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川村が志村を犠牲にして『ヒール』を披露してから10秒後、


ステータスを何となく眺めていたらある重要なことに気づいた。


「あれ?魔法適性が『無』ってなんだこれ」


俺の言葉にオタク組のみんなが反応する。


「え?ちょっと見せてみろよ」


さっきの件で調子に乗っている川村がそう言いながら『鑑定』を発動する。


それに同調して他のオタク組も『鑑定』を発動した。


「あ、本当だ」

「無ってなんだ?」

「適性の属性が無いのかな?」


川村以外の三人がそれぞれの反応をする。


「じゃ、試してみるか」


その反応を聞いてまた川村が聞き覚えのあるセリフをつぶやいた。


「何を試すんだ?」


少し川村の企みを疑いながら尋ねると、


 いやいや何も企んでなんか無いよと川村は応えた。


「無属性の魔法と言えば身体強化だよな?」


そうか?

まぁそうだな、身体強化は火や水などに該当しない魔法だからな。


「そうだな、で俺はどうすればいいんだ?」


「取り敢えず『身体強化』って唱えてみれば良いんじゃないか?」


俺の問いに川村は適当に答える。


他人事みたいに言うなよ。

まぁ川村にしてみたら俺の適正魔法が無であることなんて他人事なのだろうが・・・・・・


取り敢えず俺は「身体強化」と唱えることにした。


「身体強化!」


だがいくら経っても何も起こらない。


「何も起こんないぞ?」


「何も起こっていない様に感じるだけでもしかしたら成功しているかもしれない。試しにそこの木に一撃入れてみろよ」


川村はさっき志村がパンチした木を指差しながらそう言った。


仕方ないので俺は少し力を抜いて拳を繰り出す。


「トッ」


だがやはり何も起こらない。


俺は黙って川村の方を向くが川村はどうしようもないと肩をすくめた。


「じゃあ、木村は火魔法を撃てるのか?」


まだ魔法が諦められない俺は魔法の使用には何かしらの条件があると信じて木村に尋ねた。


「あ、そういえばまだ試してなかったな。火の魔法と言えばファイヤーボールか」


木村はそう言うと掌を木に向けて「ファイヤーボール」と唱えた。


すると掌に魔法陣が出現し、そこからボウと音を立てて火の玉が発射される。


発射された火の玉は真っ直ぐ進んでいくと木の幹に当たりボンと軽く爆発して消えた。


「・・・・・使えた」


木村が申し訳なさそうにこっちを見るが俺はそれどころでは無い。


せっかく異世界転移したのに魔法が使えないだと?


分からないけど多分この時俺の顔は蒼白になっていた事だろう。


しかしその時、


「逃げろぉっ、デカイ熊だぁぁ!!」


探索に行っていた内の一つのグループが叫びながらこちらへ全力疾走してきた。

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