醜い子
どうやら僕は気持ち悪いらしい。
僕は醜いらしい。
顔も、目も、鼻も、口も、耳も、髪も、首も、手も、体も、足も。
全てが醜いらしい。
お父さんは僕を全力でぶつんだ。
お前は俺の子じゃないって、僕をぶつんだ。
お父さんは僕を見て気持ち悪いって言うんだ。
お父さんは僕を見て汚れてるって言うんだ。
お父さんは僕の姿が醜くて、汚くて嫌なんだ。
だから僕をぶつんだ。
お母さんは泣くんだ。
お父さんに泣きつくんだ。
気の迷いだったの。
産みたくて産んだんじゃないの。
許して、許して、許して。
そしてお母さんは僕をぶつんだ。
お前さえいなければって、僕をぶつんだ。
お母さんは僕を見て、その顔がいけないんだって言うんだ。
お母さんは僕を見て、その声がいけないんだって言うんだ。
だから僕は顔を焼いた。
だから僕は喉を潰した。
これできっと顔は綺麗になった。
これできっと声は綺麗になった。
お母さんも綺麗にしよう。
お父さんも綺麗にしよう。
これでお揃い。
これでお揃い。
僕はもう醜くない。
僕はもう汚くない。
これなら僕をぶたないよね?
お父さんを抱きしめる。
お父さんは僕をぶたない。
お母さんを抱きしめる。
お母さんは僕をぶたない。
嬉しいな。