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第7話 日常茶飯事

 ロイの頬には真っ赤な手形ができていた。割とビンタは痛い。ディアは顔を赤くしながら頬を膨らませ、明らかに怒りを表現してる。

 「いやな、俺が出て行く時に告白がどうとか言ってたからやりたくなっただけ、マジですまんかった」


 「...次やったらもっと酷い目に合わせますからね?」

 「うい」


 ディアは椅子に腰をかけると要件を言えと指を指すとロイは答える。

 「トーカさん的にも記憶障害ってのがかなり怪しいらしい。かなり黒っぽいから国に関しての情報はあまり見せない方がいいってさ」



 「まあそうですね、私としても気になるところはあります。ドローンの知識はあるみたいですがゼータの知識もないみたいですし、まるで別世界から来たような人ですよね」


 「俺が言いにきたのはコレだけ、それじゃあな」


 そう言ってロイは部屋から去ると、ディアは思ったことを口に出す。

 「わざわざ部屋に来てまで言うことだったんですかね....?」


 

 その瞬間、扉が開く。

 「あとディア、ドアから出たと思ったらすぐに口に出す癖をやめろ、聞こえるから」


 「はい」







 翌日、ディアは朝食を済ませると、訓練場に向かう。


 訓練場は地下の中でもかなり広い、基礎体力を増やせるだけの広さはあると思う。それだけじゃなく射撃訓練、近接格闘術、爆発物は車両の扱いを心得るものも多く、軍隊がここを使うことも多い。ただ旅団とは使用する時間が違うので会うことはほぼほぼない、というか交流が少ないので軍部と旅団での面識がある者は少ないのだが。


 「はぁ、はあ.......」

 訓練場は9割は男、というかディア以外に女性はほぼ居らず、ロイと並走する形で走っていた。


 「やっぱり、重い.....です....!」

 5km走の中盤、背負った銃や物資など合計10kgほどがネックで揺れるたびに重量が身体に響く。


 「でも前より、走れるようになったじゃねえか...!」

 

 正直言って本当に重いとは思う、訓練内容は特に違いはない、だが日に日に基礎体力は確実に上がって息切れしてバテるようなことはめっぽう減っている。胸の下らへんが痛くなる現象もあまり起きない。まあ最終盤ではヨダレ垂らしながら倒れ込むのだが。



 「にしても....速いなマジで....」

 2人が見たのは既に完走してるクリスの姿である。端に座り皆をただみている。

 「フィジカルバケモンかよ....」

 「私も、見習わないと....ですね....!」


 クリスが皆のランニングをただ見てるとガルグが声をかける。

 「まだ余裕そうだなクリス、もう一回行っとくか?」

 「......いや、僕もう走ったし....ていうか名前覚えるの早いですね」

 「まあ名前を呼んだ方が指示しやすい、距離も近くなるからな、それよりも、自分だけ終わればそれでいいのか? 走らないのか?」

 ガルグはニヤリと笑いながら言うとクリスはゆっくりと立ち上がる。

 「ハイ、ハシリマス」


 そうしてまたクリスは走り始める。

 「あ、また走り出しましたね」

 「まあ余裕そうだし時間余ってそうだったから.....んー.....」


 *****


 「ゼェ....は、あぁ.......」

 

 完走し切ったディアはその場で倒れて仰向けになるとそのまま呼吸を整え、しばらく立つとまた立ち上がる。


 「全員整列だ、次は射撃訓練を行うぞ」

 ガルグの言葉で全員が並び、そして銃を装備すると、射撃訓練は始まるのであった。


 「......よし、ヒット」

 ロイは初撃で的の中央近くに銃弾を当て、すぐさまリロードを始める。

 「あ痛ってっ.....指挟んだ....」

 結構不器用なのか意外とロイはリロードで指を挟むことが多い、5回に一回はやらかしている。


 一方でディアはというと。

 

 銃弾は的の中心どころか的すら当たっていなかった。

 「ロイさん、これどうやって当てるんですか?」

 「え、しっかり狙えば当たるぞ。多分慣れれば....」


 「ディア、狙う前から力を込めずに撃つ瞬間だけ力め、それとトリガーは引くより押すイメージでやれ」

 それはガルグの言葉であった。ガルグは自身のマスケット銃を見せるとトリガーの撃ち方を見せる。


 「は....はい!」

 ディアは言われた通りに銃を構え、深呼吸をしてから一発撃つ。

 「あれ....外しました....」


 「トリガーを押すように打てば照準をブレにくくできる、もう少し撃ち方を変えろ」

 そう言われてディアはリロードをすると、銃を構えるがガルグがディアに近づくとディアのかけるトリガーに手を添える。

 「狙いを定めろ、撃つタイミングを言え」


 「はい................撃ちます」

 


 その時、ディアの指に重ねるようにトリガーを引き、銃弾は的の中心に命中する。


 「当たりました.....」

 「今ので感覚は覚えただろう、2度はしないからな」


 ディアが驚愕しているとガルグはすぐに手を離し、元の位置に戻る際に言った。

 

 「ありがとうございます....!」


 その後もガルグは様々なメンバーに射撃の際にアドバイスを続けて行った。


 「俺は特になんも言われねえな」

 「まあ命中率いいですもんね」



 その後も幾つかの訓練が続く、探索自体は週に3回ほど、だがメンバーは交代制なので実質的に週に1度くらいで、それ以外の日は殆どが訓練となるのだ。

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