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灰と魔法の荒廃戦  作者: 山田浩輔
火薬兵器の国
27/31

第27話 杭の戦士

 「攻撃が.....当たらない......!」

 煙があたりを覆う戦場でペルーは金棒を振るうもバトラーはそれを紙一重で避けると、鉄杭を突き出しペルーの心臓を狙うが、ペルーは咄嗟に左腕で防御する。


 だが左腕に杭が突き刺さった痛みで一瞬怯み、その次の瞬間、バトラーは足払いでペルーを転倒させると飛び上がり、ペルーの顔面に向け体重をかけて突き刺そうとしたその次の瞬間、銃声が鳴り響くと、バトラーはペルーから離れ、仰向けのペルーの上空を銃弾が通り過ぎる。



 ペルーはその場で立ちあがろうとするが、ウォルトがペルーの腕を掴み即座に立ち上がらせると腕を掴んだままウォルトは走る。


 「ミサイルが来るッ! 早く離れナ....!」


 そしてその直後、ミサイルが飛んでくると炸裂し、ウォルト達は塹壕の奥に転がり込み、爆発を回避する。



 「いい判断だよ、ミサイルの可能性をちゃんと思考できてるんだね」

 バトラーは余裕そうに近づき、それを見たウォルトは拳銃を構える。

 「いくらなんでも銃は避けられない、大人しく投降しナよ」


 バトラーはそれをみると笑いながら杭を地面に捨て、投降する様に見えたその時、懐から何か取り出したかと思うとウォルトに投げつけた。



 「く......ッ!!」

 ウォルトは即座に射撃し、バトラーの胸元に着弾したのを確認してから次にウォルトはバトラーから投げられたそれをみると驚愕する。


 「手榴弾......!?」


 手榴弾なんて使えばこの状況だとミサイルが集中して飛んでくる。明らかにこれは自爆前提の攻撃で、ウォルトとペルーは手榴弾から距離を取るため分断する様にして、別方向へと跳び、うつ伏せに倒れて頭を守る。



 



 爆発音が鳴り響き、ペルーはミサイルが来る可能性を考え、立ちあがろうとしたその瞬間、バトラーが現れ、ペルーの脳天に杭が突き刺さり、絶命した。



 「なんで.......生きて.......!?」

 確かに銃弾は胸を撃ち抜いたはずだった。だがウォルトが見た時、バトラーは当たり前のようにそこに立っており、バトラーはペルーの頭に突き刺さった杭を引き抜く。



 「そんな気にしてる暇があるのかな、またミサイルが飛んできちゃうよ?」

 バトラーはそう言ってまた走り出し、ウォルトはバトラーを追いかけようとするものの、ミサイルが飛んでくることもあり、そのまま塹壕で身を屈めるしかなかった。




 ウォルトはミサイルをやり過ごしている間も思考を巡らせていると無線機から声が鳴り響く。


 「........ちら............クリス...........音響ミサイルだけじゃ..........手動操作..........サイルも.........る......!」


 距離が遠すぎるのか途切れ途切れでとても聞こえにくいものであったがウォルトは何を伝えたいのかを理解し、無線を使おうとするが、その時にあることに気づく。













 「なんとか......伝えられたのかな.......?」


 敵側の塹壕の裏でクリスは身を潜めていた。あらかた敵は気絶させ、単独で突破しているものの、ミサイルのせいでなかなか進むことができない以上はここであとは味方が前線に来るまでここを守り切ればいい。


 クリスはそう考えると気を抜くことはせずとも息を吐くのであった。


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