第36話 手射ミサイル
翌日、人数を確認するとまた車両に乗り込むとまた遠征を再開する。荒廃した大地に転々と住宅街跡や工場跡があるなかで、戦闘はほとんど起きることはなく、そうして大地を進み続けると、遠くからでもわかるほどの巨大な街跡が見えてくる。
そうして旅団は街の中に車両で入ると、おそらく駐車場であった広場に車を乱雑に止めていく。
そうして旅団メンバーは次々と車両を降りていく。その街は巨大でかつての栄光を想像しつつも今は寂れ、廃れた無音のゴーストシティに過ぎない。それをマンションの上層階から覗く複数の影があった。
「複数の人間の侵入を確認した。どこの国かは不明だが、数は60以上」
「リーダー、どうするの?」
「......今はまだ観察。敵の能力を確認するようにして」
「そっか、了解した」
*****
アパート跡を探すディア達はある程度金属を見つけつつ、あることに気づく。
「.....これは.....」
「ん、どうしたんだ?」
テノーが何かに気づいたようで、気になったロイがひょこりと顔を覗かせるとそこにあったのは人間の死体であった。
「うお......ビックリした....」
「それくらい放置されてたんでしょうか.....?」
白骨化しているが、装備を見るにどこかの軍人であろう。
テノーはゆっくりとその死体に近づき腕を部分を持ち上げようとすると、対して力は入れてなかったが、骨がボロボロとそのまま砕ける。
「100年くらいは経過してるかもしれないな」
「そんなに人が来てなかったのか....でかい街なのにな〜、ずっと誰にも見つからなかったんだな」
ロイは感心してるように言うが、ロイの言葉を聞いてディアに疑問が生まれる。
「こんなに大きな街が今まで見つからなかったってことなんですかね?資源も持ってなさそうですし...」
ディアの言葉を聞いてテノーはその場で立ち上がると周りをキョロキョロと確認し始めるのを見て、ディアが困惑して聞く。
「一体どうしたんですか?」
「お前のいうとおりで武器だけがないんだ。おそらくだが既に人が探索した後だろう」
「まだいるかもしれない、一度団長に報告しに行こう」
そうテノーが振り向いたその時、ディアは声上げ指を指す。
「テノーさん! 後ろ!!」
ディアの言葉でテノーは振り向きざまに剣を構えると咄嗟に防御をすると、剣に重い衝撃が響き渡るとテノーは吹き飛ばされ、壁に激突するが壁が崩れる中でテノーは立ち上がるが口から血が流れる。
「ゴーレム....か....」
ゴーレムとは見た目は石材や金属に覆われており、本体は人型であるものの、皮膚が非常に柔らかく粘着性がありそこらの石材を纏うことでヤドカリ式に固い表皮を手に入れる生物である。
ロイはライフルを手に取るもディアがそれを静止するのを促すように手を添えて、ゆっくりと後退する。
あの身体におそらく銃は無駄.....セオリーとしては兵士が注意を引いて戦士が外骨格の隙間を攻撃するんですが.....この狭い空間ではリスクが高い...今回は“アレ”を使うべきでしょう....
「マルクさん! お願いします!」
「わかった...!」
ディアの声掛けでテノーも下がると、マルクが”手射ミサイル“を構える。
狙いを定め、引き金を引くと腕に強い衝撃が走ると共にゴーレムにミサイルが発射される。
ミサイルがゴーレムに直撃すると爆散するのであった。
”手射ミサイル“
ラクトミルのミサイルであるが音響などの誘導性をなくしたロケットランチャーに近い武器。量産しやすい分、威力は下がっているが爆破範囲は小さく味方を巻き込むリスクが低い。
「なんとか倒せたな、にしてもすごい武器だなこれ」
「コストは大きいから使い所は気をつけろよ」
テノーはそう言うとゴーレムの死体と、出てきた地点を見る。
「天井に潜んでたみたいだ、流石に気づかなかったが、甘かった。ゴーレムの身体に銃器がなかったからやはり探索後の可能性がある。一度報告に戻ろう」
テノーはそう1人で反省すると一度リド団長の元へと向かうことになった。




