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76日目「背中を見上げる紅き瞳」

76日目「背中を見上げる紅き瞳」

私よ、フィアよ。


エレ君に浮気されたわ…。


‥‥過剰表現かもしれないけどね。



エレ君は必死に違うって言ってるけど、、じゃあどうして、あの子はエレ君から離れようとしないのよ!!!


どうして安心しきった顔で寝てるのよ!!!!


どうしておんぶしてるのよ…!!!


どうして…どうして…。


私だっておんぶされた事無いのに…。


お姫様抱っこはされたけど。。。


抱っことおんぶは違うのよ…!!!!


むぅ…良いなぁ…私も、、。



あ、、えと。


と、取り乱したわね。


今は…エルフ長さんが居残っているキャンプ地に戻っている所よ。


少し戻って休まないと、、私もエレ君もお腹が減ってしまうし…。


何より…



あの子から、この世界についての情報を聞き出さないといけないわ。


その為にエレ君にいずれ使えるようにと思って持っておいた応急手当用品を使ったり、エレ君の背中を貸してあげたりしてるんだから…!


少しでも有益な事を聞けないと気が済まないわ…!!!





‥‥はぁ…。


確かに、そうよね。


よく考えてみれば、エレ君は…勇者という立ち位置。


本当は…私の事なんかよりも先に、助けを求めている全ての人々に手を差し伸べて、、救い出す事が、彼の立場。



そう…あの時、私に手を差し伸べてくれた時のように…。



暖かくて大きい手を、優しくて小さな目を…私以外の誰かに向けないといけない…。


そんな事、誰よりも私が理解してる筈なのよ…!!


ずっと一緒に旅をしているんだから…。


でも…でも…。



…私だけを…愛して欲しいのよ。


私だけを見ていて欲しい…。



私のエレ君でいてほしい。



それっていけない事なの?


想っちゃいけない事なの??


願っちゃ…ダメなの…?


私は確かに、悪い肩書を背負って生きてるわよ。


盗賊っていうレッテルを貼られて…おまけに、元次期皇女で…色んな奴らに狙われてきて…。


私だって…ずっとずっと笑顔で、楽しいと思える生き方をしたかった…!!!!!


幸せに、生きていたかった…。



でも、何で私だけ…こんな不幸な目に合わないといけないの…?


何で私は…幸せでいたらダメなの…?


何で…幸せはこんなに




すぐ消えちゃうの?




ねぇ…教えてよ。


神様でも、誰でも、何でも良いから…!



答えてよ…。




‥‥。


…今は…こんな弱音を吐いてる時じゃないわね…。


着いたらすぐに、あの子から情報を聞き出すわよ。





強くならなきゃ…。


彼の隣は歩けないんだから。









幸せは求める程に、手が届かなくなっていく。



その紅き瞳は何を映す?


その紅き少女は何を想う?

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