18歳のギャル
俺は山上勇二35歳の夜勤コンビニ店員だ。中肉中背ごく普通の顔、今まで彼女なんかいた事もない、かなり終わっている35歳のコンビニ店員だ。その俺は今、困惑しながら休憩をとっていた。
「ねぇ~なんでコンビニ店員は爪を付けちゃダメなの~?」
俺の困惑の原因が至極当たり前の質問を俺に投げかける。そう質問したのは半年前から内で働き出したギャルだ。名前は小谷真美茶髪の髪に、カラーコンタクト、下履きは紺のジャージ、背丈は小さく160ないくらいだろう、制服を着ていなければただのギャルだ。顔の事に触れないのは俺がこの半年間ただの1度も見たことが無いからだ。半年前に入ってから今まで1度もマスクを外したことがない、それは徹底していて彼女の休憩中に俺が事務所に入っても常にマスクをしていた。飯を食うときに見れるだろう?って?彼女は深夜仕事中一切飯を食べないのだ。飲み物を飲むのだってマスクを少し上げて飲むくらいだ。俺は密かに口裂け女なんじゃないかと思ってる。まぁ飲み物を飲む時少し見えた口元は裂けてなかったが。
「至極当たり前の質問を俺にするな」
「なにが至極当たり前なの?別に爪付けてても品出しはできるし、レジだって打てるし、袋詰めもできるよ、で、なにが当たり前なの?」
「う」
俺が返答に詰まると彼女は身をよじって俺の方に向いてきた。俺の座って居る椅子が軋む。なぜ椅子が軋むのかと言うと、椅子に座って居る俺の太腿の上に彼女が座って居るからだ。彼女のお尻の柔らかさを感じる。そしてこれが俺の困惑の原因だった。いつからか俺が休憩に入ると彼女も入ってきて俺の太腿の上に座るようになった。うちのコンビニは深夜は人がほとんど来ず仕事も休憩前に終わるからあとの時間は二人で事務所の中に居る事が多い。
「答えられないじゃん」
真美が俺の太腿の上で上下に少し揺れる。揺れるたんびに彼女をお尻の柔らかさが俺の太腿を刺激する。そして、違う処も刺激的になっていく。
「ポロロ、ポロロ、ポロロロ」
店の入店チャイムが鳴り、彼女が俺の太腿から降りてレジのほうに向かって行く。一人のお客のレジを終えた彼女が戻って来るなり俺を責める。
「この頃あたしばかりレジ打ってるんですけど?立って手伝ってよ」
そう責める言葉を投げかけてくるのに行動は戻って来るなり俺の太腿に座り直す。一度おさまりかけたものがまた持ち直す。立ってて立てねえんだよ、とは言えず。
「…すまん」
「しおらしく謝ったって許さないんだから」
許さないと口では言いながら太腿の上でスマホをいじりだす。アニメのオープニング曲がスマホから流れる。真美は大のアニメ好きだった、特に男性声優が好きで特定の声優が出てるアニメは全部見るほどだ。
「次はコレを見て、見なかったら殺しちゃうから」
物騒な言葉と共にいつものヤツがきた。いつものヤツとは、真美は自分が見たアニメを俺に見させようとする、最初のうちは断っていたがある日、まだ見てないの?と涙目で訴えられ真美の勧めるアニメを俺は見るようになった。
「今度はどんなアニ…メ…だ…」
俺の視線がスマホにいく、男同士がキスをしていた。
「…これを…俺が…見るのか?」
「あなた以外誰が見るのよ、ちゃんと感想聞くからねちゃんと見てね絶対ね」
ね、が多い、こう言う時のは真美が本当に勧めてきている作品だと最近気付いた。見なかったらまた涙目で訴えられるか涙目で殺されるのだろう。殺すは比喩だろうが実際、真美になら殺されてもよかった。なぜなら俺は真美を心底愛しているからだ。35歳彼女無しだった男の太腿に18歳のギャルが座って愛さない男はいないだろ?
「…この作品を見た俺のどんな感想が聞きたいんだ?」
「どう感じるのか?とか?かな?」
「そんなにハテナが出るなら適当な感想を用意しとく」
俺が男同士がキスをするアニメを見るのは決定事項なので、見たくないなんて言葉は出さない。出せない。
「…いいけど…最後まで見なかったら…」
真美が目を細めて睨んでくる。可愛い、マスク越しだが可愛いかった、真美の全てが俺は愛おしくなっていた。真美も同じ気持ちだと思いたいが…男の太腿に座って好意が無いなんて、ないよな?
後日、俺がアニメを見た感想を告げると。
「どう?したくなった?」
…18歳のギャルの気持ちは35歳彼女無しの俺には微塵もわからなかった。




