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18歳のギャルの過去

「大事な話があるの」


 真美が神妙な顔もちでそうきり出す。深夜、コンビニの事務所で、真美は俺の太腿に正面から座っている。いつものようなギャルっぽさが少し薄くなっていた。俺は静かに頷く、それを見て真美が言葉を発した。


「…わたし、二年前、パパ活をしていたの」


 …俺は正直、ショックはあまりなかった。真美のいままでの行動からなにかあるんだろうなとは思っていた。そうだよな、よく考えなくても35歳のコンビニ店員が18歳のギャルに好かれるなんて現実には無いだろう。俺がいままで真美がしてきてくれたことを思い出す。つまり俺を好きなのではなくパパ活でしてきたことをしただけだったのか?理由は?仕事を円滑にするため?そんな疑心暗鬼に俺がおちいっていると。


「…ううん、正確にはパパ活をさせられていたの」

「…させられていた?誰に?」

「…クラスの同級生、わたしはその子にイジメをうけていた、その子は援助交際の斡旋もしていてわたしも最初は援助交際をしろと言われたの、でも男性経験無いから断ったらパパ活をさせられた。パパ活で得たお金は全部その子がもっていった」

 

 そこまで聞いて俺の中にその同級生の女に対する怒りが込み上げていた。


「…ある日、わたしは警察に逮捕されたの、理由は援助交際の斡旋だって警察は言ったの」

「斡旋?してたのは同級生の女だろ?」

「うん、いつやったのかわからないけどあたしの携帯に援助交際を斡旋していた証拠が全部入っていたの」

「それは冤罪じゃないのか?」

「そう、でもあたしは罪を認めたの…」

「なんで?」

「…彼女から逃げたくて、捕まれば逃げられると思った」

「そうか…」

「あたしは少年院に入れられた、そして少年院から出たら迎えに来たのがお母さんだけだった、お父さんとお母さんが離婚してたの…あたしのせいで…う…」

 

 あまりに辛かったのか真美が泣き出した。俺は真美の頭を撫でながら優しく抱きしめた。しばらく泣いたあと真美が続きを話し始めた。


「専業主婦だったお母さんが働いてあたしを待ってくれてたの聞いてあたしも働かないとってここに応募したの、最初は深夜のコンビニで男の人と二人っきりなんて怖いと思ってた、でもすぐにそんな考えは無くなった、あなた優しすぎるだもん」

「18歳の女の子には大抵の男は優しいもんだ」

「ううん違う、パパ活をして出会った男性は優しかったけどみんなエッチがしたい優しさだったあなたとは違う」


 違うとしたら俺は18歳の女の子とエッチなんかできないと思ってるからだろうな。ここまで話しを聞いていままで疑問に思ってたことを真美に伝える。


「…もしかしてマスクをはずさないのは」

「うん、彼女に見つからないため、でも、もういいや」


 真美はそう言うとおもむろに手をマスクにかけマスクを取った。真美の顔を初めて見た。可愛いかった、美人か美少女とかどうでもよかった、ただ俺の好みの可愛いさだった。


「…口は裂けてなかったんだな」


 照れ隠しでついそんな言葉が俺の口から出る。


「…マスクを取った女性全員にそれ言ってるの?」


 少し怒ったような表情で真美は俺を睨んでくる。その全てが愛おしかった。


 そして、その日から真美は事務所にいるときはマスクをしなくなった。


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