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灰と魔法の荒廃戦  作者: 山田浩輔
時の被災
35/58

第35話 新たなメンバー

 「へえ、あれが新しい団長か」

 ロイが見た先にいたのは若めで髪を纏めている青年だった。名はリドというそうで、年齢は30代後半だが見た目だけなら20代と偽っても問題なさそうで、だがその笑顔は張り付いた笑顔のような、胡散臭いといった印象であった。


 「やあやあ、君たちも旅団のメンバーだよね、よろしく。第二旅団グループなんだけど、ガルグさんの代わりとして来たよ」


 リドはにこやかに3人に近づくと、邪気のない笑顔で話し、ディア達も頭を下げる。


  「ディア・ハルアトスです、こちらこそよろしくお願いします...!」

 「よろしくお願いします、俺の名前はロイ・リポスタルです、よろしくお願いします」


 「僕の名前はクリス、よろしく」

 

 リドは胡散臭い笑顔でニコニコとしながらクリスに近づくと、肩を掴むと笑う。

 「うんうん、実にいい身体だね! 確かに君は旅団で一番強いかもしれないね!」


 リドはそう笑いながらさっさと去ってしまうと次の旅団メンバーのところの方へと行ってしまった。


 「これはまた.....グランツ団長とは全然違う雰囲気だな....」

 「そうですね、とはいえ頑張りましょう!」

 ディアはやる気満々のようで、それを見たロイも自身の顔を叩くと活を入れ、訓練を始めるのであった。






 *****




 

 遠征は前よりもさらに警戒が強くなっていた。おそらくガルグ達はデルタに戻る際にメアリーとエックスに襲われたのだろう。車両と[鉄生成]、人員を失ったことで戦力はかなり落ち、オアシスも失った。シグマ側につく国も増えてくるであろう。だからこそもう同じことを繰り返すわけにはいかない。


 今回の遠征メンバーは1班5人の合計12班による60人編成。先頭車両の方にクリスとリド、最後方の車両にメスマーが乗っている。


 機関銃の数は2台、ただし怪物相手は基本はクリスが対応する手筈になっている。



 今回は資源の調達が目的で、自然生物の多いオアシスよりは多少危険度は下がるだろう。


 車両は荒廃した住宅街の中に入ると、そこで先頭車両が止まる。


 「よーし、一度ここで探索に入ろう! 使えそうな廃材を集めるようにね」

 そのリドの言葉により、次々と旅団メンバーは降りていくと、班行動で家宅に入り始める。


 家宅に先行して入るのは戦士のテノー、武器はシンプルな剣で、クリアリングをしながら進んでいく。



 「敵はいない、しばらく人が来た形跡もないな」

 テノーは目についた家具を手にすると指で叩き、音からサビついている金属であるとわかると後方の運搬係へ渡す。


 「まだこれは使える、状態が思ったよりも悪くはないな」


 淡々と仕事をこなすテノーをみてディア達も物資を漁る。基本的に欲しいのは金属類、腐食の度合いによっては使い物にならないので見極めは必要ではある。


 基本的に食料などはないので怪物を心配する必要はないが警戒は怠らない。


 そうして何事もなく数時間の探索を終える頃にはすっかり日が暮れ始め、リドのところへと戻り、その後リドの指示で野営を行うことになった。



 「今日は俺たちは見張りしなくていいのか、やったな!」

 今回の見張りは探索メンバーが多いこともあり、ディア達の班は見張りをしなくてよい、班員の1人であるマルクはそれに気分良くしているようでロイも笑いながら同調している。

 「そうですね、明日は私たちの班ですけどよかったです」

 ディアはもうすでに眠る準備を進め、テノーは剣の手入れをしたりと各々が動いていた。



 




 一方でクリス達の班は見張りを担当しており、リドとクリスは適当な雑談をしていた。


 「クリスくん、君の現在の階級は1級だそうだよ。本当にすごいね」

 リドはにこやかにそう言うがクリスはそれを聞いてため息をつく。

 「そうかな、僕はそこまで嬉しくはないかな....」

 「あれ。そうなの?」

 

 「うん。なんて言ったらいいのかな、僕は戦い自体は好きじゃないし、それで賞賛されることは好きじゃないから.....かな」

 「そっか、クリスくんは.....」

 リドはそこで口を噤むと、首を横に振り笑う。

 「いや、なんでもない。いざという時は頼んだぞ! エース!」

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