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灰と魔法の荒廃戦  作者: 山田浩輔
時の被災
37/58

第37話 魔法の視認

 「そうかい? それは大変ようだ! 確かに警戒すべきだろう、今の時点で潜伏してるんだし観察か奇襲のどちらかだろうね! まあきっと大丈夫さ!」


 リドは爽やかな笑顔で言うと、テノーは頭を下げるとリドから離れ、それに皆がついていく。


 「....リド団長って大丈夫なのか...? あの人めっちゃ明るいけどよ」

 「そーだよなー、楽観的に見えちゃうよな〜」


 「まあでも少し明るいほうがいいのかもしれませんね」

 疑問を口にしたマルクに同調するロイに対してディアはフォローする形で言うが、依然として不安感は残る。


 正直に言ってしまえばリドよりもテノーの方が優秀に見えてしまう。それは2人だとテノーの雰囲気の方がガルグに似てるからだろう。


 冷静で言葉も的確で油断しない。そんな風に見えてしまうのだ。



 「異変があったらすぐに知らせてくれ、いつでも戦闘に入れるように準備するんだ」


 「了解でーす」

 

 マルクは気の抜けた返事をしつつ手射ミサイルの準備をする。他班の物音が聞こえるくらいで街はまるで人がいるようには思えない。


 ディアは不安感をいだきつつもそれを言葉には出すことはなく歩みを進めていた。


 




 「うーん、ここはもうなさそうですね…」

 おそらくは民家の倉庫で広く車が二台は入るだろうか。老朽化が進み床板は隙間が広い。探索するものの金属類はあまりなく、ディアはぼやくと、テノーも息を吐くと別のところへ行こうと考え指示をする。


 「ここはもういいだろう。別を探すぞ」

 

 テノーに次々とついていく中で、出だしが遅れて駆け足で走るロイであったが、飛び出た木製の床に足が引っかかり転んでしまう。

 「いてって」


 「大丈夫ですか、立てます?」

 ディアは地面に伏せるロイに手を差し出すとロイはディアに手を掴み立ち上がるが、ディアはロイを引き上げる際、勢いをつけすぎて、ディアが逆に後ろへ倒れる。

 「え、あぎゃあああああああ!」

 一瞬宙に浮いた感覚と共に床に尻餅をつくが、その次の瞬間に床板が崩れ、ディアはそのまま落下する。

 

 「…大丈夫か?」

 ロイは上から覗くようにディアに声をかける。


 冷静に考えると一階なので床板が壊れても致命的ではない。ディアは背中に痛みを感じつつも立ち上がろうしたその時、床下に何かがあることに気づく。


 「ん…なにかある…?」

 床下の暗がりの中で何かが光っているように見え、ディアは吸い込まれるように手を伸ばし、それを手の中に握ると手元までゆっくりと寄せて手を開くと、それは指輪であった。


 「指輪…金属ですね」

 少量ではあるがかなり状態がいい。ディアはそれを持ち立ち上がるが、ある違和感に気づく。


 それは指先に血が巡る感覚だ。血が溢れるほど、指が滴るような順応感。そしてその本能に従うがままに、割れた板材を指でなぞり———


 


 膜を貼った。






 そう感じた。言葉で説明できぬほどあやふやであるが、確かに感じ取った。


 キョトンとした顔でディアはゆっくりと立ち上がると、ロイが心配して近づく。

 「お、おい。 大丈夫か....?」


 「あ......はい」

 ディアはぼんやりとしたままロイの手を握ると引き上げられ、2人はテノーの歩いた方向へと駆け足で進むのであった。



 *****



 「クリスさん、[魂迫]はわかる?」

 探索中でメスマーがクリスに質問をぶつけ、クリスは一瞬考え連想してみるがわからず、首を横に振る。

 「ううん、知らないよ」

 「あ、教えてもらってないんだ」

 メスマーは少し困惑しつつも”魂迫“の説明をし始める。



 「[魂迫]は魔法使いにだけ出る特殊なオーラみたいなもので、隠したりはできないの。だから魔法使い同士は[注視]をすれば互いに魔法使いであることはわかるの」



 「そうなんだ、初めて知ったよ。でも今まで注視したことはあるけど見えたことはないかも、今もそうだし」

 クリスの関心の言葉にメスマーは頷く。


 「[注視]は目を凝らして意識を目に集中させることで使えるよ。距離は大体30mくらいまで、ただし道具系だけは道具自体に[魂迫]が見えるからね」


 メスマーの言葉に納得しつつ、クリスは一つ疑問が解けたことで笑う。

 「そっか、ガルグが僕の剣を魔法であると分かったのってそういうことなんだね」


 「うん、一応できるか私を見てやってみて」

 「分かった」


 メスマーの言う通りにクリスは注視をしてみるが、上手く見えない。その様子を見てメスマーはさらに続けて言う。

 「目の奥に血を集中させる感じ」


 「ん....ん」


 クリスは言われた通りにしてみると、その時メスマーの持つ[起動紐]の周りを覆うオーラのようなものが見える。


 

 「見えた、かな?」

 「うん、結構集中しないとだけど、なんとかね。これって道具は服の下に隠したらどうなるの?」

 クリスに疑問に答えるようにメスマーは[起動紐]を服の下に隠すと、わずかに[魂迫]が漏れ出てることに気づく。


 「こんな感じで布はだめ、でも隙間のないような板なら隠せるから、光とほぼ同じね」

 クリスは[魂迫]の纏い方を見て疑問に思ったことをメスマーに聞く。

 「ちなみにもしかして”道具系“は“強化系”とか“制御系”と組み合わせれるの?」

 「いや、無理ね」

 「やっぱりそっか...」

 僅かに自分の考えを検証したくなり聞いたものの、流石にそこまで甘くはないようだ。


 「だから敵対したらまずは[注視]、そうしたら魔法を持ってるかどうかが一目瞭然」


 

 「なるほどね、ちなみに僕が他に知らなそうな事ってある?」

 

 「あ、えっと....手榴弾ってわかる...?」

 「うん、それはわかるよ」

 「じゃあ....車ってわかる? いつも乗ってるものなんだけど」

 「うん、わかるね」

 「えっと.....じゃあ———」

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