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オタク達は仕事をする

「知ってのとおり俺たちは金が無い。一週間くらい生活できる金はあるがそれもいつかは尽きる。つまりだ・・・・」


岡村は一息置いて言った


「俺達は働かなければならない!!」


気のせいか一瞬岡村の後ろにドドンとフォントが出現した気がする。


「ふむ」


それにしても働くか・・・高校生になってからも考えたことがなかったな。なんとなく小説家になりたいと思ったことはあるが真面目に将来の夢にするつもりはなかった。



しかしここは異世界!金を稼ぐなら便利なあの職業があるじゃないか!



「そこでだ、言うまでもないだろうが俺たちは冒険者になることにした」


冒険者、言うなれば何でも屋のような存在であるそれは冒険者の集まりであるギルドに入会することによって就くことが出来、採取、討伐、護衛などの依頼をこなすことによって得た報酬金で生活をやりくりする職業だ。


「この世界に冒険者という職業が存在することとギルドがどこにあるかはさっき確認した」

   

岡村はそう言うと急に真面目な顔になって意外なことを言い出した。


「それでこれは俺からの勝手な提案なんだが、冒険者になるに当たって名字で呼び合うのはやめようと思うんだ」


「ほう、それはどういう理由で?」


「特に理由はない、だが一緒に生活する仲間として名字呼びでは堅苦しいと思ったんだ。せっかく異世界に来たのだから名前で呼ばれるのが嫌なら偽名を使ってもいいと思う。勇者に俺達の動向を知られるのも嫌だしな」


なるほど、それはいい案だと思う。


が、名前で呼ばれたくはないな。

だって俺の名前次郎だぞ?次男でもないのに毎回次郎って呼ばれるくらいなら青原と呼ばれたほうが良い。


そうとなると俺に残されたのは偽名を使う選択肢だけだな。

暫く考えた後、俺は将来小説を書くとしたら主人公に与えようと思っていた名前を口にした


「ユウ、俺のことはユウって呼んでくれ」


優しくて勇気がある、それでいて悠々としている。そんな理想の自分を表した名前だ。

今はまだまだだがいつかはそんな自分になりたい、そう願ってこの名前にした。偽名なんて中二臭いがな。


岡村は承知したとうなずくと今度は志村に話を振った。


「志村はなんて呼んでほしい?」


「う~ん、普通に玄太でいいや」


志村は名前で呼んでもらうことにしたようだ。


「分かった。俺も名前の真一って呼んでくれ」


いや偽名使うの俺だけかよ。みんな名前かっこよくていいな。


「よし、呼び方も決まったことだし早速ギルドに行こう」


こうして俺達は仕事をすることになった。



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