18歳のギャルと若い客
「ねぇ~いいじゃあ〜んデートしようよ〜」
「ええーどうしようかなー」
日曜の新宿ならそこここで聞ける若い男女の会話もうすでに十分近くされてる。金髪の若い男性客がレジの向こう側で真美をデートに誘っていた。日曜の新宿ならなんの問題もないが、今は深夜のコンビニだ、しかも真美のすぐ横には俺が立っている。まるで俺のことなど目に入らないかのように金髪の男は真美を口説いていた。
「…なぁ〜なんか距離近くない〜?」
本来なら真美が口説かれてる場面なんて見たら俺は嫉妬全開でいただろう。だが嫉妬心は微塵も俺には芽生えなかった。なぜ俺が嫉妬しなかったかと言うと金髪の男が言ったように真美が俺のすぐ横に立っていたのだが距離がおかしかった。普通、中の良いコンビニ店員同士でも数十センチは離れて横に並んでいるものだが、真美はいま自分の腕と俺の腕が触れるほどの距離にいた。そして、金髪の男に見えないように自分の手を俺の腕の後ろに隠して袖をなん回も引っ張ってきていた。
「んーーそんなことないよー」
金髪男の怪訝な問いにギャルっぽく返すと、金髪男はそっかそんなもんかと言い、気にしなくなった。そんなことあるだろ?どこのコンビニで男女の店員が腕と腕がくっつくくらい密着させて接客するコンビニがある?俺は心の中でそうツッコミながそろそろ助けるかと言葉を発した。
「お客様、お買い物が無いのでしたらこれ以上は業務に差し支えますのでご遠慮ください」
「あ、ああ、はい…」
金髪男は丁寧だけどハッキリした拒否の俺の言葉にすごすごと帰って行った。金髪男が店を出るなり真美が俺の袖を引っ張って俺を事務所に連れて行く。真美は俺を椅子に座らせると太腿に正面から座ってきた。俺の心臓が高鳴る、いままで後向きでしか座ったことがなかったからだ。
「…もっと早く助けてくれてもいいじゃん、なんで助けてくれなかったの?私が口説かれてるのを見てもなんとも思わなかった?」
真美が早口で俺を責め立てる
「…ごめん、35歳の俺が割って入って良いのかわからなくて」
「歳は関係ないでしょ〜」
真美はそう言うと、俺の付けているマスクをはずして両手で俺の頬をつまむ。真美の可愛らしい手で頬をグニグニされる。まったく痛くなく真美の手の感触だけが俺の頬に伝わる。
「悪かった、次からはすぐに言うから」
俺の返答に満足したのか、真美の手が俺の頬から離れていく、その手の名残惜しさを感じていると。
「…歳は関係ないんだから…」
ボソッと呟く真美の言葉が俺の心に染みた。




