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所変わって、魔法使い統括協会、2階の会長室。
現在、そこには腰まで伸ばした金髪を頭の後ろで無造作にまとめた20歳くらいの女とついこの間まで学生といった雰囲気を強く残した10代の男女が2人、会話もなくお茶を嗜んでいた。
会話というか、3人がお茶を飲み、茶器をテーブルに置く音しかそこにはない。ぶっちゃけ、ものすごい居心地の悪い沈黙がそこには充満していた。
そんなところに突然、慌ただしく廊下を走る音と、続いて会長室の扉をドンドンと叩く音が響く。
「会長! あの2人が!! 会長のお弟子さん達がお見えになってます!!」
廊下から聞こえるのはこの魔法使い統括協会で受付業務を担当する若い女性魔法使いの慌てた声。
仮にも統括協会の会長と一介の受付嬢。常識的にかなり失礼な呼び出しであるが、それも仕方がないのだろう。なぜなら、受付嬢の魔法使いは3年前にどこかの師弟のくだらない喧嘩に巻き込まれ、瓦礫の下敷きになりかけたことがあるのだから。
「むむ! リラが帰ってきたか!」
「「!?」」
受付嬢の声に会長室の中の3人はそれぞれの反応を示す。
突然、ソファーから立ち上がり歓喜の声を高らかにあげたのは金髪の女魔法使い――セダム。
対して驚きと緊張が入り混じった複雑な表情を浮かべたのはセダムの対面に座っていた2人の男女。男の方は黒髪に眠たげな黒い瞳の目が特徴のどこにでもいそうな青年――ダリア。女の方はやや赤みがかった茶髪を肩ほどまで伸ばし、強気な赤い瞳が印象的な少女――ランタナ。どちらも数日前まで魔法使い育成アカデミーに通っていた新米魔法使いだ。
「いえ会長、リラさんもいますがエクメアさんもですよ……」
「いや、あいつは別にいい」
「えー……、会長がそんな態度とるから3年前はああなっちゃったんですよ!」
「「…………」」
セダムと受付嬢が仲良く?話をしている間、ダリアとランタナの2人はじっと静かに座って成り行きを見守っている。しかし、どちらの顔にも早くこの部屋を出たいという感情とエクメアとリラという人物に会ってみたいという感情がありありと浮かんでいる。
そう。現在、ダリアとランタナの2人は魔法使いとして認められるための修行先となる師匠として2人の魔法使いを待っているところなのである。
「あ、あのーセダム様。差し出がましいとは思いますが、とりあえずエクメア様とリラ様を私たちに紹介していただけると……」
恐る恐るといった様子でランタナが受付嬢と一緒に騒いでいるセダムに声をかける。
「おお!! そうだったそうだった。 一刻も早くリラに会いに行くとしよう。お前らにも紹介しなければいけないしな」
素で忘れていたという感じでセダムは我に返ると、受付嬢とダリア、ランタナらを会長室に置き去りにして階下へと続く階段へと駆けていく。
その行動力と他者を置き去りにする奔放さは、巷で”賢者”と呼ばれる魔法使いらしからぬ振る舞いであった。
「ええーと。とりあえず、新米魔法使いのお二人も下の階に下りましょうか」
「「はい。そうします」」
そしてダリアとランタナ達はトボトボと階段へと向かうのであった。
残された3人は




