表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

掌編小説集10 (451話~最新話)

処方

作者: 蹴沢缶九郎

つい数日前から体調の不良を感じていた男は医者からの診察を終えて、病院近くの薬局へとやって来た。

対応に現れた薬剤師は、男から受け取った処方箋をまじまじと見つめ、


「少々お待ちください」


と、薬局の奥へと消えていった。

薬剤師が薬を取りに行っている間、男は診察結果を思い出して安堵していた。


「それにしても変な病気でなくてよかった。三日程前から咳が止まらず、熱が出て、体調がすぐれなかったが、医者の先生はただの風邪と言っていたものな」


しばらくして、処方薬を手に戻ってきた薬剤師は、男に薬の説明を始めた。


「ええとですね、まずこの白い咳止めの錠剤を食後、朝昼夜と一日三回、百五十錠づつ飲んでください。次にこのカプセル錠は熱冷ましになります。これも食後、一日三回、これは二百錠づつ飲んでくださいね。それからこのカプセルは…」


「…あの、すいません」


説明の途中、男は申し訳なさそうに話を遮ると、薬剤師に言った。


「なんとかもう少し、薬の量を減らしていただく事は出来ませんかね」


「ううん、そう言われましてもね…」


と、身長は優に20メートルを超える巨人の男を見上げ、薬剤師はどうしたものかと頭を掻いていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] なるほどです。薬は体重で寮をきめたりしますものね [気になる点] 薬屋にそれだけ在庫があるかなとか・・ [一言] ガタイがよくて健康そうでも、風邪をひくとツライものです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ