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友と友



 学校の放課後のこと。

「みるっこー、帰るよー」

「あ、お吟さんちょっと待ってえ」

 二人はいつも一緒に登校し、一緒に帰宅をする。これは小学生の時からの習慣だ。

 冬扇の妹の吟子。そしてその友人の美流。二人は小さい時からずっと仲が良い。美流は冬扇とも面識がある。

 身長は吟子よりも頭半分高いぐらいで髪はくるくると天然パーマが愛らしくかかっている。どこにでもいそうでどこにもいない。誰かに似ていそうで誰にも似ていない。誰かに見えて誰にも見えない。少し変わった雰囲気のある吟子の唯一無二の大親友が美流である。

「お吟さん、お兄さんのとこ行ったんでしょ?」

 二人の間に秘密などいう言葉はない。それは冬扇が言ったところで吟子は聞きもしないだろう。

「うん、行ったぢぇー」

「どうだったの?」

「とりあえずムカついたからイガ栗投げつけてやった」

 それを聞いた美流は微笑ましく笑う。それがいつも通りの兄妹のやりとりだとわかっているのだ。

「相変わらずだね。でも会えて良かったよ」

「んー、まーねー」

 正直なところ、冬扇には会えないだろうと二人は考えていたのだ。あの厳重な警備の中でいくら妹だと言っても入らせてくれるはずがない。

 しかし運よく理解してくれているSPが一人いたのだ。少し強面で顔に傷のある大柄の男だった。

「そーいえばさー、閻魔が昨日立ったんだー」

「まじっすか!? 激写した?」

「それが一瞬のことで……トホホ……」

「えー、じゃあウチのあまぐりも立つかなあ」

 あまぐりとは美流の飼っている猫の名前だ。吟子の飼っている閻魔とは兄弟になる。休日は猫を連れてお互いの家に行くほどだ。

 そんな猫トークをしていると二人同時にバッと振り返った。まるで猫が何かを警戒するかのように素早い反応だった。

 二人の視線の先には一人の男が立ってた。もちろん二人の知り合いなのではない。

「なんですかー? おぢさん。もしかしてナンパ? もしかして―――ロリコン?」

「…………」

 男は何も言わない。

「やっぱ吟、可愛いからなー。すべての男を虜にするこの美貌。罪な女だぜー」

「お吟さん、冗談言ってる場合じゃないかもよ」

「……はい」

 吟子に対して美流は冷静だった。直感が告げているのだ。

 男は長い沈黙を破り言葉を発する。そしてその言葉で二人はすべてを悟るのだ。

「き、如月冬扇の妹だな?」

 それを聞いた二人はすぐさま行動に移した。カバンの中に手をつっこんでそれを投げたのだ。

「うおっ!」

 あまりに意外の攻撃に驚きの声をあげる。

「なんで栗とか持ってんだ……」

「栗じゃないですよー」

「イガ栗だぢぇー」

「…………」

 何が違うのか理解できないという表情だった。

「大人しく捕まってはくれないだろうか?」

 その言葉に二人は顔を見合わせる。そして―――中指を立てて、これでもかと人を馬鹿にした顔をして言う。

「ハッ! なに言っちゃってくれてんだよー。そんなこと言うおぢさんはヴォ―ヴォ―に燃やしてやんぜキラッ☆」

「愚問ですねえ。そんなこと言うちょっとカッコイイおじさんはカチカチに凍らせてあげますあとでアドレス教えてください!!」

 ケッ、と唾を吐きながら宣戦布告。女子中学生としては、いや人としてどうかと思う台詞である。

力づくでしかどうにもならないと男は理解した。出来る事ならそんなことはしたくなかったが、背に腹は代えられない。こっちだっていっぱいいっぱいで他人のことを心配する余裕などないのだから。



この中に出てくる吟子と美流は実在します。まぁ私のゲーム仲間なんですが。

実際には顔も知らなければ性別も年齢もおじさん好きとかも知りません(笑)イメージはあくまでもゲーム内のキャラの見た目です。そこにちょいちょいと手を加えさせてもらいました。

みるみる本当にごめん(笑)これを機におじさんを好きになってあげて・・・。

二人の存在が入るとどうしても笑いに走ってしまうコメディ要員ですが、まぁ・・・なんとか書けたんじゃないかな・・・うん。

これからの活躍に期待です。

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