91日目 共に行く未来へ
91日目 共に行く未来へ
俺、結婚したよ。
大好きな人と結ばれたよ。
その子はさ…出会った頃は凄くツンデレでさ、、どこか心の底から笑えてないるように見えない子だったんだ。
色んな過去を持っててさ…俺なんかより、ずっと辛い運命を背負っている…。
でもさ、俺気づいたんだ。
その子は誰よりも強い心を持ってて、尚…誰よりも脆いんだって。
最初は…俺が【勇者として】建物を破壊してでも、他の誰よりも先にその子へ手を差し伸べた。
それが俺の役目であり、それが俺に課せられた使命だから。
でも…いつしか
人間として、フィアちゃんを救いたいと願うようになったんだ。
どうやら俺は、フィアちゃんを大好きになっていたみたいなんだ。
何かキッカケがあったからとか…何かのお陰とか…今更、とうに忘れたよ。
きっと、どんな理由を付けたとしても後付けになるだろうし、詳細なきっかけを話す事が…俺には少し難しい。
ただ…今、分かる事は。
この世界の誰よりも、愛しているって事だ。
愛しているから、一生傍に居たい。
愛しているから、生涯を共に添い遂げたい。
愛しているから、、一緒に生きていたい。
この抑えつけられない思いを、一緒に共有したい。
これからもずっと同じ時間を過ごしてさ…俺がまだ見た事のないようなお互いの好きな部分を、一緒に知っていきたい。
それに…誰かを好きになる事に理由なんて必要ないって、俺は思うんだ。
とは言え、もし理由を言うなら…そうだな。
俺が初めて【勇者として】ではなく【人間として】心を通わせる事ができたから。
勇者としてでしか生きる価値を見出せなかった俺に、初めて愛を教えてくれたから。
辛い過去を背負っても生きようとする、君の強い心に惚れたから。
君の心も、身体も、顔も、笑顔も、全部全部が大好きだから。
そして…
フィアちゃんが居ないと、、俺は生きられない身体になってしまったから。
その全てが、彼女と共に旅を続けて得た理由だ。
‥‥まさか、こんな幸せな未来が来るなんて思わなかった。
あの景色だけは…一生忘れられないだろうな…。
綺麗だったよ、フィアちゃんのウェディングドレス。
やっと、君の晴れ舞台を見ることができた…。
結婚おめでとう。
フィア。
後は頼んだぞ。
勇者。