば
俺は勇者なんて存在ではいられない。
名前だけの肩書なんて、俺にはいらない。
めっちゃ感情的になっちゃった。
‥‥話を再々度戻そうか。
一応大切な部分はそれくらいで、大まかだけどこの世界の事は理解できた。
だから休憩が終わった後で、彼女に色んな場所を案内してもらいながら生存者を探していこうと思う。
ふ~…まだまだ、長い一日になりそうだなぁ…。
彼は≪ 勇者 ≫だ。
世界を守り、誰かを守り、その身を粉にしても戦い続けなければならない。
しかし
例え勇者という名を持とうが、彼は…
脆弱な世界で生まれた一人の『人間』だ。