34話
今回は短めです。
第34話
ダンジョン内には、多種類の魔物達がいた。
魔物の中で最弱と言われているスライム、ゴブリンはもちろんのこと。それらを筆頭にオークやゴブリンキングなど、高ランクの狩り場に生息している魔物達も居た。
そして何より厄介なのは・・・
「くっ、何だこの数!!魔力弾の生成が間に合わないっ!!」
ダンジョンの最大の特徴であり、最大の脅威。それは小面積による魔物の密度。
広いスペースをまんべんなく使い尽くせる狩り場とは違い、ダンジョンは周りを岩で囲まれ、密室のようになっている。
それに加え今まで経験したことのない程、圧倒的な魔物の数。
一週間の訓練で、魔力から弾を作り出し、放出するまでの一連の流れをおよそ1.5秒にまで縮めることが出来るようになった俺だが、それでもギリギリの戦いを強いられている。
棍棒を振り上げながら飛びかかってくるゴブリン。大して攻撃力は無いが死角から忍び寄り脚に絡みついて動きを制限してくるスライム。その巨体にものをいわせた突進を仕掛けてくるオーク。
それらを真一の剣術と玄太の土魔法にサポートされながら、魔力弾で一掃する。
そして一気に魔物を倒したことによって一瞬訪れる余裕。チラッと勇者達の方に視線を向けると、そこには善戦しているクラスメート達の姿があった。
勇者たちは円上に陣形を組み、襲いかかってくる魔物を正確に屠っていた。陣形の中心では、回復魔法を掛けて負傷者を介護している。中には勇者達とは関係のない冒険者の姿もあった。
(なるほど、勇者様がいれば安心、てか・・・だが少なくとも俺たちは勇者に匿ってもらうことは出来ないだろうな)
「ふっ!!」
一瞬見せた隙に漬け込むかのように飛びかかってくるゴブリンを、魔力弾で正確に撃ち抜く。
ーーなら、誰の助けも要しないほど完璧に立ち回るだけだ。
屠っても屠ってもなお、無限に沸き出てくる魔物を見据え、構える。
俺たちは、この終わり無き戦いに終止符を打つため、戦渦に身を投じた。




